教訓を抽出 提言への技法の一端
−年次国際学会総会参画(13 回)・国際競技会参画(3回)の実体験−
国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭

プロローグ
参画の上での出逢いは、街中、機上、ホテル、会場、目指す主催側のスタッフ等々多くのシーンにおける貴重な体験は格別に意味合いがある。加えて 発表者、質問者、当該組織の代表者の謦咳に触れることも可能である。
何故 参画 ? Keynote Speakerの推薦や主要テーマの選択・選定に関与したからである。 国際学会や国際競技は参加の途上の旅で、旅程の構築から始まり、空路の選定、宿舎の選別に空港で出遭うレセプニストとの遭遇がある。

この際に問題意識を堅持して臨むと否とでは結果に差が出るのが常である。
従って、問題意識とは現実の結果と将来期待される結果との差、つまりギャップに気が付き、即応可能か否かが、場合によっては生死をも分け、喜びと落胆の差が厳然と待ち受けているのが現実の世界である。
即ち、問題意識に強い人とは、招来される結果の何処に期待と現実の差があるかを見極めが可能な人である。更に言えば、そのギャップを埋める知見を備え、実行の意欲と情熱のある人を『問題意識に強い人』と世界は呼ぶ。

金・予算が無い、人が居ない、場所がないと巷間耳にする。
先の熊本地震では人手が無く「罹災証明」発出は1月以上も遅れたとの報にご記憶があろう。
ハワイはハリケーンからフェニックスの如く蘇った知恵は知事以外には運転職全廃でした。復興に州全体で数百人捻出と聞いた。現在も知事以外は訓えを堅持し踏襲している。
現に2007にホノルル郡・市の広域警察本部長L D.Donohue Chief of Police Honolulu Police Departmentと会食の際は、奥様同伴でご自身の運転で約束の会場に見えた。
聞くと毎日の出勤は45分自己運転との由、車は公用車で市民はナンバープレートで誰の車か解り、会場のホテルでは「本部長と会食?」とボーイに訊ねられ驚愕した。

その際に閃いた。1963/11/23 の12:30にJFKは暗殺された。
後年に米最高裁判所長のウォーレン報告書が刊行され邦訳され、その一節が気になり、当時米国大使館に電話で尋ねたことが蘇った。
『先導の警察署長は狙撃をバックミラーで確認、ハンドルを右に切った。』の記述である。
『警察署長は自ら運転はしませんし、左に切ったら歩道に乗り上げます』と告げると 『米国は警察署長も自らハンドルを握る、米国は右側通行です』の回答でした。
Donohueに伝えると噺は盛り上がり、長年の疑念が氷解した。
何も外国ばかりではない。若い頃に地方に採用試験で出張の帰途に広島へ寄り、原爆記念館を訪れた。
そこには罹災証明発行に自己の被災、受傷にかまわず、罹災証明を不眠不休で発行しつつ殉職した内務省職員の頭の包帯が血で滲んでいる写真に「職員の鑑」と正面の左隅あったのをオバマ大統領に見てもらいたかった。私には未だに忘れられない写真である。
平時以外の時は発想の転換が不可欠であり、貴重な写真や噺には多くの教訓が潜んでいることを伝えたいのである。
 
