今年は節目の年
-Turning Point-
国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭
はじめに
民法は120年振りに10年掛かりで200項目以上を検証・検討する。往時は予想外のインターネツト取引や約款にも触れ消費者保護への法制改革の節目の年と位置付の年となる。
宝塚歌劇団創設100年、普通選挙制度90年、プロ野球の読売・阪神80年、そして戦後70年で政府談話、ODN開始60年、東海道新幹線・オリンピック50周年、その10年後は山陽新幹線全線開通の今年は40周年、日航機墜落30年、阪神淡路大震災・東京サリン事件20年、私は国際情報学修士修得後10年である。
TDBAの調べでは都道府県別創業10・50・100周年を迎える企業本社所在地は東京が最多、150周年は京都府が唯一10社で最多でもある。
私の忘れられない節目の年、阪神淡路大震災の日から20年です。院友諸賢は如何でしょうか?
当時、私は警視庁のパトカー18%と共にヘリで現地入り、伊丹空港のヒビ割れが壁に走る宿舎から長田区の救援復旧に神戸市役所の方々と従事した。毎年この時期に蘇る凄惨な発災後の姿は生涯忘れられない。当大学院のゼミで10年程前に再訪した折りには、当時人々が「黙って黙々と救援復旧への姿」と二重写しになって涙を抑えられなかった。
その2年前迄は、警視庁警備部の災害対策理事官として災害対策に携わっていた。
現在は地震予測の研究は進んでいるものの精度は、台風等の自然大災害と比べて未だ低いのが現実、政府の被害予測は見直しの繰り返しが現実の姿でもある。災害対策の体験は、再々就職の傍ら当大学院で国際情報学の修士修得へと背中を押されもした。現在 都内複数の行政機関の危機管理研修講師の身の上で研究生・科目履修生として最新情報をと母校日大大学院在籍研究中で今年は安全学を履修中ある。
「86年振りのハリケーンIRNREに’11にNYで遭遇現地遭遇者からの提言」の事だ。
国土交通省はその後のハリケーンSandy後に調査団を派遣している。円安でも渡航者は激減していない実態は現地遭遇者からの提言制度を創設、その中から有用性と汎用性高い事項を政策に反映させることは、費用対効果の観点と高額旅行者増の現実は団塊世代の管理職的立場の方々や現地駐在経験者の有用情報の提言に有用情報が潜んでいる。これは公刊資料からの競合競争情報発掘のコンペェテイテイブインテリジェンスの真髄である。
加えて 当大学院の電子ジャーナルを「ググる」方々が多くGoogleのTop Rank Page占めている現実は、各筆者と編集者の時宜を得た着眼・研究と推敲に負っている。
だから 「現地遭遇者提言制創設」は教訓抽出と体験風化防止に加えて、国の財政再建策として一石三鳥で、これは地方創生の根幹でもある。
テロ以外にも大地変や経済構造の破綻等の影響で不測の事態が常態の社会情勢に突入している現代には、変事に即応の生活化の教訓の継承が絶対不可欠と各自が再認識すること、つまり、常在戦場の感覚を涵養が、将に生活化への一里塚の知恵である。所謂 不測事態頻発時代が現実である。発災時対応を念頭の思考習慣継続こそが身を守る生活術である。これは「シッカリ」や「丁寧に」では無く、自己の生活実態を踏まえた具体的で時系列的な即応策に習慣を昇華することである。
1 現況の一端
2011.8.27にNYでハリケーン「IRNRE」にNYタイムズスクエァ角から2軒目のホテル滞在中の午前10時過ぎに現地体験した。
『今夜の深夜2時ハリケーンNY上陸、午後1時にNYCは公共交通機関を全面運休』
市長・消防局長・警察本部長の緊急会見をホテルのデスプレーのライブに遭遇した。
午後1時半に遅い昼飯に8階のレストランからタイムズスクェア交差点はと眺めるとタクシーとパトカーのみ、付近の摩天楼の明かりは次々に不気味に消え、ブロードウェーも2日間休演、只事ではないと慌ててフロント氏へ尋ねると。『自家発電と備蓄食料に社員自主参集で体制は万全でご安心を』とマネジャー氏曰く『You are Good Questioner!』と備蓄と自家発電に社員からの問い合わせで忙殺の対策デスクを見せられた。同社員の自主参集者はダブルペイと倍額手当と聞いて驚きを禁じ得なかったことが過る。流石マリオット。
