日本行動分析学会第27回に参加して

人間科学専攻 10期生 竹元 豊志

 平成21年7月10日(金)・11日(土)・12日(日)の3日間、筑波大学大学会館(茨城県)で日本行動分析学会 第27回年次大会が天候に恵まれる中盛大に開催され、眞邉ゼミからは、石津さん・藤原さん・松田さん・土屋さん・村井さん・山本さんが参加されました。私は、板橋区から車で首都高速と常磐道を使って行き所要時間は1時間弱で結構近いことがわかりました。さて、大会は3日間とも暑い日が続きましたが、多くの方が参加され盛況でした。ここで、今大会の一部内容をご紹介いたします。

 7月10(金)浅野俊夫教授(愛知大学)のヒトのGSR、サルのレバー押し、チンパンジーのタクトの特別講演T
 7月11(土)小林重雄教授(名古屋経済大学)私の履歴 行動分析学の研究と教育という特別講演U
 7月12(日)応用動物行動分析学を知る(一般公開)が行われ、このほかに、シンポジウム・教育セッション・ポスター発表等もおこなわれました。シンポジウム会場では、活発に熱の入った意見交換等が行われており、とても刺激をうけました。
 11日(土)の懇親会へはバスでの移動となり、多くの方が参加、会場では、眞邉先生の人脈の広さには驚かされ又、ゼミ生のために多くの先生を紹介していただきました。


ポスター発表者(慶応大学 八賀氏)に質問する眞邉ゼミ生


元 行動分析学会会長(現 星槎大学学長)の佐藤先生と眞邉ゼミ生


最終日の「応用動物行動分析学を知る」というテーマの講演はとても印象に残りましたので、かいつまんでご紹介いたします。
 杉山尚子先生の「応用動物行動分析学の歴史と現状―行動分析学はどのように貢献できるか」という講演は、スキナーが行動の原理を整理することによって動物のトレーニングは新たな地平が開かれたということ。又、日本のしつけ訓練の歴史と現状を概観し、今後この分野にどのように貢献できるかを問う内容でとても興味深いものでした。
 杉崎一彦先生の「猛禽類訓練の行動分析学的理解―訓練の方法」の講演は、鷹の訓練、飼育の目的概要を8つの項目に分け、訓練様子を動画を使って行動動分析学的説明で行われたので理解が進みました。
 山本央子先生の「家庭犬の育成に行動分析学はどのように寄与できるのか」という講演は、イヌの育成において、人間の暮らしの中で犬が、憩いとなるか、厄病神になるのか、それは全て犬ではなく、私たちが負うところであるという理論を行動の随伴性によって説明され、行動観で見ることの大切さを改めて再認識させられました。
 最後に指定討論者の眞邉先生は応用動物行動分析への期待について、お話をしていただいたのですが、時間の持ち分が少なく、先生の得意のユーモアのある話がうかがえなかったのが残念でした。他の聴講者は“もっと聞きたかったのではないか”と勝手に思いました。


シンポジウム「応用動物行動分析学を知る」


シンポジウム「応用動物行動分析学を知る」での眞邉先生

 学会に参加して思ったのは、活気のある学会だということ、この大会を通して、基礎研究の大切さを痛感させられる学会でした。又、とても有意義な時間を過ごせることができました。最終日の「応用動物行動分析学を知る」の総括で、一般公開等を行うことにより、関連のある方にも応用動物行動分析学を広げていこうというテーマを今後の課題にするとまとめられました。
 そこで、応用動物行動分析学に興味をお持ちの方へ、来年度の第28回大会は神戸親和女子大学で開催されますので、ご参加をご検討くだされば幸いです。

行動分析学会HP :http://www.j-aba.jp/

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