いわきの子供たちが元気になることを願って
プロジェクト企画者:吉岡 映子
同窓会設立準備委員会が活動を始められ、半年ほどの月日が過ぎたと思います。この間の委員会の皆さんのご苦労が実りつつあり、「準備」という言葉が外されてもいい状況になっている昨今ではないかと推察いたします。
私は、準備委員会発足当時、一委員として「いわきの子供たちに本を送る」プロジェクト始動のお手伝いをさせていただきました。現在は、小学校司書として働くと共に、James Joyceの研究と紀要論文執筆に励んでおります。研究に集中するために、準備委員は途中で退任させていただきましたが、今後も必要な時にはお手伝いする所存でおります。このプロジェクトが継続されることを願い、私自身も多くの本を集め、今後もお送りできればと考えています。
私の勤める小学校の図書室は教室2つぐらいの広さで、本も豊富にあります。古くは平成の初めに購入された本から新書までが書架に並び、子供たちの一番人気は、『ミッケ!』、『カイケツゾロリシリーズ』、『にんたま乱太郎シリーズ』、『瀬戸内少年野球団』、『ぼくらの7日間戦争』、『ハリー・ポッター』、『スポーツ感動物語』などです。特に『ミッケ!』は低学年の子供たちに人気があり、取り合いになって、泣く子もでるほどです。
こんなに恵まれた環境にいる子供たちですが、2011年3月11日の震災は、心に深く残り、恐怖の経験として忘れることができないようです。震災の話をすると、黙って下を向いてしまいます。いわきの子供たちは、さらに身近に震災、原発事故の恐怖を体験したことでしょうし、今も続く放射線に対する恐怖は測り知れません。
10年ほど前、アイルランドの首都ダブリンに滞在した折、アイルランドのボランティア組織が、毎夏、ロシアのチェリノブィリで被災した子供たちをアイルランドに招待し、一般家庭で夏を過ごす企画を実行していました。「子供たちは、元気を取り戻し、帰国するのよ。」と彼らを受け入れていたホストマザーが話していました。読書、読み聞かせも子供たちに元気を与える事の一つだと考えます。
いわきで子供たちのために活動されている吉田裕美さんにエールを送ると同時に、このプロジェクトが子供たちに多くの元気と喜びをもたらすことを願います。
2012年7月31日