オープン大学院2023を終えて
国際情報専攻 2021年度入学 2022年度修了 橋本 丈次
毎年恒例のオープン大学院が令和5年10月7日土曜日に開催された。
秋晴れの清々しい天候のもとの開催で、スタッフ一同活気と熱気で意気揚々と興奮の中当日を迎えた。それはコロナ感染症拡大という事態に4年という長い期間がオンライン開催を余儀なくされ、それも実行委員数も制限され、リアル会議もできないという中での開催だった。こういった事態になる以前では前年度を踏襲するものであるが、本年は内容を大幅に変更し、大きくは2点に注力することでの開催に踏み切った。それは対面形式を重視しつつ、コロナ禍で延期となっていた校友である先輩諸兄をお誘いしたホームカミングデーを校友会にて主催した。ただ、リアルで参加できない方々には従来通りオンラインも参加できるようにハイブリッド開催とした。
今回の設えを特筆するならば、専攻ごとの特色を活かし、同時刻に各々のイベントを行うことで参加者の時間を拘束することなく、興味を持ったイベントに参加ができるようなものとすることで充実した情報の提供を行うことに大儀があったのではないか。
さらに、一般来場者の入学相談会も同時刻に一斉に行い、専攻ごとの教員が対峙することでより良い空間と時間の共有をはかったことが特徴的であった。
しかし、一般参加者の人数は、ネットで事前予約をされた方と、ふらりと突然の参加も容認することで、時間の幅を持ち対応できたことも特徴であったように考える。現に当日学部在校生が参加し、相談を持ち掛けたのであったが、待合の時間以外はスムーズな流れで消化できた。
私が実行委員長に拝命されたのは1年前の開催決定時に実行副委員長としての役割を担うことからはじまった。内容は委員長をサポートしながら、実態の流れを大きく見ながら、次年度に引き継いでゆくものである。内容的にはコロナ禍であることと、通信制大学院を象徴するカタチを基本とし、オンライン以外は一切なく当日来校するメンバーは実行委員会のみで構成され、開会から閉会までの一方向のタイムテーブルどおりで参加したい分野の時刻まで時間的ロスを多く感じた。さらに通信の混線や断線などのトラブルを回避する手立てが少なく、浮上する問題を改善する時間的余裕もなくただただ時間の経過に頼るのみであったようである。
これらは、実行委員会の立ち上げ時期に起因しており、開催直前の1か月前より準備を始めたため、諸々の事前回避が困難であったことを受け、本年は問題点の掘り起こしからはじめ、7月より実行委員会を立ち上げ会議で意見交換をし、熟慮を重ねてきた。
また、実行委員会の立ち上げに特徴的なものがもう一点存在する。それは大学院校友会の協力体制である。
昨年度までは校友会の関りは希薄で、スタッフは実行委員会の側面に配置し、トークセッションを担当し、ノベルティの提供をすることのみであった。これは、大学院主催の公開講座はじめ相談会は修了生が行う事業ではないとし、さらに実行委員会も主催があくまで現役生主催のものであるためである。
しかし、本年度より校友会も現役のサポート的役割を担い、修了生である校友会役員も後方での支援をする体制をとったのである。
これは、敢えて校友会が実行委員会と協調関係とすることにより、OB・OGの協力者も増員することが可能となり、母校に対する結束の輪が開かれていくことの期待感をもって校友会の全役員が参画することで一体感をもつことで効果的な体制づくりが考えられたためである。
数年間にわたるコロナ禍で影響を受けてきたが、本年度は「今しかできない、今でこそできる」対面開催を重視し、7月より実行委員会を立ち上げ、校友会が積極的協力することによって、組織が一丸となって議案の協議を重ねてきた。
参加希望者のニーズや意見を集約する手法もさることながら、外形的な枠組みをどのようにするのか、また広報的な周知について、どんな媒体の活用が可能であるのか、さらに通信制大学院の良さをどのように見せるブランディングについて、何を企画し訴えていくのか、なかなか全体ではまとまりに苦慮したことも事実である。
