不思議な偶然の重なりを大切にして・・・
人間科学専攻 臼井 浩一



 修士論文のテーマを決めてから私がまず行ったことは,テーマに関連する分野の学会に出席し,必要な知識や情報を集め始めたことです。私の場合,専門外の学会でしたが,後々とても役立ちました。学会では通常,書籍の販売をしていますが,その時に偶然見つけた1冊の専門誌は論文を書く際のヒントとなる重要な文献となりました。学会でお会いした方や学会を通じてのネットワークから,新たな知識や助言が得られる場合もあります。私が修士論文を書けたのは、眞邉先生、石津先輩、宇野木先輩をはじめ、多くの仲間に支えられたからです。加えて、困難に出会った時に、幾つかの不思議な偶然が私を助けました。

 私は2年生の秋になるまで,大学院に通っていることを職場の上司に伝えずにいましたが,研究の実験参加者を,職場の利用者にお願いすることとしたため,大学院のことや研究のことを上司に伝える必要がありました。“今頃になって,どのような形で上司に伝えようか”と思い悩んでいる時に,同じ法人内の別の職場にいる方が,私の職場の上司に研究の許可を得たいがどうしたらいいかと偶然,私を尋ねてきたのです。彼も私の職場の利用者に実験参加者になって頂きたかったのです。しかも,記録のためビデオ撮影することまで偶然に同じでした。私は非常に驚くと同時に“これは今,どうしてもやらなければならない時期だ”と思いました。結局,彼の研究のことを上司にお願いすると同時に,自分の研究のことも伝える機会となり,結果的に,二人揃って研究の許可を得ることができました。研究に関して困っている時に,偶然,協力者や賛同者を得ることができたり,思わぬ巡り合わせで,うまくいったりする場合もあるかもしれませんから,最後まで諦めないで,研究実現に向けて,がんばりましょう。



 
       
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