「今秋の諸々のご報告」

<2016オープン大学院>
 10月15日(土)にオープン大学院2016が、市ヶ谷日本大学会館第二別館で開催されました。同窓会企画としては、例年同様、修了生による進学相談会と図書展示を実施することができました。ご尽力くださった木下義文同窓会長と役員の方々に深く、お礼申し上げます。当日のプログラム詳細については HP を参照ください。また、本号に「2016オープン大学院in東京」と題して、実行委員川原有加さんがご報告くださっていますので、合わせてお読みください。

<JMOOC日本大学第3講座GSSC「文化翻訳入門」講座>
 10月に同窓会MLでお知らせした JMOOC 日本大学第3講座GSSC「文化翻訳入門」講座につきましても、オープン大学院当日の会場にて改めて紹介させていただきました。プロモーション・ビデオを放映し、PCを3台設置して、来場者に、その場で履修登録をしていただきました。本講座では、文学、映画、TVドラマ、漫画、ミュージカル、演劇といった領域から様々な作品や事象を取り上げて、「文化」の伝播や相互影響、ハイブリッド文化やグローバル文化生成について考察しています。講座サブタイトル「日本と世界の文化コミュニケーション」が示すように、文化間理解を推進することも開講の目的です。また、研究者・専門家による講義だけでなく、実際に文化翻訳に関わっておられる翻訳家や漫画誌編集者、テレビ局プロデューサーの方々にも対談の形で加わっていただきました。文化の本質を「翻訳」と捉え、我々一人一人が文化の翻訳者であることを認識して文化間対話を進めていければと願ってのことです。
 開講期間は平成29年1月11日(水)からの4週間。各週1コマ15分の講義動画が6回配信されます。開講期間中は、掲示板でのディスカッションに参加し、各週の終りに課されるテストで学修を確認します。最後に課題レポートを作成、提出し、合格評価となりますと、修了証が交付されます。以下のサイトで講義内容を閲読いただき、ご関心があれば、是非、履修なさってみてください。
 受講登録サイト https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga074+2017_01/about

 ご存知かと思いますが、JMOOCは無料のオンラインコースで、オープン・エデュケーションの実践でもあります。GSSCの教育研究活動の一端に触れていただくことも開講の目的ですので、GSSCに関心ある方々にも広くお知らせ頂ければ幸いです。

<「いわき通信」>
 オープン大学院終了後には、これも恒例となりました懇親会・同窓会が開催されました。木下同窓会会長のご挨拶の後、松岡から「いわき通信」の現状報告をさせていただきました。実は、3.11から、5年間、いわきの子どもたちを育み、同窓会の仲間に「いわき通信」を書き送り続けてくださった吉田裕美さんが体調を崩され、療養中であること、そのため、「通信」もしばらく中断せざるを得ないことなどです。それで、冊子「いわき通信」の売り上げを今回はお見舞金として、吉田さんにお渡しすることを提案いたしました。会場の皆様が、即、賛同くださり、冊子を手に取ってくださったことに感動するとともに大変有難いことに思いました。以下、吉田さんからのお礼のメールを掲載させていただきます。(松岡の判断で文面の一部を割愛させていただきましたこと、お断りしておきます。)

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日本大学大学院 総合社会情報研究科 同窓会会員の皆様

 大変ご無沙汰しております。
 この度は、心温まるお手紙とともに、皆様からのお見舞いを頂き大変ありがとうございます。『いわき通信』の売り上げを、お見舞いとして下さった皆様に心より感謝いたします。
 今年の7月より仕事を休職しております。現在週2回通院しております。私の通っている病院の主治医の先生と、会社の産業医の先生はともに、福島原発の避難地区からいわきで開業されている先生方です。不安定な体調を抱えながら日々葛藤しております。そんな中、同窓会の皆様からのお見舞いが届き、涙が止まりませんでした。
 壁新聞の子供達との活動は、6月に環境庁で実施した全国水質調査に参加したところで中止したままとなっております。いわき市平の中心『新川』の水質を子供達と調査し、環境庁へ報告、全国水質マップに掲載してもらう活動でした。活動の当日は、新聞記者の方にも手伝ってもらいました。「長靴持って来てよかった〜」と記者の男性。人手が足りなければ米大統領でも吉田だったら手伝わせるだろうと言われていました。
 記者の方に「ここって調査した事無いんじゃない?」と言われ、「だからこそ調査するんじゃん!」と私。報道向きの川じゃないのをお互い知りつつ「チャレンジャーだなァ吉田さん」といいながら二人でニャっとして(後ろで子供達もニャっとして)子供達と調査に励みました。水質調査の結果は掲載しなくとも、子供達が「新川」の水質調査をした内容は、後日写真入りで大きく掲載してくれました。記者の方こそ「チャレンジャー」でした。
 壁新聞の子供達にはいつも、自分達が体験した事、学んだ事は、必ず誰かに伝えられるようノートやメモを取らせておりました。それゆえの壁新聞でした。壁新聞であれば作成する側も年齢を問わず書く事が出来、また読む側の方でもお年寄りから幼稚園生まで読む事が出来るからです。震災直後の連絡、伝達関係は全て壁に貼られた沢山の紙でした。「どこにいても、学ぶべき事を体験したら、そこが教室」そして「自分達が学んだ事は、みんなに聞いてもらう事(情報として発信する事)そして、みんなから意見を返してもらう事(第三者の意見を聞く事)によって初めてみんなの知識になるんだから」と震災以降、私は子供達に壁新聞を書かせてきました。この学習姿勢は、日本大学大学院総合社会情報研究科で、私が先生方から学ばせていただいた「本来あるべき教育の基本」でした。
 福島いわきに住む私達には、子供ももちろんですが、大人こそ、これからも学ぶべき事、伝えなければならない事が沢山あります。私は倒れる前まで、ともに活動を続けてきた壁新聞の子供達、地元の沢山のボランティア団体、商工会青年会、行政、高校生から大学生にいたるまで、実に多くの素晴らしい出会いをさせて頂き、情報を交換し、交流を図らせていただきました。そして私がこれらの活動を続けてこられたのは、同窓会の皆様の継続したご支援のおかげです。
 病気を抱え困惑した状況の中で、今私にできる事は、子供達との活動を通して築いて得られたこれまでの信頼関係を大切に、復帰の日を信じて回復に努める事だと考えております。
 皆様から頂いたお見舞いというご支援を、また福島いわきの子供達のため活用できるその日まで、あきらめず日々を過ごして参りたいと思っております。
同窓会の皆様、事務局の皆様、寒くなってきましたがどうぞお体大切に。皆様の健康とご活躍を福島の港町いわきにてお祈り申し上げます。

文化情報12期生 吉田裕美
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同窓会役員(教員) 松岡 直美
  



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