そんななか同時刻に専攻ごと特徴を活かしたイベントを開催し、幕合時間のないようにし、来場者に動線もスムーズになるよう努めた。このように全体会議では大枠を決めることとし、タイムスケジュール作成の上、人員配置である、受付け、誘導、相談会での付添などの各担当者を決めたのである。そうした中、校友会の役員は一体感をもって組織を支えるスタンスで、受付や誘導、裏番組の企画運営を行い、イベント終了時の懇親会と並行し修了生ホームカミングデーの企画運営の全般を担ったのである。
13時より開会式に続き、公開講座とその裏番組では校友会雑談ルームと題し、現役生と校友会役員によるフリートークを行った。続いて、14時45分からの専攻別イベントの内容は、国際情報はサイバーゼミを行い、来場者にも参加できるようにし、続いて現役生の研究発表2件と、現役生と修了生のトークセッションで閉幕した。また、文化情報では専攻紹介の映像を放映し、現役生と修了生のトークセッション、修了生による研究発表を行った。さらに、人間科学では、ゼミデモンストレーションを実態として行い、トークセッションでは現役生4名のプレゼンテーション「大学院生活について」を行った。これに並行する時間帯で、教員を校友会役員がサポートして、入学相談会を行った。
各会場の参加者数は結果的に時間と内容に分けて開会式でリアル参加者数32名、オンライン参加者が35名であった。さらに公開講座はリアル17名、オンラインが52名であった。さらに公開講座と並行する時間帯に開催した校友会トークセッションではリアル16名、オンラインが3名であった。専攻別イベント参加の内訳は国際情報のリアル参加者が最大20名、オンラインでは最大19名・文化情報ではリアル参加者が最大で10名、オンライン参加者が最大21名であった。さらに、人間科学のリアル参加者が最大で12名、オンライン参加者が最大で9名という結果であった。また、イベント終了後校友会主催のホームカミングデー並びにスタッフ懇親会では国際情報専攻の現役生が11名、修了生6名、一般参加者4名、教員4名で、文化情報は、現役生3名、修了生2名、一般参加者が1名、教員2名、人間科学は現役生3名、修了生1名、一般参加者が7名という結果であり、総勢40名の参加となったが、ここに古参者の修了生が2名含まれることを申し添えたい。この方々は6期と7期修了生であり、当時の教員は退職されているが、本大学院開学後来年度が開学25周年を迎えることと、大学院が通信教育部に事務統合されたことを受け、母校を気がかりに来場されたとのことであった。また、一般参加者にも通信教育部生3年生4年生が参加されており、自身の進路について相談に来られたとのことであった。
コロナ禍を経験したうえで、オンラインという手法を用いて時間と情報が乖離なく共有することが可能となり、より高度化されリアル感をもってフェイスTOフェイスで話すことが可能となった。これらテクノロジーの進化は目覚ましいことではあるが、日本初で本大学院は過去24年間にわたり通信制をもって多くの修了生を送り出してきたことを思うと、社会人としてこのように瞬時に情報の伝達がなされ、時間と空間を最大限に利用された学び舎であることに誇りと自信をもって、いまだその存在を未知な社会人はじめ、多くの人々に周知することが重要である。
本大学院オープンキャンパスを終えて、さまざまな場所で、各々の立場の方がこういった学びの機会を検索されているかもしれないし、もっと世に知らしめる広報活動が求められるのではないかと考える。
なぜなら、3年前に事務統合をした通信教育部生の来場者が存在したということである。
現在、事務統合を受け内部進学された修了生も数多く存在するが、ほぼその存在を知らない学生が多く存在することであった。今回学生の意見を聴取することができたので、真意をうかがうと、やはり大学院の存在は知っているが、積極的な広報がなかったというものであった。この方々は個別相談を受けられたのであるが、学習センターを通じて入学相談会も併設し、多くの学びの機会の提供も重要であるのでないかと考える。
また、内部進学に止まらず、広く社会に広報活動をするために、学校側は実行予算の捻出をお願いし、実行委員会が活性化し、より活発に議論を展開することで、次年度はより多くの来場者を獲得するように前進していただきたいと考える。
本年度、オープン大学院の事故なく終了できましたことを実行委員会役員はじめ校友会役員さらに現役生、諸先輩方に感謝申し上げ、結びといたします。