1 彼等のプレゼンテーションの傾向の変遷
13回+3回の参画の様相から、今後の国際化への進化からも「日本は外国と歴史に学ばなくなった」ことへの警鐘とした以下20年余年の変遷を概観するものである。
(1) 行き成り「本題」
絶対に冒頭では自己紹介はしない−選挙運動で無いので−
理由: 高額の料金を支払っている聴衆は同じことを聴く耳をもたぬ、自己紹介を繰り返すスピーカーは自己論点の貧弱性の発露と時間稼ぎと危惧される認識の差がある。
登壇者紹介者へも無礼千万とも聞いた。
(2) 興が乗って来たら自己紹介と出典明示
自己の著作・論文・自所属のGoogle等の検索のランクや引用の多寡に採用学会や政府企業体の採用例を明示する。更に、聴衆に自己プレゼンの有用・汎用性とグロバール性の訴求点を数値で論証する。その目的は自己紹介以降のプレゼン中の関心の高める話法を駆使する。つまり棋界のトップランクスピーカーを認識させる話法を駆使する。
(3) 自論への賛同と異論のメリット・デメリット
自論のサスナビリティと先進・創造・斬新性への賛同を異論と比較考量する。将来性とコストパフォーマス効果を実例で適示、異論との格差や社会貢献性に環境影響を数値で示すことで優位性を論証する。
コストパフォーマスは出席者の国別為替レートと当該国のGNPとの対比表をも示し 自論の優位性を数値で証明する。加えて採用国・企業体をも列挙の上主管省庁のCatalyst Award Winner該当性で締めくくる。
(4) 質問者のスタンス−他人を褒めれば蔵が建つ−
質問者は自論を展開しない。プレゼンターの社会貢献性 世界安寧への寄与に 環境改善等々の観点を数値は政府の主管省庁のデーターを引用適示する。それらに賛意を示した後に聴衆の反応を勘案して自論との僅差を短く示し、締め括る。
終演時には必ずスタンディングオペレーションを贈り敬意を表する。特にFirst Questionerにはプレゼンターは丁寧に質問趣旨を鸚鵡返し確認後に最大の敬語で臨むスタンスには感銘を受けた。
思うに質問者は「ユーレカ」 1 と心に響いた心境の発露と見受けられた。
(5) 国際競技大会 WPFG(通称世界法執行官オリンピック)での南アの姿勢
WPFGに'07 南豪州都アデレード、'09カナダ ハンクーバー、'11米NYと参画した欧米豪ではOlympic前々年開催の著名な国際競技大会である。
電マ29号にWPFG'07概要があり一部を以下引用。
主催団体は'70に米国内の非営利団体に発展し、前回のスペインのバルセロナ大会は60種目、第12回目の今大会は49カ国、51種目、12日間、参加人員1万2千名、1兆2千億円の経済効果を齎した大会に発展成長した。 主要開催国は米欧豪で、日本は未開催、知名度も低いが、米欧豪では関心が高い。
アデレードヒルトンは、WPFGの大会役員と選手団は南アフリカと日本選手団だった。同じ屋根の下の仲間は、エレベーターや廊下で声を掛け合う間柄になるのは、時間を要さなかった。南アは、来年のサッカーワールドカップ開催地であるので、 国際競技大会実態把握の調査方法として、各自が夫々帰国後に報告会で教訓を抽出するため、タクシー運転手への事前教育や交通・会場案内標識・ボランティア担当等と各人が宿題を抱えての参加だった。
リオ五輪・パラリンピックには視察団派遣は経費削減上見送りとも報ぜられているものの この翌年FIFA開催国の南アの姿勢こそは『現地遭遇者の提言』としてリオから帰国した選手以外に総理・都知事共々参加したところから、当然先遣隊や警護関係者を含めた大勢の方々の現地での感触を、是非、アイデアや諸制度の提言をJOCや都から求めては如何? 先日Y紙掲載の14歳の中学生の「世界大会で受けた歓迎」の玉稿は将に現地遭遇者の体現と痛く感服した。
冒頭記載の如くの13回の国際年次総会では、私はたった2回しか質問の機会は無かった。 それは世界企業のF&SのChairman DavidのGoogleの将来性と競合競争情報に関する演題で、SCIP'12オーランドFL大会でした。当方の内容の理解度は同時通訳無しのプレゼンで1/4程度の理解でした。
しかしながら プレゼンの動画は、金魚鉢の金魚が餌を食べて太る動画を駆使してのGoogleの成長性と競合情報への関心が不可欠との展開でした。「1/4程度の理解でもGoogleの金魚が太る様相は理解を助ける」との当方の拙い愚問にDavidは喜んでくれた。
帰国後に赤坂溜池所在の極東支社を訪ねると、支社長の歓迎を受け、下手な英語で自己紹介をしたら「日本語で参りましょう。家内は日本人です」には赤面したことが過る。

2 要路者のスタンスと日本伝統文化 トップとの好誼の一例
真のコミュニケーションとは、トップは必ず返信−拙い体験の結論
具体例:NW航空CEO .DL航空CEO.Qantas航空CEO,豪駐日大使.スイス国鉄総裁等々に 三菱地所 名誉顧問 福澤武の諸賢から拙い当該組織に感銘を享受した場面を伝えた拙文に丁重な返信をここ10余年の間に頂戴している。
特に 欧米の諸賢は名刺交換へコミュニケーションが継続の場合は、後刻 謝意を表明した拙書簡に、丁重な返信の労を惜しまぬヒユーマンリレーションシップを実体験した。
従って 暮れにはここ数年自署のSeason’s cardを贈ってくれる粋な細やかさを体験した。
毎年暮れには 国内の年賀の他に国際郵便での発送が不可欠である。
国際郵便は高額との認識はありませんか? 年賀葉書+22円切手でGreetingの制度はあまり知られてない、私も数年前まではく恥ずかしくEMSかair mailでした。是非お試しを。
本邦の賀詞交歓風習はNWの出現で下降気味にあるものの日本の風習は未だ廃れていない。
居住地の東村山市は米国MO州のインデペンデンス市と姉妹提携都市を30年以上に亘り継続中である。MO州の州是は証拠を示せ “Show me state”のニックネームであるところから、懇書をも示すものである。

