学位記を頂いて

国際情報専攻 田村 健一

 無事に修了ができた今だからこそ書けること(やっぱり書いてはいけないかもしれませんが)ですが、「そもそも自分が大学院に受かるわけがない、まずが軽い気持ちで受験をして予行練習をしておこう」と願書を出したのでした。
 願書を出して早々に事務課の方からメールで「英語の試験を免除対象ではありません、また、卒業証明書と願書に書いてある記述が違います。」と指摘をされており、余計に予行練習と割り切って、入試前日は二日酔いになるまで深酒をしておりました。
 ただでさえ字が下手なのに、さらに何を書いているのか自分でも読めない。最後の面接を前に帰宅してしまおうかと本気で考えていたのですが、予行練習の一番の意味はこの面接にあるのだと言い聞かせて、ようやく治まった吐き気に安堵を覚えつつ面接になりました。
 そこで、大学院の案内にある通りの笑顔の階戸先生にそもそも自分の考えている研究とかみ合うと思っていなかった私も万が一受かったら入学するのもいいかもしれないと思わされてしまいました。
 そして、予想外に合格し、開講式それに直後のゼミで、階戸ゼミの同期の面々の自己紹介を聞いたときに、まさしく場違いなところに来てしまったと思いました。
 直後のサイバーゼミでのゼミ生の発表を聴いてさらに、場違い感は強くなり、さらに最初のリポート提出で近藤先生からの添削を受けてますます場違い感は強くなりました。
 それでも、諸先生方から指導を受けるたびになんとなく自分でも何とかなるかなと思えてしまったことは今でも不思議であります。

 修士論文を書くにあたり、引用した文献は基本的に行き帰りの電車の中で読んでいたのですが、ここは論文に使える家に帰ったらまずパソコンを立ち上げて即書いてしまおうと思いつつも、早く帰ったときはまだまだ時間はあるまずは夕飯、たまにはテレビをのんびりと見よう、そして明日も早く帰れるだろうから、明日にしよう、それを繰り返して結局金曜日を迎え土日にこそ二日間全部を使って、論文書くから平日に無理しなくてもいいだろう今日はやめておこうの繰り返しでした。
 そして、もちろんその土日も土曜日の朝は午後からでいいや、午後になれば夜になったら、夜になれば日曜日こそ、日曜日はいうまでもなく結局書かずじまいで月曜日を迎える繰り返しでした。
 それでもさすがに土日月と続く三連休になれば、脅迫観念に駆られて、なんとかパソコンを立ち上げても、ネットも見ず、メールをチェックせずに、論文をなんとか書こうという気になりました。
 しかし、平日に行き帰りの電車で読んだ本の内容を見事に忘れている。結局、同じ本をもう一度読むのですが、おかしいこの辺りに書こうと思ったことがあったはずなのにで、とことん非効率なことで我ながらあきれ返るばかりの日々でした。
 それでも、ごくごくたまに平日に今日こそは書かねばと思い書くのですがそれは不思議なことに、やけに忙しい日で帰宅したのがもう間もなく日が変わるといったときや、明日は朝早めに家を出ないといけない日になるのも我ながらあきれ返ることの一つでした。
 計画性がなく、自己抑制が効かない私が、無事に修了できたのは、階戸先生をはじめとする先生方、そして階戸ゼミの皆様からの刺激であったのは間違いのないことでしょう。この場を借りてお礼を申し上げさせていただきます。



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