自分のやりたいことやってみました。。。
人間科学専攻 三浦 ひとみ
およそ20数年前、病院で新人検査技師をしていた私は、血液細胞を顕微鏡で覗きながら「異常細胞を見逃したらどうしよう」と思いながら、何回も細胞をみ返したり迷ったりしていました。そのとき、ものすごいスピードで細胞をカウントしている先輩に「そんなに早く見て、異常細胞を見逃しませんか?」と聞いたことがありました。先輩は「大丈夫、異常細胞があれば向こうからこっちの目に飛び込んでくるから」と笑っていました。それから約1年も経つと、先輩と同じように確かに異常細胞があれば私の目に飛び込んできました。さらに、標本を一目見たときに「あっ異常細胞が出ているかも」となぜかわかるようになりました。その感覚が忘れられず、「熟練者とは、口で説明できない力を持っているんだなあ」と思いつづけていました。
それから、細胞を見る仕事からはなれたとき、血液細胞を見ていた自分を思い起こし、「やはり熟練者は必要であろう。理屈ではなく、細胞を見る目や、波形を見る目、画像を見る目はおそらく熟練の域があるのだろう。」と考え、はやく熟練者になる方法はないかと考えていました。
眞邉ゼミは自分のやりたいことを話せ、先生と一緒にみんなが考えていくスタイルで、いろいろな業種の方との交流で、視野が開けました。そこで、やはり気になっていた「熟練者」にこだわってみました。そしてこのゼミで、熟練者は初心者と違うのだと納得することが出来ました。もちろん、この2年は大変でした。子どものことも、職場のことも、父親の他界もなぜ今・・・と言うタイミングで、さまざまのことがあり、大学院をあきらめようと本当に思ったことも何度かありました。しかし、今言えるのは、「やりたいことやってみました。やってよかった」のみです。
眞邉先生、ゼミの皆様本当にありがとうございました。