修士論文とゼミ長

国際情報専攻 西山 友紀子

 20代前半に通っていた学校では「Masterは絶対に取得した方が良い」と何度も何度も言われており、「私もMasterを」と考えるようになりましたが、そう簡単に物事は思うように運びませんので、当時の状況や諸事情でMasterへの道は一旦諦めておりました。

 ですが、「いつか私もMasterを」という気持ちはなかなか消えず、できるだけ早く、できるだけ若いうちに、機会のある時に取得すべきと考えていた私は、本大学院への進学を検討しました。進学を決めかねていた私は入学説明会へと足を運び、指導教官である階戸先生にお会いしたところ優しい笑顔で迎えて下さいました。その笑顔のお陰で進学を決意したものの、研究テーマが定まらず研究計画書の作成はなかなか進みませんでした。振り返ると、入学前から最後まで私には年末もお正月もありませんでした。

 1年生の時は、先輩方からリポート作成において沢山のアドバイスを頂き、そのお陰で無事5科目取得することができましたが、仕事とリポート作成の両立だけで精一杯だった私自身の研究は全く進まず、入学前の漠然とした研究テーマをなかなか絞り込むことができず、2年生に向けて焦る毎日を送っていました。
 そして2011年3月はいろいろなことが起こりました。一つは東日本大震災という悲しい出来事。もう一つは2年生を目前にして突然ゼミ長を担うことが決まりました。全てが予定外だったため2年時の計画は急遽変更となり、震災の影響で計画停電が発生したため、ゼミへの影響の対策、ゼミの準備や運営、新入生のケア、サイバーゼミシステム変更の対策など研究どころではなくなってしまいました。ですが、研究を進めなければ修士論文を書くことはできませんので、気持ちだけが焦り、筆は進まず研究は滞るばかりでした。

 どのゼミ生もみんな仕事を持ち、それぞれの諸事情で忙しい毎日を送っていますから、いつでもゼミにおいて研究発表できるわけではありませんので、私は皆さんの穴埋めに研究発表をすることにしました。ですが気持ちと現実は比例せず、いつでも発表できるように研究を進めようと思っても現実には殆ど止まった状態です。ゼミ長になったことでゼミ運営に時間を割かなければならなかった事は事実ですが、振り返るとゼミ長を担ったお陰で修論を終えることができたような気もします。「ゼミ長がやらないわけにはいかない」「みんな私ではなく“ゼミ長”に注目する」と自分にプレッシャーをかけ、日々パソコンと向き合いました。

 私はゼミ長になったお陰で沢山の人とコンタクトを取る機会が有り、沢山のアドバイスを頂くことができました。一人では修論を終えることができなかったのではないかと思います。2年生の年末から年明けまでは追い込みで、「今年こそお正月はゆっくり過ごそう」と思っていたものの、それは叶いませんでした。ですが階戸先生だけでなく、数名のゼミ生と頻繁に連絡を取り、進捗の確認や問題点の見直し、励まし合い助け合いながら、なんとか無事に書き終えることができました。

 これから修論を書く人、これから入学してくる人は、「修論を書く」という強い意志を持ち、@タスクのプライオリティを決める、Aタイムマネージメント、B互いに協力できる仲間を作る、という3つのポイントを踏まえておくと良いのではないでしょうか。

 最後に本大学院で学んだことは研究や学術的なことだけでなく、人をまとめることやリスクマネージメントなど沢山のことを学ぶことができ、誰よりも多くのことを学んだのではないかと自負しております。このことは今後の私の人生のベースの一部になることは言うまでもありません。

 指導教官である階戸先生には、一言では表せないくらい大変お世話になり感謝申し上げます。また合同でゼミを行った池上先生にはいつも励まして頂きました。各先生方、沢山の先輩方、ゼミにご協力下さったゼミ生の皆さま、本当にありがとうございました。



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