インタビュー

Interview

秋草 俊一郎教授 文化情報専攻 文化研究コース

先生の経歴について教えてください。

私が出たのは新設の学科で,研究領域をひとつの分野に限らず,横断的に考えることが推奨される場所でした。そこでさまざまな先生の指導を受けながら,亡命作家やその翻訳について博士論文を書きました。グローバル化のすすむ現在,二つ以上の言語で作品を書く作家が増えてきていますが,そういった文学を研究しました。

その後,海外の大学に留学して研究するにつれ,研究テーマを移民文学や翻訳研究,世界文学に広げてきました。

インターネットを使った通信教育について,どのようにお考えですか?

インターネットによって研究活動の可能性は大きく広がりました。たとえば,ILL(インター・ライブラリー・ローン)やScan & Deliver Serviceがきわめて発達したアメリカの大学に在籍していると,資料集めがほとんど家から一歩も出ずにおこなえ,論文が書けてしまうこともあります。ただ残念ながら日本の大学ではまだまだそうしたサービスは未発達で(本研究科の場合,取り寄せの申し込みをするため特定の学部の図書館に直接申し込みにいく必要があったりなど),私自身ふくめて,難しい面もあります。国際的な研究を目指すのであれば,日本の大学はそういった面にもリソースを割かなくてはならないでしょう。

教育に対してもインターネットを使うことで,双方向的に学習をおこなったり,反転授業のような新しい学びの可能性があるとはすでに言われています。コロナ禍以降は遠隔会議システムをもちいた授業や,オンデマンド型の授業などはすでに日常的なものになりました。もちろん,まだ私自身もふくめて,未開拓な分野であることはまちがいなく,大きなチャレンジだと思っています。

オフラインでのエピソードは何かありますか?

いまはどこでも思わずパソコンを持ち歩いて仕事をしてしまうので,意識的にオフラインをつくらなくてはならないのが悩みです。なので集中して読書したり,翻訳の第一稿を作ったりするときは喫茶店にいるときが多いです。職場や家だとメールをチェックしたりしてしまうので。

趣味,休日の過ごし方は?

数年前に子供が生まれてからは基本的に育児をしています。子供は目が離せないため,学会に参加する時間もなかなかとりづらいですが,オンラインで気になる発表を聴くなどしています。

志望者に向けて,一言お願いします。

なにかを研究するということは,機械的にできることではありません。短時間でこなせてしまう「作業」と違って,根底にいかにその作品(もの)が自分を動かしたか,という体験がないとつづかないものですし,やっている自分でもおもしろくないのです。月並みですが日々の生活の中で自分の琴線にふれるものを探しつづけることが大事です。

ゼミ生の研究テーマ

・「シャーロック・ホームズ」シリーズの邦訳における翻訳規範

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