国際学会への参画
‐12回目の感触・変遷・教訓-
国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭
はじめに
BCMの根幹は組織の倫理が高いことに加え、投資は高い倫理と社会責任を伴う永続的な強固な紐帯を兼備することも不可欠である。私が理事の末席を汚す組織はNPO。渡航・参加・宿泊・食費等は全額自己負担は当然。
では何がメリットか? 大変良い質問ですね。
私は『旅は人を若くする源泉』Hans Christian Andersenの言葉が大好きです。
旅には五つの楽しみと元「旅」編集長戸塚文子は
① 創造
② 行動
③ 異文化接触
④ 伝達
⑤ アルバム創作
私は5つのクリエイト
① 旅の創作=創造意欲の醸成
② 新発見=渉猟・研究心を満喫
③ 出遭い=交遊幅の増幅
④ 異文化との接触=グローバルなコミュニケーション・スキル
⑤ 伝承の喜び=達成・信頼感に基づく情報リテラシー
噺は一挙に太平洋と米大陸を横断。
旅の途上のグローバル政治都市ワシントンDCへ飛ぶ。WH1から2ブロックスのMaysy'sでラガードIMF専務理事に出遭ったこと。先年のIMF開催後の帝国ホテルでの講演はQuestioner's 席で拝聴ご尊顔を知悉していた。挨拶すると“Have a nice day!”とおっしゃって下さり、お蔭さまで幸先のよい旅だった。挨拶は「明るく」、「いつもさきに」を続けることにある。
学会への参画は、次期開催決定時に安価、安寧と道草を礎に自己責任で計画する。前から空、宿、足の総てをその本社とコンタクトや訪問国の在日大使館情報更新は不可欠と心得ています。Mail以前は国際電話・Facsimileで予約、最近はcom併用、英語力の錆防止に効用がある。
当然、旅行業者価格よりも遥かに安価、自由度も享受。空路はビジネスも可能となる。
その反面、正に“Own Your Risk”である。でも、帰国後は達成感と信頼感を同時獲得可能。是非お試しを。渡航歴は'91に湾岸戦争終結後の米国へ治安実態視察研究調査団の団長として赴いた1回は公用渡航。その外は総べて自費、私費、自己企画の渡航、アメリカ34回(ハワイ18回)、カナダ・オーストラリア3回、フランス・香港・シンガポール2回、メキシコ・韓国・台湾・マレーシア・イギリス・スイス・ドイツ1回の累計44回の46ケ国で延べ345日間、未だに搭乗拒否、宿泊拒否に遭遇していない。
否'06オーランドに学会開催1週間前の夕刻着「学会レート宿泊は前日から」と拒絶に遭遇1泊のみ。学会後の癒しと予備のキーウエストへ転宿の止む無きの件(電マガ53号参照)。
乗継便遅延、今年5/5キーウエスト→マイアミで道に迷い予約便を逸した。対応策は事前にマイアミ→オーランドは近距離(201Mile:1:10)でも、重量無制限の1stを予約確定済。遅れてゲート着、重い旅具でも笑顔で“Non-Problem”とボーディングパスに次便の出発時刻と搭乗ゲートにチェックし即刻発券搭乗、無事開催地到着した。
2つ失敗例、でも予備宿事前予約と1st予約はGoodだった。
異文化との接触継続は新鮮情報の刺激と啓発共有で理解を深め、世界のトップの鑽仰姿勢に触れることに付加価値がある。今後も、多くの友人の理解と支援を得て、些かでも当大学院の国際情報学の世界発信に寄与したいものである。
1 年次国際総会への参画に拘る訳
初参加の'02アナハイム以来、'04の修士授与式で欠席の他は、今次29th Annual Conference & Exhibition May 5-8, SCIP22014 Orlandと連続12回出席・参画した。
何故? 参画?! 理由は数年来、開催地と基調講演者選定に提案・関与しているからである。
5/5会場着、資料の次期回開催地Atlanta『May11-14.2015|Atlanta.GA』(pp-26)記載は飛び上がる程嬉しかった。
本邦のゴールデン・ウィ-クはフロリダ避寒地のシーズンオフ、従ってコンベンションは走りで会場費は高騰する。来年創設30年の記念大会は私の推したAtlanta開催、同地はDeltaやCNNにCoca Colaの本社所在地でハーツフィールド・アトランタ空港は数年前英ヒースロー空港を抜き世界一を誇る8本の滑走路の最大ハブ空港もある。今回はCNNバックステージツアーで貴重な体験を味わった。
基調講演者候補は超多忙な世界企業DeltaのCEO Richard H, Andersonを推薦している。配布資料に『※Dates and Location Subject to change』とあり逆日程で厳しくチェックの日々が続くと覚悟した。提案実現の暁にはNihon University GSSC Schoolと世界に発信され、集う世界のCIイノベーターの知るところとなる。
