南極へ最短の州-豪・タスマニアン
-ホスピタリティなフォロミーに感銘・感激-
国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭
プロローグ
副題を『地球上で最も素晴らしく 神秘的な場所への旅』とも考えを巡らせました。
タスマニアンは北海道より一回り小さく 人口は北海道の約1/10. 交通渋滞はない。国土の半数以上が国立公園の地で、アゴの力は犬の9倍でワニやサメと同じ獰猛さとは思いもよらぬ姿の可愛らしさで有名なタスマニアンデビルの生息地である。
『是非 一度訪ねてみたい』と密かに思っている旅行好きな方々やと研究の合間や仕事の息抜きに神秘的な旅やホスピタリティな接遇を渇望している方々にこの紀行がインスピーションを授けてられた嬉しい。
オペラハウスからハンガーブリッジ
‘91以降渡航歴は通算36回、48ケ国へ延べ365日間の旅を振り返っても副題に到達した。
ツァー団体の1,5回の他は、総て自己企画個人旅行で、失敗と教訓抽出の旅を続けた。
何故1,5回?
1.5回は’03に当市と姉妹都市米インデペェンス市(MU,US)へ提携30周年親善団の往路と’04に本学修了学位記修得のご褒美の家内企画「仰天シンガーポールの旅」である。
往路?
親善旅行帰路の最終日に当市市長・市議会議長をNYC公安委員長表敬を実現、関係者への謝意表明日程が翌々日となり、親善団から離脱・残留である。
表敬訪問?
‘03頃は今より体感治安が悪く、当時の竹花都副知事の「体感治安の向上」が至上命令で各市・区長へ厳命していた時期である。
NYPDとの’91以降の人脈を辿り当市市長に「治安改善都市のNYPD表敬訪問(A)」を提言、採用後、延42回のmail.Fax.国際電話、手紙で折衝の結果実現した。
市長等は折角のNY観光を犠牲に訪問団から離れて市警No.2 (B)を表敬訪問した。帰国後に市長は『得難い経験を一市民の草の根外交で実現、稀有な経験を今後の市政に反映』との明言が国の機関誌にも掲載されたことが過る。
1 ホスピタリティなフォロミーに感動
素敵な接遇を何度も享受した。
豪フラッグキャリヤーQantasで旅をした際の感動はおもてなしの真髄はFollow me!
タ州最南端の首都ホーバード空港着、宿への途上、埠頭に迷い込み工事人に訊ねると「後にいる妻に訊け。」との由。
彼女に予約書を示すと『Follow me! 』と車で約2km先まで先導、宿に到着、お礼に降車すると笑顔で窓から手を振って何もなかったように去った。お礼は言えず仕舞いでした。
タ州東北のクラウドMt,NPへ往く際に2度も道の右・左を間違え迷った。
目的地に近い丁字路で逡巡していると車が急停車「Follow me」と何と7kmも先の山荘まで先導。「Over there !」とUターン山を下って行った。
到着は夜8時過ぎで山荘の受付は真っ暗、目を凝らして見るとドアーに封筒が吊るしてある。HASEGAWA CABIN 5と『何度もmailを受信。必ず来訪と確信』と宿のカギと書類である。
この窮状を忖度した隣の閉店準備中の食堂スタッフは急遽チップスを調理『これ召しあがって下さい』と注文していないが『支払いは?』と尋ねると笑顔でNon problem. お蔭で遅い夕餉を味わった。
『宿は300m先、旅支度を解き食べてお休み』と遅参の旅行者へのホスピタリティな接遇。
宿は綺麗に清掃されて各種スイッチも単純で戸惑いなく、静寂な原生林の息吹に包まれた。
連絡無しのチェックイン時間経過は、取消のNo show Chargeで料金引落のルールだ。
翌朝お礼に伺うと。Non problem. Enjoy! Have Fan!を背に下山した。
帰路では観光バス運転手のくれたツーリストマップで迷わず2時間も短縮、リッチモンド近郊のZoo doへ向かった際に、直近の商店で確認すると女店主はノートを破いて手書地図に「5 minute」と所要時間を書き添えその通りで、忖度の機微に助けられた。
お蔭て放し飼いの珍しい野生珍獣に逢えた。
タスマニアンデビル
タ州の634Km(東京~姫路間644Kmに匹敵)の旅はオーストラリアン・スピリッツに心底癒された想い出深い旅でした。窮状を察した精緻で簡潔な即応は100の観光誘致策に勝ると実感した。