そう言えば、’91にNY初公用出張時に部屋のシヤワーの蛇口から「赤い水」が出たので、マネジャー氏を呼ぶと、何と「水道はNYCが運営しているので市へ文句を言え」には驚いたことがある。後刻 客室係は『この部屋は領事館経由の予約で、数日間大事をとって空き部屋だから、水道の錆だ。』と蛇口を暫く開いておくと綺麗な暖かいお湯が出た。東京サミットの際にメーン会場ホテル天井から煙が出た事案以降、閣僚級国際会議場のホテルはこの慣行を本邦でも敷いていることを思い出した。
TVは警察・消防の即応や地下鉄運休の現況に加えて摩天楼の窓の電燈が次々に消え行くテナント企業の早退現況を競って放映中で本邦との乖離に驚愕し嫌が上にも緊迫感が伝わってきた。警察は湾岸警察の救命艇やライフジャケットを確認する様子、消防では排水消防車や救急車のタイヤの点検査状況、そしてNYCからは緊急対策本部の現況等々で警視庁広報課に身を置いた者として忸怩たる思いで放映に見入った。
ホテル向の食品店へ行くと『早く帰れ、あと5分で閉店だ』と棚の商品は疎らで、これはタイムライン(事前災害対応計画)のNYCの実態の一端である。
翌日午後遅くに台風一過のセントラルパークまで30分程歩くと依然として地下鉄は運休告知テープ張紙、帰りのタクシーは3倍料金可のNYCの証明書を突き付けられた。NYCに学びたいので証明書を所望すると「商売道具だ」とタクシードライバーに断られた。
現在 友人でNY郊外に住む元NY科学アカデミー総裁のDr. Marthaに先の1/27未明のNY開闢以来の大雪による非常事態宣言のNYCの勧告文を入手すべく手配中だ。タクシーの走行禁止は初と邦字紙のNY駐在女性記者のベタ記事にお気付きの方も居ると思う。危機対応は受益者負担のシステムが徹底している様子の一端に接した思いだった。
私共は2011にNYに3.11の東関東大震災から未だ5ケ月も経っていない8月下旬から9日間WPFGB参画で滞在した。この時期には諸処でHow about FUKUSHIMA DAIICHI?と日本人と解ると真顔で尋ねられたのが強烈な印象でした。NYで参画の国際競技WPFGの取材邦字紙現地駐在記者に逢って名刺交換、帰国後に発見の邦字紙には彼の記名記事は「タイムライン」に触れていない、多分現地感覚との相違がデスクにあり、ノータッチとなったのか。
2 前代未聞ではない
昨年秋の台風で関西では『前代未聞の前日に公共交通機関全面運休』と報ぜられていた。
2014.10.19JR西日本は国交省のタイムラインに添って事前全面運休を実施した。しかし 『タイムライン』を知悉している方々は3%程の報道もあった。ここに当大学院は既に2014.3に電子ジヤーナルに掲載されているところに前述の「筆者と編集者の時宜を得た着眼と推敲」の所以であり、現在も帰宅難民皆無の 「タイムライン」(事前計画)現地遭難者からの提言で「ググられている」ことが有用の証左である。地元優先で先に当市の市長以下管理職全員に「危機管理の管理者研修」の要請講演の場で「タイムライン」の概要にも触れて渡邊市長に電マ55号を手交の上、要旨をレクチュァ、隣接市の渋谷市長へも、更に昨9/8に国交省水管理・国土保全局長へも届けたので、是非 ご一瞥いただきたい。
三重県紀宝町は前年の教訓から『タイムライン』採用で前年の死者を出した翌年は『タイムライン』で死者を0にした減災対応が報ぜられた経緯もある。
是非最近『日本は教訓に学ばなくなった。』と聴く。帰宅難民対策費の削減の近道で財政再建への道とアップしている。に『雨は避けられぬが、水害は避けられる』に思いを馳せて欲しい。
津波災害の減災を2011.3.11前の2010.12.17に上梓された河田恵昭著「津波災害」を安倍総理が官房長官時代に開学式へ見えた本邦初の危機管理学部創設「千葉科学大学」で教材にしたことが過りました。精度の高い気象情報を基幹とする「タイムライン」での米国の例に学びたいものある。受講学生からのアンケートは「減災の重要性と外国の学ぶ姿勢を知った。」「就活面接で役立った。」「大学院への端緒となった。」等々は実効の証ある。
公助は税金が原資です。公助を求めるより先進的で有効な実績の制度を本邦の地域特殊実態に沿った減災こそが、将に地方創生の根幹で、決して前代未聞ではなく、実効ある制度と何故、専門家は気づかないのか、矢鱈に有識者会議や作業チームを創設した内閣には将来が無かった最近の歴史的教訓を忘れてはならない大事なことである。