3 国際情報学の汎用性 NPO法人の理事に就任の以前の 何を残すべきかM.A.I.P.S.E の効用と高い信頼性
“名刺を出すより論文を出せ”との訓えを2002から本学で諭された。
  内外のConferenceやForumへの参加してインターネット大学院のトップランナーの襟度が秘められていると最近になってようやく本学に入学以前の米SCIP認定会員の時期から折角、高い費用の渡航の際の宿泊費・航空運賃・参加費・旅具費・服装費等々に見合う情報収集には直帰ではなく、目的地以外を周遊するスタンスを貫いてきた。
あの野口悠紀雄は若い頃から国際学会途上の情報収集を心掛けたと近著で発見、同一スタンスには感激と畏敬の念を新たにした。
再就職先や再々就職先でもやや長期の私事休暇は日曜・祭日の代休処理で済ませて年次休暇は他の緊急事態に備えた。その所為か企業年金と雇用期間の延長という、オプションを頂戴した。 特に 修士取得後の企業体は処遇をアップする対応には未だに感謝している。
矢張りグレーゾーンの無い企業体は違う。でも 本学の五十嵐元教授に再々就職先を示すと「そこの企業体は買い」との示唆を実行していれば、資産形成に大きな差が出たと後悔している。買わなかったので。「たられば」は戻らない逃げた魚は大きい例えを実感している。先生の訓えは実効・実行が不可欠との尊い忘れ得ぬ教訓を頂戴した。

終章
何よりも重要で大事なことは専攻の違いはあっても、院生と修了者は自分に学位を授与してくれた母校のサスナビリティを国の内外に機会ある度に、その有用性と汎用性は自己のキャリアーアップと所属する処と地域に発信を継続することである。
迎える超高齢化社会と超国際化社会はITの進化と国際間交流手段の通信・運輸・物流に拠って一層高度化と日常化する時期を迎える。
だから、生涯学習は否応なしに不可欠となる時期は、目前である。
つまり、生涯学習で聊かでも社会・地域貢献の鍵は研究項目の選択と継続にある。 本学発足当時は、所沢キャンパスがメーンであった。筆者は2002に入学を許され、所沢と隣接の東村山からオープンキャンパスを頻繁に聴講した際に所沢の大学院に隣接する住宅街の住人らしき数組のご夫妻は曰く。
『野球場じゃなくて大学院が出来て、公開講座で超一流の講師の話は楽しみだ』と隣接住人の声を耳にし将に地元貢献に寄与していることに誇らしく思ったことが過る。 近時 企業体の社会貢献・地元貢献が喧伝されている。本学は以前からその配慮であったことに自己選択の正解に浸りつつ、科目履修生を継続中である。
数年以前の研究生の時、市ヶ谷校舎で発表の 研究課題 「英国発航空機米国便テロ計画摘発の訓え(2006,8,10)」 A valuable on the Airline bombing plot uncovered in the U K on Thu 10 Aug,2006.の際に 「日・英の法制度の違いや事前摘発に住民の目・耳・連携が大事への言及」は括目するプレゼンだの評は、本学教授陣の軌道修正や渉猟の癖を伝授した大学院システムが寄与していることを忘れられない。オープン大学院やスクーリングの参加者を私なりに概観すると 「仕事を継続中に学べる大学院のトップランナー」「ハッピーリタイァーメント」が混在している感がある。特に昨年、人間生活に不可欠の「寝具」を修論テーマとした私より年上の方のご努力には、衷心から賛辞と意欲に敬意を表したい。翻ってわが身の失敗は、研究生・科目履修生を継続する代わりに修士後期を履修すべきだったと臍を噛んでいる。
今後は頻繁にSEE YOU IN TOKYOが方々でお目にとまるであろうが、SEE YOU IN NIHON UNIVERSITY GSSC SCHOOLといきたいものである。

教育とは、学校で習ったことを総て忘れた後に、残っているものである
A.アインシュタイン




[引用文献・注]
1: アルキメダスが原理発見に閃いた時の叫び声Eureca




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