今次総会はゴールデンウィークの真只中の運賃高騰期を避け前倒4/24出国、後倒5/9帰国16泊となった。途上にAtlantaで数年来に亘り手紙とmailでの基調講演要請を直接依頼の機会を設定完璧を期した。
何故 彼が我が学会で適任か。
S-113の際に航空業界は長期縮退を見越し縮小戦略に急旋回の渦中に彼は早期回復と雇用確保に利用者利便を優先、厳しい情勢下にデトロイト空港を大改装しハブに仕上げた。この英断を彼の来日講演時(2009/1/14)の帝国ホテル「光の間」のACCJ4主催の朝食セミナー「R H. Anderson CEO Delta Air Lineのグローバルな航空産業『市場と戦略を世界最高のグローバルなエアラインに替える』」のゲストで招待の際、彼に講演前にその英断を伝えて SCIP2010の基調講演者に要請、帰国後にこの時期は既にコミットメントがと丁重な固辞の私信を自宅に受信した経緯もある。
SCIPのAttendance listやプールカードにNihon University GSSC Schoolと掲載される。修士取得の研究生・科目履修生はResearch Studentで参加費は割安である。修士取得者は大学院が何をしてくれるかではなく大学院に何を残せるかのスタンスを堅持し限界は自分で決めずに努力の継続が肝要との訓えを履践・体現中である。私は再々就職時に、JSCI5学会渉外理事の傍ら昨年3月迄の8年間を本邦初の危機管理学部創設の千葉科学大学で危機管理論とリスク評価論の教鞭を執った。学生や諸処での要請講演の場でも新鮮な先進的有用情報と大学院在籍が好反応で達成感を齎した。
曰く『長谷川教授の授業の海外情報や面接官秘話は、夏休み旅行や就活で本当に役立ち友人の信頼も得た、でもパワーポイントは文字が細かいヨ。』私は非常勤講師だ。
出国前に大塚吉兵衛学長へ4/23に3/25の日大大学院の平成25年度修了記念祝賀会・同窓会の際に拙稿掲載の紀要がマイアミ市図書館に収蔵・展示を伝えるマイアミ警察本部長からマ市公用箋で私宛の公文書を熱心にご高覧戴いた御礼とその経緯を掲載の電マガ53号と今次渡航の報告を併せて参上した。新学期早々の超繁忙期にも拘わらず一修了院生の在籍生に時間を割いていただき感激と感銘で最高の研究心を掻き立てられた激励を賜り、研究心への心の灯を燈されて心底喜んでいます。
2 世界的学会の変遷と旧交確認
SCIPは流石にサステナビリティを保っている。でも'02以降、'08のリーマンショックを境に'02頃の輝きは少なく政府・行政・大企業等の参加がやや低調の感触。印・中・韓も減。日本はIntelligenceへの認識と共有は未だ低く昨年参加の本邦大手弱電トップの姿は見えず寂しかった。中東も極減シェールガスの所為?中南米関連は低成長?以前よりは静かな参加、ペルーの方からフジモリ時代は良かったと日本人と目敏く見つけ声を懸けられた。2011に紀要の拙稿がGoogleのTop Page Rankを評価したF&SのDavid会長は、昨年の本学会の終宴で私の拙い発言に暖かい視線を送ってくれた。SCIP2012のCatalyst Awardsを私に贈ってくれたロックフェラー財団Scott専務に地元銘酒“金婚”を贈ったら、何と十倍返しのジョニクロならぬ、最高級のJohnny Walker Blue labelを贈られた。
隣席のMITの方の方眼ノートへのメモ術には驚かされ、実行中。
3 稀有な危機管理の鑑
帰国便では迅速的確な即応のCAと訪日外国人に前から三番目の我が席を最前列と交換していただき、お陰でFrequent flyer's seatの恩恵を蒙り長躯を癒された。“
ウェルカムシヤンペンで搭乗歓迎、水平飛行後に日本食が供された。従来はややお吸い物はインスタントで冷えていた。だが、今次は暖かく量もタップリ美味。そこで、Deliciously! Beautiful soup! Give my compliments to the chef.と応えると、I cooked.と返された。エスプリの効いたウイッティなCAは、その返礼? に私の就寝中に家内に「搭乗記念」とシヤンパンが贈られていた。
着陸態勢時のDL643便は猛烈な乱気流に遭遇シェークとピッチングに遭遇した。
着席待機中の件のCAは直ぐに左手を壁際の把手、右手で安全ベルト外し、毅然と立ち上がり右手は機長連絡電話、目線は乗客の安全確認、即刻機長の情報速報「ご安心を。直ぐ治まります。今 機長に確認しました。安全ベルトの再確認を」そして優雅に「Thank you! 」。この語感に搭乗客は安堵、ギャラリーからはCAの談笑の声が賑やかに漏れてきた。
「近海上空で乱気流、乗客・乗員負傷」を想像に難くない極めてクリテイカルな状況だった。帰宅後のTVは仙台沖で荒天落雷と放映していた。この際の危機管理の凄さは笑顔の対応からは想像出来ぬ迅速な自己犠牲と乗客安全第一の即応だった。
