専任教員

Professor

鍋本 由徳教授 文化情報専攻 文化研究コース
令和8年度募集教員

担当科目
特別研究

専門分野

歴史学・日本近世政治史(近世初期対外関係を含む)

特別研究の研究領域

近世(16世紀末~19世紀半ば)日本における,政治・社会・文化を研究領域として考えています。現在,歴史学はさまざまなアプローチがあり,どのアプローチも魅力的です。しかし,どれほど魅力的なアプローチであったとしても,それらは基礎的な研究方法の上に成り立っていることを忘れてはいけません。特別研究では,この基礎的な研究方法をしっかりと身につけることを前提として,私が専門領域とする近世政治史,武家社会論を中心に近世全般を扱います。

特別研究の指導及び研究上のポイント

歴史学が誕生して数百年経過しましたが,やはり文献史学では「史料読解」を基本としていることに変わりはありません。いわゆる歴史学研究法は,かつて学部の「史学概論」などを通じて学んでいました。しかし,現在は基本的な研究法よりも,アプローチの多様性を重視し,歴史研究の基本の技術を扱わないまま研究を進めるような印象を与えるケースが少なからずみられます。「基本に忠実であれ」をもとにして,学説の整理法,論点の置き方,文献史料の扱い方など,研究の基礎となる方法論をしっかりと身につけ,その上で歴史学とは何かを意識できる指導をめざします。

特別研究の進め方

テーマとしたい事象を決定した時,時代像を適切に把握するため,最初は概説的(通史的)内容の確認を重点的におこないます。特定のテーマのみ詳しくても,その時代そのものを知らなければ,歴史のなかでテーマを位置付けることができないからです。その後,研究の潮流(研究史),さらに特定テーマに関する学説史をまとめるための文献収集,物証となる歴史資料(主に文献)の収集へと進みます。あえて研究史と学説史を分けた理由は,歴史学の研究動向としての特徴を把握し,そのなかで「テーマに対する先行研究」を位置づけるためです。各種歴史資料の整理・分析を通して積み上がるさまざまな事象を検討し,最終的に研究のオリジナル性が見出せる研究へ発展するような作業を自主的に進められるようにします。指導は原則としてメールを利用したものとなります。オンラインを使った同時双方向性を活かした遠隔指導,あるいは対面指導も必要に応じて,検討します。

主な学歴

平成4(1992)年3月 日本大学文理学部史学科卒業
平成6(1994)年3月 日本大学大学院文学研究科博士前期課程史学専攻修了
平成10(1998)年3月 日本大学大学院文学研究科博士後期課程日本史専攻満期退学

主な職歴

平成11(1999)年4月 日本大学文理学部史学科助手
平成22(2010)年4月 日本大学通信教育部文理学部史学専攻助教
平成25(2013)年4月 日本大学通信教育部文理学部史学専攻准教授
令和2(2020)年4月 日本大学通信教育部文理学部史学専攻教授
現職 日本大学通信教育部文理学部史学専攻教授

主な著書

渡邊大門他『江戸幕府の誕生』文学通信, 2022年9月, 共著
森義和他『三浦按針の謎に迫る』玉川大学出版部, 2022年7月,共著
地方史研究協議会編『日本の歴史を解きほぐす』文学通信,2020年4月, 共著
誓願寺文書研究会編『誓願寺文書の研究』岩田書院,2017年12月,共著

主な学術論文

「江戸時代前期の菩薩揚・菩薩祭をめぐって」日本大学通信教育部『研究紀要』38号,2025年3月,単著
「平戸イギリス商館員の贈り物と日本での交流 」日本大学通信教育部『研究紀要』37号,2024年3月,単著
「一七世紀のイギリス商館員の書状にみる政治情勢」日本大学通信教育部『研究紀要』34号,2021年3月,単著
「徳川秀忠政権期の外国人紛争と九州大名」幕藩研究会編『論集近世国家と幕府・藩』岩田書院,2019年10月,単著
「江戸時代,長崎唐人番・唐通事の記録などにみる日中関係」『東アジア日本語教育・日本文化研究』22輯,2019年3月,単著文

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