互助、自助、近助へのコミュニケーションと連動、体験や教訓を風化させないこと。災害は忘れた頃でなく、忘れるからやってくることは先達の石碑の遺訓が多くの生命を3.11でも救っていることが何よりの証左である。
所謂 専門家の罠に陥らないことが、肝要で達成感と信頼を確保し財政負担軽減への道と確信する思いを新たにした。
3 終章に替えて -何故、危機管理に拘るのか-
現在は危機管理は一般的である。
でも、30年程前は重突(重要突発事案対応策)と呼称していた時期に警察大学校で教授として教鞭を執っていた時期から、災害等突発事案対応のへの対応は忘れず現在も継続・渉猟・研究中で、当時の担当学生は北海道警察総務部部長が現在唯一であり、教訓と体験の継続的研究は当大学院HPから発信中もある。前述の如く今期は安全学を履修中。
是非 ご一瞥を。Google Top Rank pageに拙稿修論の抜粋が長年占めていることは、多くの方々が注目している何よりの証左である。
しかしながら Great Happiness is bitter, But Failure is sweeter than Honey. これは人の性(さが)と何時も念頭にある。『口に出せば天縁は叶う ! だから言い続けた先達を見習おう。』と或選書で出遭った一節が脳裏から離れない。人間は伝えたい、知りたい、聞きたい動物である反面、前述の『人は他人の慶事としての栄転、繁栄、当選等は毒より苦く、左遷、破綻、落選は蜜より甘い』ことには常時念頭にある。
内外の情勢を概観すると 将に 危機管理の時代でもある様相を呈している。渉猟に論考や稀有な体験からの提言に内外での地域特性を踏まえた実証済みの効果的政策への提言は、伝承の義務と確信する。
昨6/11にGoogle社太平洋豪州アジア地区Mr. Karim Temsamani副社長に日経のセッションの際に奇しくもエレベーターで逢った。その際に日大大学院紀要の拙稿抜粋がGoogle Top Rank Pageにある旨申した処、Great!と賛辞を戴いた。今後の渉猟と研究の継続への励みとなった。’11に所属のSCIP国際年次総会で注目してくれたF&SのDavid会長も矢張り拙稿を評価・注目してくれ、日大大学院に聊かのご恩返しができた。
継続の重要性が指針と『継続こそは力なり』フランス不敗のフォツシュ将軍の言。
冒頭にも触れた「教訓の伝承」の危機管理は人類の叡智であるからこそ、人類は発展を継続し今日があると心したい。タイムラインは超大型自然大災害への即応術として優れた実績がある。我が国は火山国であるところから東日本大震災以降は日本列島の昨年の御嶽山や阿蘇山・箱根の例からも約1,000年振りの大変革期に突入との地震専門家の言がメディァにも伝わる頻度が多い。加えて1,150年前の9世紀には地震と噴火が頻発したとの指摘もあるところから『過去は未来を説く鍵だ。』と『対岸の火事でない。』ことの歴史の教訓を踏まえ、最近サイバーテロ対応の充実が進むのはご同慶に絶えない。
同時に緊急即応省として地震・火山・超大風水害庁の組織創設と予算措置、大学・大学院の喫緊の使命と社会貢献は地震・火山・超大風水害学部・研究科創設で人材育成である。2020東京オリンピックを迎え福島原発の対応の遅れを国民が自分の問題として常にハードとソフト両面の進捗に関心抱き選挙の際に考慮との信念の持続が不可欠ではと、諸賢のご叱正とご批判に加えて更なる論考と提言は本大学のインターネット・トップランナーの道と確信する。一昨日に逢ったアトランタ警察トップのW.Witmire氏に100年記念アトランタ・オリンピックの教訓は対話と教訓継承と諭された。
先に逝去のドイツ初代大統領Richard von Weizsaeckerは「過去に目を閉ざす者は現代にも盲目となる」(1985独連邦議会演説)は同大統領の生地は私がFIFAでドイツを訪れた際の止宿地シユッルトガルトで一層好きな言葉であると申し添え筆を擱く。
【注釈】
(A) 帝国データーバンク
(B) The World Police Fire fighter Game Foundation世界警察消防法執行官オリンピック財団主催の国際競技会、4年毎に開催 50カ国 62種目17,000名参加、欧米、豪ではオリンピック開催の前年開催で有名。