ラウンドアバウト交差点のマナーの良さや治安の安寧さは夜の外出でも実感した。
4度目の訪豪で幸先の先鞭を付けた「Follow me!」の方々に御礼の言葉を贈りたい。
2 タスマニァンとは? Follow me !とは
1641オランダ人アペル・タスマンによる発見で、同国が興味を示した香辛料、黄金が見つからず1802まで入植が無かった。
多雨林の大部分は世界遺産に登録され、タスマニアンデビルなどの野生動物が多く生息している。しかし 路上に多くの野生動物の轢かれた可哀想な遺体にも遭遇した。
州都Hobartは同島の最南端。都心部の西方20Kmのウエリントン山1270mからは州都へ注ぐターゥエントン河口に発展の州都を見下ろす爽快な眺めはお奨めです。
車で20分、健脚向きのウオーキングトラックでは歩行者・自転車の多数と出会った。
州都ホーバートをウエリントン山頂から
Follow me !とは『私に続け』『案内します』更に『前へ』『喚声前』である。
『私に続け』『案内します』はお馴染み。
『前へ』=『Follow me ! 』は米海兵隊独自の『前へ進め』の指揮官の戦場・訓練での号令でもある。
初耳の方も多いと思います。米軍の陸・海・空の『前へ進め』の指揮官の号令は、『Go ahead !』『Forward!』と映画等で見聞きする。
『Follow me !』は米海兵隊独自の指揮官先頭で『俺に就いて来い!』であり、誇りと気概を示す海兵隊の自慢でもある。
米海兵隊出身で、アフガン・ベトナム戦経験の米企業の方に『Follow me !』の意義と由来を話すと百年の知己の仲となること請け合いです。
『喚声前』は機動隊中隊長の号令でもある。指揮官先頭で暴徒鎮圧時の号令である。
世界で軍以外が武器無しで鎮圧する機動隊をRiot Sqと外紙は報ずる。一寸横道にそれた?
以前「思わぬ反応-縁は異なもの-」(C) 新宿西口で困窮していた豪州の方に道案内して、送り届けたら帰国後に彼の同級生はクンーズランド州警察庁長官で、
メールと警察庁長官記念メダルにRoyal Welcomeの懇書が届いたことが過り、今回はお守りに肌身離さず持参した。
“遠方に友を持てば、世の中が広く感じられる。友は緯度となり、経度となる” ソロー曰く
このスタンスで訪日外国人へ道案内を継続中、昨12/22に新宿で伊勢丹を探す米親子4人に道案内をした。何と、米カ州の方々で奇遇にも私の最初の英語の先生の米陸軍軍曹と同一町の方でした。
3 現地遭遇者の提言と専門家の罠
特異な大事故・災害の直後に現地視察は有効な場合があります。
別の観点から「現地遭遇者の提言」は臨場感と遭遇者の知見を加味した論考を歴史の教訓や現地の先進的な好事例と比較考量の上、論考、提言に昇華すると、
所謂 専門家の罠に嵌らなものへ提言が可能である。
本邦の赤字財政改善策から費用対効果上プラスである。一億総活躍社会実現を目指すなら豊富な経験や知見を蓄えている勇退後の方々が
遭遇した事象に自己の体験と知見で教訓を抽出した提言は、費用対効果に信頼と達成感が同時に得られる。
事後の視察調査団より臨場感ある遭遇者提言は、時宜的にも優れた提言可能を秘めている。
卑近な例、昨年の新幹線放火殺人事件へのコメントをご記憶ありますか。
『鉄道の利便性を考慮すると手荷物検査は、現実的でない。』と。
しかし 英仏を結ぶユーロスターは既に実施されていた。この事実を諸処の学会誌や要請講演や先年の日本ビジネスインテリジェンス協会でも賛意を得ている。
当時の旅日記は
『'05/4/11パリ発ロンドンのユーロスターの客は改札口の厳しい点検後に遅いエレベーターで乗車口へ。
終点ではエレベーター脇に設置のTV監視カメラ情報に基づくパリ警察官数名の選別検問が待ち受けていた。
改札口と乗車口のダブルチェックだった。
帰路のウォターロー駅にはパリ警察の制服警察官の検問で『ロンドン~パリ.459Km無停車』と記されていた。自国の安全は自国のシステムでした。
昨11月のパリ同時テロはユーロスターが厳しいのでソフトターゲットを狙ったとの報道は無いが、この検問態勢が効を奏したとはあまりにも穿った見方?