そこで「あなたはチーフパーサーですか?」とCAに尋ねた。
彼女は何とその上のInternational On-Board Leader6の名刺、あの所作が納得出来た。
正に「勇将の下に弱卒無し」を実感、研究中の危機管理へ好実例として磨きが増した思わぬ貴重な体験を得た。家内はこのCAらは激しい揺れの直後に声高の談笑は、事態が切迫せずの安堵感を搭乗客に与えた効果は大きく隣席の邦人は「良かった」と漏らしたと教えられ、適確な即応さが客観的にも検証された証左である。
降機の際に前述の自席を譲ってくれた方に降機順番を譲るとAppreciateと穏やかで寛容な目線を返された。'13 World's Most Admired Companies Airline Industry Listの1位を受賞したエクセレントカンパニーDLは強固な財務戦略、安全運行実績、地域社会貢献、環境・テクノロジーへの取組、高度な顧客サービス、良好な労使関係と報ぜられていた。
世界の航空業界が疲弊倒産の時期に労組員全員で旅客機1機を購入、会社へ贈呈の歴史的実績のある世界唯一の良好な労使関係は、数年前現役引退のその実機にアトランタの同社航空博物館で触れ感銘を受けたことが過った。
4 失敗と教訓
今度は、フロリダからセブンマイルブリッジを2往復、キーウエストからマイアミへ戻る夢のハイウエーを累計9回は走り抜けた。レンタカーは4/30-5/5の1週間(東京―姫路間相応の離650Km走行)料金は$581,22+$48(給油1回)。新車と保険最高額付帯。日割計算は、102円レートの約\9,165.-/1日。因みに東京~姫路は643kmで運賃は\15,120.~31,400.-バス、新幹線、飛行機と多様性がある。
夢中なドライブも立派な優しいナビゲーターにも恵まれたこともあって、疲れは感じなかった。 寧ろ帰国後の計算でその全容にやや脅威を覚えた。
年齢的にも『出口を間違えて路線変更の際にコンボイに警笛を鳴らさせたから、今後はもう海外ドライブは駄目』とナビゲーターに釘を刺された。「国外ドライブの7割はナビケーターでドライバーは3割」との由。車両はトヨタのカムリでした。自分の車にナビは無く不慣れで返却時に'06と同様高速路の出口標識の見落しにインターチェンジで方向性を違えた。8年前と異なり空港付近は一段と整備されて往時の面影は無かった。
教訓は情報の更新と機器の習熟化の訓えを得た。
終章に替えて
感触・失敗例が諸賢の身近な方々への助言、更には急増中の訪日外国人対応に役立てば、これに勝る幸せはない。
今年も本学通信教育学部夏季スクリーグの朝、当大学院入学勧奨キヤンペーン「修了後は、是非インターネツトのトップランナーの本大学院へ」と後継者育成は修了生の義務と確信、3年連続参加、今年は殊の外感触が良かった。
なお 出国日に褒章条例による稀有な総理顕彰や地域貢献企業とマラソンは途中棄権は無いと壊れない家作りを貫いた日本興業開発の伊藤義治氏(日大工学部卒)の訃報に接した。'13東京マラソンで内外フル160回マラソン総数500回達成報告で一時休止を年初に受信、その際、訪問しなかったのが心残りだった。マイアミから弔電-巨星落つ-合掌。(誠実なCEO電マガ25号参照)
20日振りの我が家は薔薇が咲き、イチゴが成り、軒に雀の巣と嫁に出た娘の留守宅を見回り置手紙があった。Take a good care yourself.
【注釈】
(1) White House
(2) Strategic Competitive Intelligence Professionals 創設29年,米テキサス、世界の国、行政、企業,教育関連の戦略的競合競争情報の啓蒙研究を高い倫理性で人類貢献を目的の個人参加の学会、世界45カ国約3,500名の規模の学会、年次国際総会は米国。欧州、アジア、南米では地域総会。本邦加盟者約40名。本年参加者700名、日本からは6名。
(3) September 11,2001.巷間911のこと。米国の911は本邦の警察110番で、S-11若しくは9.11,2001が一般的でメデイァも911は使わぬことを今回の4/25にCNNの本社バックステージツアーの際も確認。因みにWhite HouseのHPも911とは見かけない。渡航者は留意しないと周囲を驚かせる。
(4) The American Chamber of Commerce in Japan (ACCJ)創90年在日米国商工会議所
(5) 日本コンペェテイテイブ・インテリジェンス学会
(6) On-Board Leader Chef of On –Boardは米航空・鉄道の当該機・車の最高責任者、本邦の特別司法警察職員に当る。