インタビュー

Interview

山﨑 眞紀子教授 文化情報専攻 文化研究コース

先生の経歴について教えてください。

別に本がたくさんあった家庭環境に育ったわけではないのですが、幼い時から本が好きで、買ってもらった本を何回も読んでいました。つまり、本は宝物のように大切なものだったんですね。今から思えば。字が読めるようになって、初めて買ってもらった絵本がシェイクスピアの「リア王」でした。自分で選んだのですが、理由は別にこれといってなくて直感的に選んだんだと思います。
私は3人兄弟の末っ子なので、「リア王」に出てくる三姉妹の末っ子・コーディリアに加担して、彼女の生き方こそ立派な人間のすることだって思いこんじゃったんです。リア王は家督を譲るときになって、自分のことをどれほど大事に思ってくれるか、言葉にして聞きたかった。姉二人は言葉を尽くしてその思いのたけを述べます。コーディリアは姉たちとは異なり巧言令色を嫌い、「真心を捧げます」とだけ言い、もっとたくさんの言葉を期待していたリア王の怒りを買い、勘当されてしまいます。今から思えば、私が文学研究に進もうとした理由はここにあるのではないかと思います。つまり、心に思っていることをいかに言葉にするのか。しかも、コーディリアの二人の姉のように、心にもないお世辞を言うのではなく、心と一致した言葉をどのように表に出すのか。

ですが、ご存知の通り「リア王」は悲劇です。私の人生も、お世辞を言えない(言ってはだめって思いこんできた)ために、悲劇的人生を歩んできました。そのためか人生に振り回されて(?)大学の専任職に就いたのは40歳を超えてしまいました。東京外での初めての勤務、札幌で教鞭を13年間執り、2年前日本大学に着任しました。50歳を超えて、そろそろ悲劇は終わりにしたいと思っています。心の中で思っている言葉を、どのように表現すれば、人は自分の信じる道を歩むことができるのか。言葉はとても大切です。そしてそれを心に広く伝える物語という器がどのようなものであればよいのか、小説は実に素晴らしいなあって感動しながら日々文学研究にいそしんでいます。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

まだ、経験がないですが、振る舞いや表情などの身体表現がなくて、純粋に言葉を通じてのコミュニケーションですから、とても楽しみです。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

まだ担当していないので、ないです。前任校では、夏休みはゼミ合宿をしていました。教室外でゼミ学生と活動するのは、普段見ることができない姿を見ることができて、すごく楽しかったです。眠くて先に寝ちゃうと、ゼミ生たちが起こしに来るので、夜通し話の輪に加わることもありました。

趣味、休日の過ごし方は?

映画や観劇が好きなので、観に行っています。特に映画はDVDで済ますっていう方法もあるのですが、なんといっても暗い映画館の中で、スクリーンと向き合う時間は、何もかも忘れられて作品世界に入り込むことができるから、最高に幸せに感じます。

演劇は人に勧められたり、ネットで見てこれは面白そう、って思うのをアトランダムに見ています。生身の人間が目の前で演じてくれる、その迫力は何物にも代えがたいですね。また、子どものころからプールなど水に入るのが好きでした。最近はあまり泳げなくなってしまい、スポーツクラブでアクアビクスなどをする時がとても楽しい時間です。週末に学会などが重なったりしていくことができないと、なんだか忘れ物をしている気がするというか、物足りなく思います。

志望者に向けて、一言お願いします。

私は信仰を持たないので、文学の神様に一生ささげたいと思うほど、文学が好きです。「研究」というと堅苦しいイメージがありますが、作家研究にせよ、作品研究にせよ、テクスト分析にせよ、好きな対象を見つけて、とことん読み、調べ、考え、そして書いていくことで、それまで見えなかった地平が開けてきます。その瞬間は何物にも代えがたい至福の時です。一緒に新たな地平を開いていきましょう。

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