インタビュー

Interview

加藤 孝治教授 国際情報専攻 経営・経済コース

先生の研究テーマについてお聞かせ下さい。

産業・企業行動を対象にした研究として,流通業界,食品業界,物流業界などに着目しています。研究を始めた当初は,銀行員時代の経験を踏まえて,小売企業の競争戦略を中心に取り組んでいましたが,その後,企業組織を強くするための組織論(人的資源マネジメント)や,流通・物流の仕組みの変遷などに興味分野を広げて研究に取り組んでいました。その後,研究を深めていく過程で,日本の有力な小売企業にファミリービジネスが多いことから,ファミリービジネスに注目するようになり,最近は,企業行動・業界研究とファミリービジネス研究を組みあわせた領域を研究テーマとして取り組んでいます。また,ファミリービジネスに地方の有力企業が多いことから,地方の産業活性化にも興味をもって取り組んでいるところです。

先生の経歴について教えてください。

大学を卒業して,最初は銀行員となりました。銀行員時代には,支店営業から始まり,幅広な経験を積んでいます。その中で,現在に繋がることとなったのが,産業調査部及び本店営業部で小売業界・小売企業に対する貸出営業を担当したことです。小売企業の調査・営業担当として培った経験が,企業行動・業界構造に興味を持つことに繋がり,現在の研究に活かされています。また,銀行という組織の中で過ごすなかで得た金融の知識は産業を考えるうえで欠かせない知識であり,また,企業組織の中での経験が組織論(人的資源管理論)にもつながっています。社会人時代の経験が研究活動・学生指導に繋がっているものと考えています。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

私は社会人時代に,こちらの大学院の修士課程・博士課程を修了して,現在に至っていますので,インターネットを使った通信教育の良さはよく理解しています。最大の強みは,学習・研究するための時間的制約,物理的制約がないことです。どうしても,仕事に追われ,時間に制約の多い社会人にとっては,大学院のキャンパスに行くのは,大変なことです。インターネットを使った通信教育を活かし,いつでも学びたいときに学べることは,社会人にとってとても魅力的な学習方法だと実感しています。また,遠隔教育でありながら,インターネットの仕組みを使うことで,一人で学習するのではなく,仲間のいる環境での学習ができる点も大いなる強みだと感じています。自主的な学習だと,ついついさぼりがちになりますが,インターネットの向こうに先生がいて,仲間がいる環境だと,目に見えない形で励まされ,研究を続けることができます。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

論文指導の難しさは,まず,そのテーマを決めるところにあります。学生の多くは入学したときに研究領域を考えますが,具体的な研究テーマを絞り込んでいくことに苦労します。自らのテーマ,問題意識に基づき大学院に進み,朧げにやりたいことは分かっているものの,その問題の本質を探るために,どのような研究の切り口で臨めばよいのかがわからなくなりがちです。自分の家で事業をしている学生は,家業の役に立つ研究をしたいということで大学院に進んだのですが,いざ,研究に着手しようとすると,そもそも家業はどのようなビジネスなのかを正確に理解できていないことに気付き,どのような事業環境の中で仕事しているのかもよくわからないというところからスタートしました。まず,問題意識を正確に理解するための時間をたっぷりとって,それが明確になったうえで,論文指導をすることにしました。最後は時間との戦いになりますが,問題意識が固まったことで,研究内容は目的に沿ったものになっていったように思います。

趣味、休日の過ごし方は?

大学生の頃は映画を見に行ったり,美術館に行ったりするようなこともありましたが,社会人になって,週末もかなり忙しい生活が続いてました。また,40歳を過ぎて社会人大学院に入ってからも,週末は本や論文を読み,レポートを書くために使っていましたので,あまり自慢ができるような週末の過ごし方をしていません。今も週末にはこの大学院での指導のほか,学会や研究会が開催されることも多く,あまりゆっくりとした時間の過ごし方はできてないですね。ただ,いろいろな学外の方との接触の機会が増えたことは,とても楽しく,今の研究に役立っています。ある意味では,趣味を仕事にしてしまったようなものかもしれません。ただ,これからはオンとオフの切り替えを意識しなくてはいけないなと思っているところです。

志望者に向けて、一言お願いします

よく言われる話しですが,私たちは「人生100年時代」になっています。その気になれば,いつから始めても遅いことはないのです。それは,趣味のことでも研究でも同じことです。人生を学びの時期(学生生活),生産の時期(社会人生活),そして老後という3つの期間に分けるのではなく,生産の時期の途中に学びの時期が入ることもあるし,老後でも学びのチャンスはあるのです。私たちの大学院のようにインターネットを活用した大学院での学びは,仕事をしながら効率的に学ぶことができるスタイルです。社会人の皆さんにとって,気が付いたときに,時間や物理的な制約を気にすることなくスタートできる機会だと考えてください。


もう一つ,お話ししたいことは,大学院での学習は,人から教わる学びでではなく,自分から課題を見つけ,探求する学びであるということです。自分にとって必要な学びの場を悩みながら,見つけ出してほしいのです。その思いがある人を最大限にサポートしていきますので,恐れることなくトライしてください。

教員プロフィール