ゴールではなくスタート

人間科学専攻 杉本 任士

 小学校の教員であり北海道教育大学大学院で修士号を取得した自分が,本学に入学することを決意したのには理由がある。
行動分析学に出会ったのは,本学に入学する2年ほどまえだった。当時は,本を読み自分なりに実践を行っていた。うまくいくこともあれば,失敗することもあった。
これは専門的なトレーニングを受けなくてはダメだなあと思っていたところ,本学の存在を知った。
早速,眞邉先生にメールを送り入学を希望していることを伝えた。そして,行動分析学会で改めてあいさつをした。
行動分析学の存在を知った時,行動分析学の知見と方法論を使えば,現在学校現場で問題となっていることのほとんど解決可能だと思っている。しかし,学校教育とりわけ通常学級における行動分析学の研究は少ないのが現状である。
誰もやっていないのだから,自分がやらなければならないと,不遜ではあるが使命感を感じている。
自分は宿題提出行動に関する研究を行った。ほぼ1年半をかけてデータをとり,それをまとめた。
それまで宿題を全くやってこなかった子が宿題をやってくるようになり,加えて計算ができるようになったり,漢字が書けるようになったりすることに驚きと喜びを感じた。心理学的には実験だが,小学校の教員としてはよい実践ができたと思う。
レポートを書くことも楽しく取り組むことができた。本学の教官の指導はとても丁寧でレポートの草稿を提出すると丁寧なコメントと修正点を指導してくれる。
修士論文はゴールではなく,スタート地点だと思っている。これから学校や教室で起こる問題を行動分析学の知見と方法論を用いて,一つずつ解決していきたい。そして行動分析学を学校教育とりわけ通常学級で実践されるような研究を続けていきたいと思っている。



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