小林 和歌子教授 文化情報専攻 言語教育研究コース
先生の研究テーマについてお聞かせ下さい。
主な研究テーマは、COIL(Collaborative Online International Learning国際協働オンライン学習)、VR研究、Extensive Reading(多読)、Lev Vygotsky’s Sociocultural Theory(ヴィゴツキーの社会文化理論)、Socio-Cognitive Approach(社会認知的アプローチ)、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages ヨーロッパ言語共通参照枠)、Can-Do Statements Research、Learning Strategy(学習戦略)、Motivation, MOOC(Massive Open Online Courses), CALL(Computer-Assisted Language Learning)等々
先生の経歴について教えてください。
横浜生まれの横浜育ちで「ハマっ子」4代目です。父が元ニューヨーク駐在員の貿易商でグローバルに海外を飛び廻り、幼き日より自宅にいつも舶来品がありました。また、母も短期大学の専任教授(家政学専攻)で女性でありながら仕事と家庭を両立させている良いお手本でありました。自然と生涯を通して研究と仕事をする道を与えられたような気が致します。クリスチャンスクールでネイティブスピーカーの宣教師とも接触が多くありました。東京女子大学学部時代には英語教育研究者をこころざし米国マサチューセッツ州マウントホリヨークカレッジ(米国最古の女子大学)に語学留学をし第二言語習得理論と応用言語学に触れました。学部2年生のゼミ(認知心理学)で初めてCritical Period Hypothesis(臨界期仮説)とLateralization(脳の一側化)についての口頭発表をし教授に褒められたことも大変記憶に新しく残っております。学部時代は家庭教師をしながら九段下にあるELEC語学研究所にもダブルスクールで通い、とにかくスピーキング、リスニング、ディスカッション、ペアワークの日々でした。その後高等学校英語科専任教員を経て、英国ケンブリッジに2年間留学の機会にも恵まれました。その間、様々な分野の研究者及び留学生達と触れ合い、将来世代に関する日英韓の国際会議の運営補佐をすることで貴重な知見を得ました。また、仏ブルゴーニュ地方のディジョンにひと月以上滞在し異文化多言語に触れました。帰国後米国テンプル大学大学院教育学研究科修士課程・博士課程にて時に寝食を忘れるほど勉学に打ち込みEd.D.(教育学博士号)を取得しました。日本大学文理学部に助教として着任した後は、准教授を経て現在は教授。文理学部において外国語教育センター副センター長、センター長、グローバル教育研究センター副センター長を経て現在はセンター長を務めております。また、ハワイ大学マノア校第二言語教育学部にて客員研究員を務めたことも良い経験となり、受け入れ先の研究者と共同研究を行いました。その結果、2023年11月にテンプル大学ジャパンキャンパスよりDistinguished Alumni Award『優秀卒業生賞』を賜りました。
インターネットを使った通信教育についてのご感想は?
コロナ以前から、LMSとしてネットの重要性は認識しておりましたが、コロナにより一気にZoomやWebexを使用して距離を気にすることなく授業、教育指導が可能となりました。Blackboard, Canvas LMS, Google Classroomなど今やインターネット無しの教育は考えられない程となっております。英語教育、第二言語習得理論、応用言語学の分野においてもCALL(Computer-Assisted Language Learning)の重要性は益々増すばかりです。効果的に上手に利用して動機付けの一端になると良いと思います。
オフラインでのエピソードは何かありますか?
大学英語教育学会(JACET)でセミナー委員会委員を20年以上務めており様々な大学にて対面における「英語教育セミナー」、「サマーセミナー」の企画運営に携わっております。直接対面にて著名な国内外の研究者の謦咳に触れることができることは誠に喜びであります。また、文理学部グローバル教育研究センター外国語教育部門長としても様々な英語講演会や異文化交流会、大使館訪問等を企画運営しています。米国、英国、タイ、シンガポール、マレーシア、クウェート、アフガニスタン、スロベニア、ロシア等々多文化に触れる貴重な機会を同僚と協働し学生の皆様に提供できます事は本当に嬉しいです。
趣味,休日の過ごし方は?
万葉集の代表歌人山部赤人の和歌に「若の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴きわたる」とあります。万葉歌人に愛された和歌の聖地・和歌の浦であり潮の満ち引きとともに、陽光を受けて刻々と表情を変化させ、入江を取り囲む山の桜が彩る春、新緑が包む初夏、紅葉が鮮やかに染まる秋、雪景色を見せることもある冬…と、時間の流れの中でひと時として同じ光景は見られない美しい景勝地です。この和歌にちなんで父が私を名づけたと聞いております。そのためか20代の頃より、京都の冷泉流和歌を嗜んでおり冷泉貴実子先生より歌題を頂くと和歌を詠むことを休日の楽しみとしております(受賞・入選歴多数)。また国内外を問わず、美術館巡りが好きで、西洋美術特に印象派のモネ、ルノアール、ゴッホ等の作品展示会があると飛んで出かけて行きます。しかしながら休日も仕事をしていることが多いため最近ではなるべく散歩をし、フィットネスクラブにも所属し運動不足解消に努めています。
志望者に向けて,一言お願いします
勉強が出来る時、勉強を志した時が、最良の時です。是非限られた時間を上手にやりくりし、好きな専門分野にひたすらに打ち込む幸せな時間を求めて下さい。