修士論文は自分との戦い
国際情報専攻 安田 與子



◇ご縁と出会い
 大学院のご縁は私の心に訴えてくる次なる御言葉Never too old to learn (学ぶのに年をとり過ぎたという事はない)ことと、−求めよさらば与えられん、尋ねよさらば見出さん、門を叩けさらば開かれん『新約聖書』「マタイ伝」第7−の声なき声を受容したことである。
 高度な学業を全うする自信がない私は諸先輩(石ゼミ長)の励ましと一押がご縁を決定した。動機は何であれ私は学ぶために日本大学大学院総合社会情報研究科国際情報専攻の門を叩いた。開かれた大学院には有名な近藤大博先生と研究心の高い院生が集まっていた。「さあ、やるぞ」瞬間湯沸かし器で三日坊主の私はこれまでの感覚との違いを察知した。

◇学業・仕事・家事・老い・健康のバランス
 学業に徹するためには不必要なハンディを除いて身軽いに越したことはない。若さと健康に恵まれ・経済的・時間的にゆとりを持って学ぶことができたらしあわせである。しかし、私の場合は学業・仕事・家事・老い・不健康というハンディが全部揃い、途中、自分勝手に限界や能力がないと決めつけ投げ出して誰かに替わって貰いたい気分になった。その度にこれは自分しかできないと潔くした。学業・仕事・家事・老い・健康のバランスに気をつけて2年間無事に完走するぞと何度も気持ちを引き締めたものである。

◇「履修科目の配分」と「タイトルと章立て」
 大学院を修了するには取得単位が定められている。そのため1年目は20単位を必ずゲットして、2年目は修論に集中できるように履修科目の配分を考えた。履修科目の選択の出来不出来は後々影響するというのが率直な意見である。入学当初は多面に及ぶ準備で見過しがちなので心すべきである。
 修士論文のタイトルは2年目の6月初旬に提出する。研究が進むと当初の章立てを若干変更せざるを得なかった。更に進むと迷い決め兼ねていたタイトルがはっきりしてきたが、提出期限ギリギリまで大いに悩み考えた。

◇パソコン操作に奮闘
 大学院ではITを駆使する。特に所属した近藤ゼミではサイバーゼミが頻繁だった。インターネット、サイバーゼミ、プレゼンテ−ション、パワーポイント、リポートの文書作成とワード・ソフト操作、大学院用テンプレートのリポート提出と指導返信操作、修士論文の仮製本までの文書作成及び大学院の事務連絡等それらはすべて情報処理技術である。よって、私は学習をスムーズに進めるため荒関仁志先生の情報処理技術を履修した。一年目はパソコン操作の習得に必死であった。なお、コンピュータは突然フリーズし故障するのでI Tに強い友達が必要であると痛感した。  

◇解らないことは現状を曝け出すここと、恥をかくことを恐れるな
 人前での発言は緊張したり不安になったりする。大切なことは諸ゼミの発表現場で恥じかくことを恐れないことと、研究の窮地から逃げないことである。解らないことは思い切って現状を曝け出すことや、研究の進捗報告は自分の研究不足で恥かしい思いをする。このことが研究方法の「骨」を掴むことになる。また、サイバーゼミ、スクーリング及び集合ゼミ等に出席して得ることが多く参考になった。ゼミの盛り上がる議論の中でパット何かが閃き、あるいは教授の講義や院生等のアドバイスからヒントが出てくることがある。さらに、その場のコミュニケーションはよき師よき院生等の以外な一面に接し信頼を深める機会となった。

◇感謝
 修士論文は始めての取り組みなので私は真剣になった。教えること教わることは双方にとって大変根気がいる。振り返れば、教え指導いただいた近藤大博先生はリポートをはじめ修士論文に至るまで人目に晒して恥ずかしくないように根気よく最後までご指導をして下さった。これは私一人のみならず国際情報専攻の全ての院生に指導されるのである。普通の体力では到底持たない、心身ともにタフで指導力の高い近藤先生へ心から頭を垂れて敬服すると共に感謝の気持ちで一杯である。
 それからヘルプデスクの八代様、事務局の高井様、サイバーゼミの山本様、石ゼミの皆様、7期生の勢川様、そのほか多くの方々に大変お世話になった。「ありがとう」(合掌)


 
       
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