何故『キーウェスト』?
国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭
プロローグ
紀行文であれば、当然に国内外の諸処を廻り異言語・異文化・異人種・異なった政治・文化・慣習に接した上での国際性に富み、学術的にも良質で且つ汎用性の高い文書が読まれる。
就中 学術的で先進性の高い読み物は、ググられることが必至な時代はパソコンやスマホンの短時間で驚異な発展と価格の安価性に操作の容易性に寄与するところがある。
特に 意識することの重要性は総てのものがネットに繋がっている現実は、我が電マもアップされているところから173億個に'16の達したIoTのことは今後の成長が継続する見通しが'20には300億個に達することはデータ・分析にも耐え得る読み物をとの要請を十二分に意識することが肝要である。
従って 紀行文は船室を出て海鳥の囀りにゆったりと時が流れる船旅に憧れを抱いた時代とは、時は移り変わった現代は大きく異なり成層圏をジェット気流に乗って飛ぶ航空機での世界の端まで容易に安価に巡れる時代の到来は、多忙な現代人のニーズの素早い変転に合致する感覚も不可欠である。これを欠くものは誰もググらないことは必至であることを肝に命じての国際性と汎用性が不可欠である。 野口悠紀雄流は学会の帰途に諸処を廻り、見聞を広め 且つ 提言に昇華させている。 このスタイルに聊かでも近いものへとの指針を貫く決意である。本学に籍を置くことを容認して戴きながら、著名なNPO学会の理事を図らずも2学会も務めているので年次国際総会の前後の途上に諸処を廻り、見聞と言うよりも『現地遭遇者の体験に基づく提言』に昇華させることである。
1 今次渡航の稀有な実体験
第一に
それは2017/05/11〜19の11日出国19日帰国の旅程でした。
主目的はSCIP2017 International Annual Meeting Conference & Exhibition at Atlanta, JA,USへ国際学会年次総会参画にある。
訪問都市は米アトランタにフロリダとキーウェストの米2州3都市の旅程を構築した。テロ情勢の反映で渡航はやや敬遠されているから前記の欲張った旅程は容易との情勢判断は、見事に崩れた。
テロ情勢が逼迫していてもビジネス渡航客は四月の新年度初頭に決定した業務遂行計画月の5月は超繁忙期の実態に遭遇した。
従って 我が旅程は前倒の旅程構築と相成ったのである。
HND〜LAXの途上の機内は、前記の如くに情勢判断は外れて、ビジネス席は満席状態でエコノミー席は半分も埋まってない実態に遭遇して愕然とした。同席の機内後方では4人席の隣席との境のアームレストを跳ね上げてフラットベツドとしているアジア系の搭乗客も散見される実態でした。
これはレジャー客はテロ情勢の反映で欧米乗入線を敬遠するも、ビジネス戦士の顧客や取引先との日程は日米欧の四半期の境界月は、将に書入時の超繁忙期となって商談日程のピークと隣席の搭乗客は一睡もしないで分厚いビジネスドキュメントとタブレット画面を注視していたことから推察することが出来たのである。
冒頭に帰国便記した搭乗者状況は帰国便ではATL〜NRT直行便でも一層顕著で画像の如くに満席でした。
ご高尚の通り客席単価の高いビジネス席が満席なのは、米航空産業が今期は空前の高収益であることを如実に物語るものであるところから添付したものである。その要因は大手の5社のみが生き残った結果である。利用者たる搭乗客には競争激化に拠る運賃の低減化とサービス向上が願いであるものの、米航空産業はビッグ5に集約された。その過程では乱高下する航空燃料のヘッジや巨大化する航空市場での身を切る価格競争が存在していたのであることは外電の報じるところでご高尚の通りである。 翻って国内はLCCとFull Service Carryerの棲み分けで顕著な価格の低減化は顕著ではない実態が報ぜられている如くにある。
その所為で 『ランサムウェアー』真っ只中に米ATLにはLAX乗り継ぎで到着した。そのことには出国の19日迄は全く気付かずにATLで1泊は世界一の規模を誇るHartsfield Atlanta International Airport(ATL)空港を見渡せる空港隣接のRenaissance Concourse Atlanta Airport Hotelに早朝到着した。
『ランサムウェアー』真っ只中では、mailに添付のあるものは、総て発信されずに削除の憂き目あって、拙稿を本誌への送稿も削除されていたのを帰国まで知らずに、本誌編集当局には多大なご負担とご迷惑を掛けました。
ここに改めて ご海容賜ったことへ篤く御礼申し上げる次第です。
同空港は数年前に英ヒースロー国際空港を抜いて滑走路と発着航空機回数に搭乗客で世界一となったのである。コンコースはA〜Eと6本、それぞれに滑走路があり、それらが串刺しになってその間の連絡は2分毎に無人地下鉄が走っており、『これだけは新宿駅と負けない』と訪日歴のある方が申していたことが脳裏を過った。
しかしながら 本渡航の主目的はSCIP2017への参画である。
次のmailを5/4にSCIPから受信したが、今までの例年のSCIPへの参画とは異なった。
