松岡ゼミ紹介
松岡 直美(ゼミ主催者)
写真は昨年12月の忘年会。男子たちが現れず、女子会となった。場所は市ヶ谷日大会館前の居酒屋。参加者は一人を除いて、主婦と2足わらじの研究者であり、学生である。仕事は通訳、図書館司書、地方自治体国際交流協会理事、大学教員等。3足わらじと言うべきか。年齢は30代から還暦過ぎまで。子供たちの進学、就職、結婚、そして孫たちの話で盛り上がる。未だに蔓延るメイル・ショウビニズムに、よくもここまで耐え忍び、生き延びてきたと互いに健闘を讃え合うことも。
松岡が文化情報専攻の必修科目「比較文化・比較文学特講」を担当している関係で、月1回の面接ゼミには他のゼミに所属する方たちも交代で遊びにきてくださる。今回は、呉川先生のゼミ生がお二人。一人は2月から中国徐州師範大学での採用(日本語・日本文化講座担当)が決まった方。長年の夢を叶えての、めでたくも還暦を過ぎてからのセカンド・キャリアである。二人目は上海出身の極めて有能な中日語通訳者。(文化情報専攻では、複数ゼミへの出入りが自由である。合同ゼミが常態であったり、また、学生の中には1日で二つのゼミを掛け持ちする方もいる。)3月のゼミにはドイツのアーヘン工科大学で日本語・日本文化講座を担当されている佐藤さんも帰国し、参加くださる予定だが、彼女は伊藤典子先生のゼミ生だ。「しかし、何よりも、東日本大震災のちょうど1年目に日本にいることは、私に何をもたらすのだろうかと思うこの頃です。」とも書いてこられた。電子マガジン前号から「アーヘン便り」を連載されているので、是非、お読みいただきたい。
折角の機会なので、今年度ゼミ生の研究テーマを、以下に紹介させていただこう。(URLは関連論文等掲載サイト。)
「信用できない語り手によるメタフォリカルな世界―カズオ・イシグロの『日の名残り』」
http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf11/11-361-367-Takanashi.pdf
「『ユリシーズ』におけるトランス・ジェンダー」
「「レクイエム」再考―ガブリエル・フォーレの『レクイエム』を中心に―」
http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf12/12-267-276-Kobayashi.pdf
「シンガポールの多文化主義」
http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf12/12-041-053-Yamada.pdf
「「怒れる若者たち」再考」
http://atlantic2.gssc.nihon-u.ac.jp/kiyou/pdf12/12-233-244-Kusuda.pdf
「越境文学を読む―リービ英雄『千々にくだけて』を契機に―」
『DISCO』
「1900年代初頭の欧米における歌舞伎「寺子屋」の受容について」
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/pdf/geppo1108.pdf
「Margaret AtwoodのHandmaid’s TaleとKazuo IshiguroのNever Let Me Goの比較考察」 等々。
来年度はスタインベック、サリンジャー、アーサー・ミラーなどのアメリカ文学研究や日本語・日本文化教育関連のテーマが加わる。男子も倍増の気配。
比較文化・比較文学の宿命で、広範かつ多様な領域に研究が及ぶゼミではあるが、一つの合意点として、来年度の面接ゼミでは、デイヴィッド・ダムロッシュの『世界文学とは何か?』およびアンソニー・ピムの『翻訳理論の探求』を一緒に読み進める予定でいる。
再び冒頭の忘年会写真について。実は、今年度一回きりの飲み会だったのだが、改めて写真を眺めれば、皆、良い雰囲気で収まっている。前に徳利が並び、不謹慎なと思われても仕方がないのだが、諸姉の同意を得て、敢えて掲載させていただく。松岡がお酒に弱いこともあって、普段のゼミでは終了と同時に解散。何とも素っ気ないのだが、皆社会人であれば、そこは互いに了解済み。黙々と帰路を急ぎ、其々の、次の役割を身にまとう。
最後に。松岡ゼミは男子たちが美形。次の機会には是非写真入りで彼らを紹介したいけれど、おそらくは、そんな恥ずかしいことは止めてくれと断られてしまうだろう。