インタビュー

Interview

陸 亦群教授 国際情報分野

先生のゼミの特色・院生のテーマは?

インターネットを使ってのサイバーゼミと対面的指導を組み合わせたハイブリット型ゼミを進めます。また,年一回のゼミ合宿を実施し,コミュニケーションの強化を図ります。研究テーマについては,院生各自の主体性と問題意識を重視し,研究課題を決めます。それに合わせて,研究計画の作成,先行研究成果のサーベイ,研究テーマ関連の参考文献目録の作成といったステップで進み,具体的な論文作成に着手することになりますが,修士論文作成に向けての中間報告や研究報告を行ない,院生同士の議論や指導教員のアドバイスを通じて修士論文の完稿をめざします。

先生の研究テーマについてお聞かせください。

新シルクロードの研究発展を長期的研究課題として取り組んでいます。現在の研究テーマは「新興国における新たな開発戦略の取組みと多国籍企業の立地選択」です。
1990年代後半以降,アジア地域,特に東アジアでは生産輸出拠点としてのアジアと消費市場としてのアジアが重なり,「アジア経済のアジア化」が進行しています。東アジア新興国では,これまでとは違う新たなキャッチアップのプロセスが始まります。従来のキャッチアップは雁行形態型といい,主に産業移転による国際的伝播効果を柱としますが,新たなキャッチアップは新しい成長拠点がどのように形成されるか,つまり,集積のコアがどのように形成されるかに注目します。この新たなキャッチアップのプロセスを「ダイナミックキャッチアップ」といいます。

ダイナミックキャッチアップには,「産業集積」,「企業生産活動のグローバル化」,「インフラネットワークの形成」の3つの要因が関わります。これは,「成長する東アジア」の経験をモデル化したものですが,その一般適用性を明らかにすれば,「停滞するアジア」とも言われる内陸部地域,とりわけ新シルクロード沿線地域の経済発展にも参考になります。新興国は如何にしてこの経済活動のグローバル化へアクセスするか,如何に企業生産活動のグローバル化にインセンティブを与えるかがキャッチアップ成功の鍵を握ります。

現在,多国籍企業の立地選択,企業行動の重要性を研究に取り組んでいます。

先生の経歴について教えてください。

出身は,中国の上海です。上海外国語大学の付属中学・高校で学び,そこでみっちりと日本語や日本文化等について叩き込まれました。日本語を選択したのは偶然です。学校には日本語クラスの他に英語,フランス語,ドイツ語,ロシア語,スペイン語があるのですが,私が中学受験した年は日本語クラスだけの募集でした。軍隊生活のような厳しい寮生活でしたが,ここで兄弟のように育った学友達との思い出は私の財産の一つです。

外交官を目指していましたが,やむをえない事情で断念し,進路を変更しました。もちろん,ショックではありましたが,「これも運命だ」と受け入れることができたのは,今振り返ってみても良かったと思います。

まずは理系の学問を専攻しようと,上海の大学で電子工学を学びました。その後,日本では社会科学系の学問をと思い,経済学を専攻しました。経済学は,非常に肌に合っていました。寝る間も惜しんで勉強しましたが,楽しくて仕方がありませんでした。結果,博士学位を取得することができ,研究者としての道が開けました。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

本学通信教育部において,2004年度からメディア授業,いわばe-Learningが始まりました。私はメディア授業国際経済論を担当しております。メディア授業とは,インターネット技術を活用した新しい形態の授業で,時間的・空間的制約を乗り越えて学習できるのが大きな特徴です。もう一つの特徴は反復学習です。e-Learning学習には受講順序があり,章やテーマを順番に進んで学習していきますが,一度学習した内容を,後から自由に学習することもできます。

通信教育部e-Learningのコミュニケーションツールは主に講義用ディスカッションボードを使っています。講義用ディスカッションボードは,学生同士,学生と講師が情報交流を行う場所ですが,講座の授業進行上の重要なお知らせも掲載しますので,学習サポートに大きな役割を果たしています。サイバー大学院のシステムには,双方向コミュニケーションツールなどの対面的な要素を加えていますので,教育効果,サポート効果が大いに期待されます。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

学生さんから懇親会の企画のお話があり,全国各地から集まり,大いに賑わいました。普段はネットオンライン上のチャット形式でコミュニケーションをとりますので顔を合わせることはありませんが,このようなオフラインのコミュニケーションも非常に大切であると感じました。

趣味,休日の過ごし方は?

趣味はドライブです。学生時代,留学生仲間でレンタカーを借りて,北海道を一周したことがあります。本当に美しい景色でした。今度は家族と行けたらいいなぁと思います。大型バイクにも乗っていた時期があるのですが,結婚を機に乗らなくなりました。運転すること自体が好きなんです。

中国人はお茶ばかり飲んでいると思われがちですが,私はほとんど口にしません。たまに中華料理屋で出てきたお茶を飲むくらいです。そのかわり,コーヒーが大好きで四六時中,飲んでいます。休日にコーヒー豆を挽いて,お湯を注ぎ,ゆっくりと香りを楽しみながら味わうのは,至福のひとときです。

志望者に向けて,一言お願いします

「不入虎穴,焉得虎子」(虎穴に入らずんば虎子を得ず)。危険を冒さなければ,大きなことをやり遂げることはできない。慎重かつ大胆に知的な冒険を。努力は必ず実ると信じています。頑張って下さい。

教員プロフィール