インタビュー

Interview

木村 敦准教授 人間科学専攻 心理学コース

先生の研究テーマについてお聞かせ下さい。

主なテーマは「リスクコミュニケーション」です。同じ内容 (content) でも表現や周囲の環境・状況といった文脈 (context) 要因によって伝わり方や効果がかわります。なぜかわるのかといった心理学的メカニズムも含めて主に実験心理学的アプローチにより研究しています。これまで防犯や食品安全、環境配慮行動、SNSの安全利用などを題材として検討してきました。また、食行動に関する心理学研究も継続的に進めており、現在はとくに認知症高齢者の食卓環境支援について研究しています。食べものであること、食事の場であることがわかりやすくなるような認知心理学的介入の効果について実験により定量的に明らかにし、エビデンスに基づく食支援を進めたいと思っています。その他、色彩・デザイン、消費者行動、教育改善など様々なフィールドで研究を行っていますが、いずれも心理学のアプローチと方法論がベースになっています。

先生の経歴について教えてください。

大学・大学院では「心理学」を専攻していたのですが、その後は現在まで「心理学科」で仕事をしたことはなく、(独) 農研機構 食品総合研究所 (現・農研機構 食品研究部門) 、東京電機大学情報環境学部、日本大学危機管理学部 (現職) と、多様な研究分野の中で教育・研究に従事してきました。これまで様々なテーマの研究にチャレンジしてこれたのは、これらの職場で異分野の研究者や学生とディスカッションを重ね、よい共同研究ができたからだと思います。自分の主テーマの研究のみ進めるのではなく、心理学の視点やスキルが求められているフィールドに積極的に出向き、現場の声を聞くことを心がけてきました。そういった姿勢はこれからも大切にしたいと思います。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

時間や場所の制約によって学びを諦めずに済むことは素晴らしいことと思います。対面と比べて云々といったことも無くはないかもしれませんが、現代ではメールに加えてLMS (Learning Management System) やSNS、ビデオ会議ツールなどの利便性も向上しており、その使い方次第で充分カバーできるのではないでしょうか。もちろん対面で相談したいという学生さんもおられるかと思いますので、研究に関する打合せは対面でもオンラインでもどちらでも大丈夫です。

志望者に向けて、一言お願いします。

大学院では自分が関心ある専門領域について知識を深く学ぶだけでなく、自分で「研究を行う」必要があります。研究をやり遂げるには当然ながら相応の技能と努力と時間を要しますので、2年間もあっという間に過ぎてしまうと思います。それでも、未知の領域に自ら足を踏み入れ、試行錯誤の末に1つの研究をまとめる経験は、成果はもちろんですがそのプロセス自体が大きな財産になると思います。教員もしっかりバックアップしますので、ぜひ一歩を踏み出していただければ。

教員プロフィール

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