であるから 貴重な現地体験を本学で培った渉猟・論考・論証・提言の癖を活かして社会還元に聊かの寄与をと念ずる。
4 帰途の土産
旅はその国のシンボリックな建築史にも残る建造物に触れることにある。
今回は3個。世界的な良港シドニー湾を跨ぐ橋にこの国最古のホテルと最後に外せないのはシドニーオペラハウスであろう。
前の2つは以前の電マ(D) で触れている。
Sydney Harbor Bridgeの別名はOld Big Coat Hungerと親しまれ、最高地点は海抜134m。約1,5Kmの橋上約3時間のツアーがある。頂上は360°遮るものが無い眺望が楽しめた。事前にアルコール検知後、専用のツナギ服に着替えて携行品は一切不可、ロッカーのカギを首に吊るし鋼鉄製命綱滑車を導線レールにフツクで掛ける安全策リハーサル合格後にスタート。眼下に8車線2電車路線両側に各2本の歩道/自転車道が見えた。
車は豆粒、人は米粒大、その下を往来の船はまるでメダカでした。橋上からの眺めは十分ペイする。2度目でしたが、ナイトツアーもお奨めとの由。
’08の開設10周年目の今回は2名で570.95AU$約50.000.-した。
2度目の宿The Lord Nelson Brewery Hotelは予約が1泊のみ条件で出国前日にOK。
1834開業の豪最古のライセンスホテル。階下はビール醸造所とシドニーベストバーに選ばれた著名なパブは数種類の自家製ビールに拘りがあって、2と3階の10客室は185年前とほぼ同様に営業継続の歴史的ホテルで常に満室である。
3階のシヤワー・朝食付客室は、何と200AU$(税サービース料込々)であった。前日の1泊キヤンセルしたマリオットは269AU$豪州でした。ホテルとは過去に同国はホテル以外は夕刻からは酒類販売が規制されていた経緯からホテルを名乗る食堂類が多く存在する。ホテルを名乗ると酒類提供規制を免れて客は時間を気にせず楽しめ、店も増収源に寄与した歴史的経緯がある。
建造物や特定の地域の街並み等が世界的にランドマークとしてのシンボルとなる条件は、拙い旅の経験からは大きさ、高さ、派手さが条件であろうが、一端流行から外れると忘れ去られた諸処が多い。こよなく長く愛され親しまれたのはデザイン以外にその場所の建造物の地域の来歴と意義の影響は捨て難いものがある。
その筆頭はシドニーのオペラハウスである。
外観は貝殻や帆船の帆を連想させる特異な形状は天然の良港シドニー湾と相まって世界都市シドニーを強烈に印象付ける代表的な観光地に存在するところに意義がある。
その真髄に迫るにはバックステージツアーが手っ取り早いことは、米カネギーホールのバックステージツアーでの体験教訓である。あの舞台を踏める。
お馴染みの外観だけでなく、建設の過程は着工’59.竣工‘73と20世紀後半の建造物としては15年近くの難工事で建築史に残る貢献から世界遺産に登録されている。
ツアーは6:45集合の2人で330AU$。でも5人に1人の専属ガイド付きで、終るとシドニー湾に懸る橋に豪華客船の出入りを何も遮りの無いスタッフや出演者専用食堂でデサート付朝食を揺ったりと味わえる優れた観光資源である。
広い出窓の付きメスホールは舞台監督や出演者も居る。芸術家の仲間入りしながらの贅沢な朝食で先のガイドが肌理細かに食事の接遇と案内や質問に答える。旅の疲れもフッ飛んで癒されること請け合いだ。
オペラハウス案内人トニーと
ガイドはオペラハウス建設時のことや舞台の秘密仕掛、客席の音響効果から鑑賞のコツまで楽しい説明で、当方の拙い質問にも解り易い説明であった。
前日キップの交付係と同じ方で、『ここのスタッフでしたか?』の質問には控えめに相槌を打って片目を瞑った。
エピローグに替えて
電マ63号の拙稿を要請・講演の近隣3市合同ロータリークラブと近隣2市管轄の警察署の幹部研修の場で、遺失物の違いを2/24と3/25に触れた。
『忘れ物が戻りミラクルな邂逅感に浸る-失敗からリスクリデュースを提言-』は渡航直前に遺失物の内外差を事前に知り『大変に役立って無事帰国』と御礼の発言には驚愕した。
帰国時のAir Lineの対応も凄かった。終わり良ければ総て良し。
タ州~シドニーの空路でスーツケース足車の不具合が発覚、帰国前にシドニー空港で申告「英文は大変でしょうから羽田で」と。羽田では「用紙」事前準備の連携に感動した。
本学法学部新聞学科卒の著名な写真家相原正明氏と年初にタスマアンを語った時、彼の上梓の名著と写真を贈られた。
写真は写心で写神の域にと、コンセプトの大切さをとの謦咳に接した。
私も法学部、名も昌昭と正明が同じでも写真と振舞いはプロと素人の落差、それを意識させない気配りは、旅人で豪州タ州親善大使でもある。
Travel teaches toleration.旅は寛容を教える と学びました。
【注釈】
B: 電マ#14「再会」(9)NYPD財務官と再会参照
B: NYPD(NY市警)No2のDeputy Chief Joyce A. Stephen
C: 電マ#38「思わぬ反応-縁は異なもの-」
D: 電マ#29「My Destination Australia三度目のオヘストラリア」