第二に
以下のmailが舞い込んだことにある。
HI Mr. Hasegawa, During the Networking Luncheon & Awards Ceremony on Wednesday, May 17, 2017, Nan Bulger our CEO will be giving you a recognition award. Can you please send us your bio and a picture that could be used at the conference. Thank you, Lisa
bio and a picture は即刻送付した
LisaはSCIPのメンバーサービスのマネジャーである。5/17の顕彰式は画像の示す如くである。
SCIPとは(Society of Competitive Intelligence Professionals)競争情報専門家学会CI(Competitive Intelligence競争情報)専門家知識機能の向上・相互の連絡交流の助成と共に最高倫理の基にProfessionalなCIの専門家の育成を目指し'96年米アレキサンドリアに創立、現在はテキサス州サンアントニオに本部、会員数約8,000名50余の非営利団体現在約4,000名定時総会900名参画
日本の進出で米自動車産業等への打撃回避策は公刊資料から有用情報を抽出、倫理性の高い有用情報創を目論み、国、官、学・産の情報上層部の個人会員制組織で゛の発足。
'10にSocietyをStrategicに変更、SCIPは踏襲している。
日本は未だ認知度は低く「情報」に関する認識に諸外国と比べて乖離がある現状 また CI専門家と呼べる人もごく僅かかで、CIの概念、認識度も低い かねてより情報専門家から待望のSCIP JAPANは'01,4に元警視総監の前田健治理事長を代表に設立 翌年4月にNPO法人認証を経て、個人会員制組織の非営利団体で一時会員数は100名を越えたこともある。
現タジキスタン大使(北岡元 元外務省国際情報課長) 前日本経済大学大学院経営学研究科長等(菅澤喜男 元日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科教授) アプラス社長(松平家の松平和也)らと共に前田健治理事長の急逝('06/6)で運営が立ち行かないところらを再構築したものである、
'07サンディエゴ大会においてプレゼン(菅澤喜男・中川十郎、長谷川昌昭)でSCIPの認証を獲得、新JSCIとして発足NPO法人資格取得に個人会員制組織となったものである。
JSCIは米とSCIPの認証を経て('17)現在に至っている登録会員 約120名。
第三に
筆者は常日頃から “Great Happiness is bitter, but Failure is sweeter than Honey”
“他人の慶事は毒より苦く失敗・破綻・不幸は蜜より甘い”は人間の性であることに心している。
しかしながら、SCIPのような国際学会セレモニーでのCEO公式スティッメントは参考になる含蓄のある部分が多く含まれているものを入手の稀有な機会である。
2 SCIP国際年次総会記念昼食会・顕彰式のSCIP CEO Nan公式アナウスメント
帰国後の5/24下記のNan Bulger SCIP CEOの公式メッセージ文を受信原文を示すものである
SCIP2017 International Annual Conference & Exhibition May 17,2017 Atlant .GA .USA
“SPECIAL RECOGNITION AWARD- MASAAKI HASEGAWA
Anyone that has attended a SCIP Annual Conference in the last 15 years may recognize our next award recipient. Traveling all the way from Japan, Mr. Hasagawa has been a conference attendee and an active SCIP member since 2002. Mr. Hasegawa currently serves as the Director of the JSCI ( Japanese Society of Competitive Intelligence) and serves as a Special Appointment Professor at Nihon Economic University. Also he is Research Student of Nihon University GSSC School, M.A.I.P.S.E.
We would like to recognize Mr. Masaaki Hasegawa for his many years of dedication to SCIP”
2 何故フロリダ・キーウエストに拘る?
