修士論文奮戦記

人間科学専攻 19期生・修了 吉田 淳平

 大学時代はさほど優秀な学生ではなく、むしろ落ちぶれた方の学生で、夏休みの宿題も最後の日に纏めてやるような性格の僕がなぜ大学院を卒業できたのかを書きたいと思う。 僕が大学院に行ったきっかけは大学時代の恩師と久しぶりの再会をした際、「大学院に行ってみないか?」と誘われたのがきっかけだった。僕の恩師がGSSCの卒業生で、大学院に興味があるのだったら担当の先生に連絡をしてみようかという提案だった。当時、社会人になってから3年が経ち、仕事にも慣れ、比較的時間に余裕のある生活を送っていた。研究や論文作成などは興味があるが、方法や書き方などは大学の卒業論文から何も進歩していなかった。しかし、職場の同期や先輩は様々な学会などに参加し、発表を行っている。きっと、このままでは勉強など何もやらないというのを薄々感じていた。
 “やってみよう”
 そう決断するのにあまり時間はかからなかった。
 大学院に入る前は大学院の先生に教えてもらえば嫌でも勉強するだろう。出される課題を終わらせれば卒業できる。そんなことを考えていた。しかし、大学院に入ってみると自分の考えの甘さを痛感した。大学院は自分で考える事が多く、あくまでも先生たちは生徒の研究や考えのサポート役という役回りである。自分で学ばなければ何も進捗しない。研究者としては当然のことである。それからは怒涛のような2年間だった。レポートを作成しながら、研究活動をやり、自分の仕事も同時並行で終わらせなければならない。正直、つらいことが多々あった。
 しかし、2年の間につらい事だけではなく楽しいことが多くあったのも事実である。同級生や先輩と夜な夜な集まって討論をしたり、研究の事だけではなく仕事の事や生活の事など様々なことを笑いながら話し合ったりもした。先生とは卒業研究の打ち合わせをするということで待ち合わせをして、居酒屋でビールを飲みながら餃子を食べたりした。実際の所、研究の打ち合わせは最初だけで後半は全く関係のない話をしていた。こんな楽しい打ち合わせがあるだろうか。僕のゼミでは毎年6月末には合宿が行われ、合宿ではテニス大会をしたり、夜には親睦会が開かれたりする。他大学の大学院生なども参加し、意見の交換や情報共有を行っている。夜遅くまで年齢がバラバラで様々な職種の方と語り合う。そこには笑い声や笑顔が多くみられる。こんな楽しい合宿があるだろうか。正直、卒業は簡単なことではない。辛く険しい山を登るようなものである。しかし、そんな中にも多くの楽しみがあることを忘れてはならない。GSSCは通信制大学院だからか、人との繋がりを大切にしていると感じた。通常の大学院とは違う楽しみ方や可能性がGSSCにはあるように思えた。
 担当の先生をはじめ、レポート課題で様々な助言をしてくださった先生方、同級生や先輩・後輩など多くの人の協力があり、僕は無事に卒業することができた。これから、今回の修士取得を1つの通過点として、仕事に活かし、2年間で学んだことを糧にへっぽこ研究者として頑張っていこうと思う。




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