インタビュー

Interview

大八木 時広准教授 国際情報専攻 国際(関係)・政治コース

先生の研究テーマについてお聞かせ下さい。

大学院に入学した動機が欧州統合を研究したいということだったので,それ以来,欧州統合のプロセスを歴史的にさかのぼって研究する政治史的アプローチ,そして欧州統合の国際政治学理論的研究を研究テーマとしています。

現在の研究テーマはEUの危機管理的側面です。欧州はさまざまな危機に見舞われてきました。近年でいえば新型コロナウイルス感染症,そしてウクライナ戦争が挙げられます。こうした課題にEUがどのように対処しているのかを同時代的な見地から研究しています。2020年以降はEUの新型コロナウイルス感染症対策を主として研究対象として,EUのワクチン戦略や対外的なワクチン援助政策などを研究しています。また2022年2月以降,EUのウクライナ戦争への対応策も研究テーマに加わりました。

先生の経歴について教えてください。

中学一年の時にNHKの「その時,世界は」という国際政治ドキュメンタリーを見て,国際関係に興味をもちました。以来,現代史を自己流に学びはじめ,大学受験では政治学科ばかりを受けて,日本大学法学部の政治経済学科に入学しました。当初は現代日本政治(とくに戦後政治史)が主たる関心領域でしたが,大学4年の時にたまたま図書館で読んだ鴨武彦先生の『国際統合理論研究序説』に衝撃を受け,大学院を志しました。大学院では欧州政治史をより広く学ぶ機会に恵まれ,歴史的視点から現代欧州を把握することを教えられました。大学院卒業後は日大のさまざまな学部で非常勤講師を務めて,2016年に危機管理学部の専任の教員となりました。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

コロナ禍の到来とともにオンライン授業が始まりました。当初は緊急避難的措置でしたが,時間がたち経験を積むことにより,オンライン授業の特性や利点も明らかになりました。大げさに言えば,世界のどこにいてもネット環境さえあれば参加・配信できるのがオンライン授業の強味です。もちろん一番望ましい授業形態が対面授業であることは間違いありませんが,通信教育部の学生さんは日本のさまざまな地域で生活され,さまざまな個人的事情を抱えていらっしゃることと思います。対面以外でも学びの場に参加でき,つながっていることは大事です。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

わたしは大学院生時代,恩師のゼミにオブザーバーとしていました。ゼミといえば合宿(とくに夏合宿)がメイン行事でしたので,毎年合宿にも参加させてもらいました。学生たちと「同じ釜の飯を食う」,そして酒を酌み交わしながら夜遅くまで語り合うというのは貴重な経験で,親しさも増しますし,思い出深い経験にもなります。通信教育ではなかなかこうした行事は実現できないかもしれませんが,もし機会があれば学生のみなさんにも参加されることをお勧めします。

趣味,休日の過ごし方は?

音楽です。幼少から音楽が楽しみの一つでしたし,中学・高校と吹奏楽部に所属していたこともあり,趣味というよりは日常生活に欠かせないものです。オーケストラ曲からオペラまでいろいろ聴き,時代もバロックから21世紀の現代音楽・まで幅広く聴きます。とくにお気に入りは,20世紀のフランス音楽で,ドビュッシー,ラベル,プーランク,イベール,メシアンといった作曲家の作品です。また映画・ドラマもよく見ます。とくにアメリカのテレビシリーズのNCIS(米海軍犯罪捜査局という実在の捜査機関が舞台にした刑事ドラマ),HAWAI-Five O(ハワイが舞台にした刑事ドラマ),ザ・ホワイトハウス(あのホワイトハウスが舞台)のファンです。また水谷豊さんの相棒シリーズは,シリーズ化される前のプレシーズン時代からのファンです。

志望者に向けて,一言お願いします。

大学院ともなれば高度なレベルの成果が求められますので,それなりの覚悟が必要でしょう。多くの専門文献を読み,徹底的に思考することが求められます。決して簡単なハードルではないかもしれませんが,我々教員がサポートします。ぜひ自分のこだわりの研究テーマを見つけて研究に邁進していただきたいと思います。知識があるかどうかは大事ですが,それ以上に大事なのは,研究テーマ,そして研究そのものに対してパッションがあるかどうかです。知識は学ぶことで身に付きますが,パッションは教えられるものではありません。ぜひ熱い心をもって学びの場においでください。

教員プロフィール

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