トランプ大統領の別荘には寄らず仕舞でした。
フロリダへのセブンマイルブゼリッジは7回目である。
米国としては、安寧な地であること
その訳は、筆者自身の拙い訪問歴から推測すると前述の感触である。この州都の警察本部長2人との交友と7回の訪問歴からの推論である。
野球で有名なタンパには足を延ばしていない。しかし、宇宙基地のケープカナベラルへの往復やフロリダ市街地のドライブや繁華街の散策ショッピング更にはフロリダビーチへも足を延ばしての感触である。
米国の治安機関の警察は本邦の警察制度とは異なっている。
公安委員会は存在しても市長任命の警察本部長が治安の責を担うのが特徴である。
従って 州・郡・市単位で特徴のある警察制度が存在し、銃社会を反映して民間警備会社警備員も銃器を携行しているのが本邦と大きく異なる。
しかし ここの警察本部長はフロリダにはNY市警の首脳が任命されたり、フロリダ警察本部長がバーレンなどの国家警察機構の顧問に米国務省から出向。フロリダの体感治安は他の地域より良好であるとの拙い滞在から推論に達した次第である。
地政学的に稀有な地域であること
湿地帯であり第一次世界大戦時の出征前の兵の訓練場であって、復員後の保養地でもあった歴史的・地政学的なこともあり、第一次世界大戦後の航空機時代の以前は『新婚旅行はフロリダ』のブームも見逃せず、国道1号線たるルート1はフロリダのキーウエストが始点であることも見逃せない。
ご高尚の文豪ヘミングウエーの『老人と海』『日はまた昇る』や『武器よさらば』『キリマンジャロの雪』『誰がために鐘は鳴る』はキーウエスト在住の8年間に書かれたとも。 その住まいは記念館となって有名な6本指の猫が我が物顔で闊歩していた。次の猫の子供予約は全世界から来ており40年先と前回訪ねた時に館員の説明が印象深い。
来訪者を大事にすること
喫煙者の方々は「セブンスター」の広告にフロリダの「セブンマイルブリッジ」がTV・新聞の広告に一時頻繁に出たことをご記憶の方々もあると思う。フロリダ半島の端から海の上を走るはOver sea Freeway はUS-1である。終点のキーウェストに向かって右側はメキシコ湾、左側は大西洋のフロリダブルーの藍が微妙に異なり、この橋を含めて大小50の島々を長短42の橋で結んでいる。『海ら越える橋』『世界一美しいハイウエー』とも呼ばれ、映画やTVで観た方も多いと思うが、現実に自らハンドルを握って走った感覚は特別なものがある。橋は片側一車線でUターン・駐・停車厳禁で州警察の重点取締区間である。通行車の安全を至上命令にしているからに他ならないものである。
その証左に「セブンマイルブリッジ」の前後には撮影のベストポイントや眺望の善い駐車場が広大に確保されていることから伺い知ったのである。
本邦からの直行便は無いもの途中乗り継ぎで、スムーズに訪れることが可能で、ディズニーランドの原点や動物保護目的のZOOで無いZoolaciaや Sanctuaryが他に類を見ない広大な地域のエバグレースNPやビンケースNPでは、貴重な動植物の生態に接することが可能である。途中の案内標識は大きく単純でナビが無くてもドライブは迷わない程に簡単な英文と数字に→で表示されている。
途中のキーラゴのホテルでは再訪を歓迎された。
4 彼の地での現地遭遇者の提言
前記のごとくに途上のNPの他にも現地は、ご他聞に漏れず安寧の地である。
今次渡航で現地の夏祭りがここキーウエストの中心地の数ブロックを車両通行留めにした開催されていた。
車テロや爆発物対策の荷物検査は開催十字路の数ブロック手前から、制私服警察官と街の商店主等で実施されていた。2007のFIFAで独ジュツガルトの態勢と似ていた。
所謂 『懐の深い官民一体の態勢』は参加者にはやや不便でも安全第一には勝てないと心した。暑い時期でも重装備の警察官と市民の一体感はメーン会場近くのビルの窓からは「高所警戒」らしき姿もみられて安心した次第である。
前記2007のFIFAでは、米国と日本は見当たらなかったが、欧州各国の選手派遣国の警察官がドイツ開催国の警察官と協働警戒であった。
2020に向けての『誰も提言しない警戒態勢』として現地遭遇者として実態の真価に接したので提言する。
終章
ヘミングウエー「老人と海」に出てくる言葉である。彼は英雄を描き続けた。
この作品は生前最後の作品で名も無いキューバの老漁夫の英雄的な84日も海がしけて不漁のある日に意を決し出漁、18fものカジキまぐろを仕留め、帰時に今度は獲物を狙うカジキマグロと戦う孤独な人間の意思と極限で生きようとする相克のドラマである。
人々はその半生を終えた時何らかの意味でこの老漁夫の様なひたむきに己を生き続けた一人の英雄である。誰しもが功成り、名遂げると言う人生を送る訳ではない。それぞれの方々が夫々ひたむきに生きた人生のドラマを顕彰する意味合いでこの言葉は忘れられないものである。
“それをやりに俺は生まれてきた。そのことだけを考えればよい” ヘミングウエー