インタビュー

Interview

秦 光賢教授 人間科学専攻 スポーツ科学コース

先生の研究テーマについてお聞かせ下さい。

1990年日本大学医学部を卒業後,心臓血管外科学教室に入局し,補助人工心臓の研究に没頭しました。補助心臓の研究で学位を取得した後は,大動脈外科手術の開発に着手し3つのオリジナル手術を開発しました。これらの手術は読売新聞に掲載され,日本全国から紹介患者が殺到しました。オリジナル手術を実行する前に大学院生の研究テーマとして動物実験を行い,手術の妥当性を実証し,院生の学位論文となりました。元々は空手家で学生時代に全国大会を制覇したこともあり,現在も東京オリンピックや全国大会の大会ドクターを務めています。この関係で,スポーツ外傷とその対処法に関して研鑽を重ね,現在著書を執筆中です。また運動と健康寿命の延長にも興味があり,運動による動脈硬化や高齢者のフレイル予防,動脈硬化退縮治療などについても研究をしてきました。

先生の経歴について教えてください。

幼いころからテレビの物まね番組やテレビCMによく出ていました。人気アニメ“ヤッターマン”の主題歌に出てくる子供の声は,当時小学校5年時の私の声です。高校時代,まだデビュー前の山田邦子さんや竹中直人さんと争い,全日本ものまねグランドチャンピオンを獲得しました。医学部時代,作曲家の故・平尾昌晃先生にスカウトされ芸能界入りを熱望されましたが,これを断り医学界に進みました。高校時代は応援団長で,人を応援したり,笑わせたり楽しませたりすることが大好きでした。またロックバンドを結成しライブ活動をしたり,一方では空手道の高校国体強化選手を務めました。医学とは全く異なる世界で活躍する方々を見てきた中で,その社会観を教育に生かそうと思っています。

インターネットを使った通信教育についてのご感想は?

私の教育方針は,わかりやすく考えること,笑いを伴い考えること,感動を与える教育であること。以上3点です。従って,相手の目から伝わってくるものを感じ,全身から発せられる気を感じ,感動を共有することが極めて重要だと思っております。しかし,ここ3年間はコロナ禍のため,インターネットによる通信教育にシフトしており,最初はかなり戸惑いました。しかし教育を続けていく中でインターネット通信教育のたくさんの利点もわかりました。時間を選べる利点,場所にとらわれない利点,緊張しない利点,服装が気にならない利点などです。実は私はアナログ人間でインターネットは苦手なのですが,学生さんとのやり取りの中で,操作方法などをいろいろ勉強していこうと思っています。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

大学院生の研究テーマを決めるにあたって,まず図書館にある人工臓器関係の本を全部読ませました。そこから何かヒントをつかみなさいと教えたのですが,最終的に人工臓器とは全く異なるテーマになってしまい,論文を読み漁ったことが無駄になったように感じたことがありました。しかし学生から,論文の書き方,起承転結がよく理解できて,執筆作業がはかどりました。と言われ,努力は決して無駄にならないと実感しました。

趣味,休日の過ごし方は?

趣味は作詞作曲,歌うこと,そして歩くことです。唄のレパートリーは70曲近くあり,2008年に出したCD“心とハート”はオリコンインディーズヒットチャートの初登場9位となりました。YouTubeで検索すると少女が両手を広げているCDジャケットが出てきて,クリックすると全曲聴くことができます。もちろん歌っているのは私です。また同時期に作成した”信じあおう“は病院執行部会で正式に,日本大学医学部付属病院の唄と承認を受けました。休日は朝からビールを飲みながら唄を書いたり,ウォーキングやジョギングをして体を動かしています。ちなみに自転車を捨て自家用車も売ってしまいました。毎日の通勤は2駅分歩いて乗車し,目的地の2駅前で下車して歩いて通勤しています。それはHDL(善玉コレステロール)を増やす最もよい方法が,ウォーキングだからです。

志望者に向けて,一言お願いします

大学院での研究は,教わるのではなく,自分で活路を切り開いていくことが重要だと思います。人は,目の前にあるかもしれない,いやないかもしれない事に恐怖を抱き,前に進めなくなります。前に進まなければ災いを被ることはないでしょう。しかし,その先にある真実を見破ることは決して不可能です。一歩前に踏み出せば,そこには大きな壁が立ちはだかり,時には足をすくわれることもあるでしょう。しかし,壁が高いから,それを乗り越えようとする努力が生まれ,足をすくわれれば,足をすくわれないようにする技を身に着けることができます。夢と挫折を繰り返し,共に真実を見つけに行きましょう。

教員プロフィール

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