専任教員

Professor

松重 充浩教授 国際情報専攻 国際(関係)・政治コース

担当科目(前期)
日中比較社会論特講
特別研究
担当科目(後期)
日中比較社会論特殊研究
特別研究指導

専門分野

歴史学,近現代東北アジア地域史,近代日中関係史,中国近現代史

特別研究の研究領域

研究領域は,19世紀末から20世紀前半の中国を中心とした東アジア史全般です。政治,経済,社会,文化の各領域のテーマが対象で,特に「満洲」「満蒙」と呼称された地域に関する研究は歓迎します。

特別研究の指導及び研究上のポイント

歴史学研究において,史料の批判的把握は必須となります。先ずは,史料の批判的把握とは何かを確認し,その上で,皆さんが興味を持っている歴史事象の研究に取り組んでもらいます。研究では,先行研究と関連史料の収集・整理と,個別事実の摘出・再構成と歴史的意義の考察を通じて研究目的を達成できるよう指導します。

特別研究の進め方

論文作成において,自らの問題意識を解決していくことを可能とする対象と分析方法を見つけ出すことは,必須の作業課題です。この作業において,歴史学研究で特に留意するべきことは,対象を分析しえるに十分な史料(記録)が存在しているか否かという点です。史料による裏付けがない歴史像の再構築は単なる「想像」でしかないからです。このため,特別研究では,最初に「問題意識の解決」において選択歴史事象がふさわしいかを,関連史料情報量に照らしつつ検討する作業を行います。ここを経て,いよいよ史料から確認できる事実の摘出と再構成を進めていくことなりますが,その過程で,教員からの助言のみならず,ゼミ生同士の意見交換も,歴史事象が胚胎する多様性や可能性を見出していく上で重要です。特別研究は,この意見交換の時間確保にも十分留意して進めていきます。

主な学歴

昭和60年 早稲田大学第一文学部東洋史専攻卒業

昭和63年 広島大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士課程前期終了

平成3年 広島大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士課程後期単位取得退学

主な職歴

平成3年 外務事務官行政(一)(外務省外交史料館『日本外交文書』編纂担当)

平成7年 県立広島女子大学国際文化学部助教授

平成14年 日本大学文理学部史学科准教授

平成16年 日本大学文理学部史学科教授
令和4年 日本大学通信教育部長・大学院総合社会情報研究科長

主な著書

久保亨・瀧下彩子編『戦前日本の華中・華南調査』(分担執筆227-240頁:「大連日本人社会における「華中・華南」情報:総合雑誌『満蒙』を事例として」「附表」・単著),公益財団法人東洋文庫,2021年

『吉田謙吉が撮った戦前の東アジア:1934年満洲/1939年南支・朝鮮南部』,草思 社,2020年(監修)

田中仁編『21世紀の東アジアと歴史問題―思索と対話のための政治史論』(分担執筆106-122頁:「大連日本人社会における中国認識:総合雑誌『満蒙』を事例として」・単著),法律文化社,2017年

『近代中国都市案内集成:大連編(全18巻)』(共監修)ゆまに書房,2016-7年

『挑戦する満洲研究―地域・民族時間―』,東方書店,2015年(共編)

本庄比佐子・内山雅生・久保亨編『華北の発見』(分担執筆103-121頁:「朝鮮在住日本人の華北認識」・単著)汲古書院,2014年

『蔣介石研究:政治・戦争・日本』東方書店,2013年(共編)

『20世紀満洲歴史事典』吉川弘文館,2012年(共編)

安冨歩・深尾葉子編『「満洲」の成立:森林の消尽と近代空間の形成』(分担執筆327-364頁:「営口」・単著),名古屋大学出版会,2009年

末廣昭編『「帝国」日本の学知(第6巻):地域研究としてのアジア』(分担執筆239-282頁:「戦前・戦中期高等商業学校のアジア調査:中国調査を中心に」・単著),岩波書店,2006年

本庄比佐子編『日本の青島占領と山東の社会経済:1914-22年』(分担執筆347-368頁:「第一次大戦前後における大連の『山東幇』中国人商人」・単著),公益財団法人東洋文庫,2006年

曽田三郎編著『近代中国と日本:提携と敵対の半世紀』(分担執筆107-137頁:「植民地大連における華人社会の展開:一九二〇年代初頭大連華商団体の活動を中心に」・単著),御茶の水書房,2001年

主な学術論文

「『満蒙』誌上における伊藤順三:在満日本人による「満洲」認識形成過程に関する事例研究として」(単著),『史叢』104号,51-65頁,2021年

「大阪経済法科大学所蔵『間島問題資料』の射程:外務省外交史料館所蔵史料との関連を中心に」(単著),『東アジア研究』47号,95-101頁,2007年

「国立国会図書館所蔵明治期(1907年11月3日〜1912年7月31日)『満洲日日新聞』モンゴル関係記事件名目録・解題」(単著),『史滴』24号,45-70頁,2002年

「辛亥革命と吉林省政局」(単著),『近代中国研究彙報』21号,1-19頁,公益財団法人東洋文庫,1999年

「国民革命期における東北在地有力者層のナショナリズム:奉天総商会の動向を中心に」(単著),『史学研究』216号,40-51頁,1997年

「張作霖による奉天省権力の掌握とその支持基盤」(単著),『史学研究』192号,53-70頁,1991年

「『保境安民』期における張作霖地域権力の地域統合策」(単著),『史学研究』186号21-40頁,1990年

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