小坂ゼミ10周年記念パーティー

博士後期課程 小泉博明

 西田幾多郎は言う。
 哲学は我々の自己の自己矛盾の事実より始まるのである。哲学の動機は「驚き」ではなくして深い人生の悲哀でなければならない。

 小坂國繼先生のゼミが発足し、10周年となった。その節目に当たり、有志の呼びかけにより、平成21年3月28日に「小坂ゼミ10周年記念パーティー」が日大会館向かいの、私学会館市ヶ谷アルカディアで開かれた。小坂先生の学恩を受けた老若男女が、全国各地より、先生の許へ磁石に引き込まれたように総勢21名が参集した。まさに、瑞気堂に満つと形容しておこう。
 小坂先生の学風は、簡潔に言えば、まさに先生自らの凛とした厳格な研究態度と、そして慈愛あふれるゼミ生への研究指導といえよう。先生の指導は、山本五十六の言葉ではないが「ほめてやらねば、人は動かじ」という精神で、叱咤ではなく激励に力点があるように思う。幹事のゼミ長大山さんの開会の辞に続き、ゼミ生最長老の浅野さんよる乾杯で宴は始まった。
 小坂先生より、お言葉をいただいた。この10年間で、40名のゼミ生が入門したが、残念ながら途中で断念したゼミ生もいた。しかし、多くのゼミ生は各人の目標を達せられ修了され、中には大学の先生となり、活躍されている人もいる。今までに、先生ご自身は15冊の本を上梓したが、この10年間で10冊上梓した。まさに1年に1冊のペースである。また、今までに二人の博士号取得者を出したが、何とか小坂ゼミより5人の博士号取得者を輩出したいという抱負が語られた。
 その後、食事歓談となり、メンバーが醺然となった所で、自己紹介を始めた。一人3分以内という制約であったが、ゼミ入門の動機、修士論文のテーマ、現在の仕事のことなど、小坂先生とのエピソードを交えた、個性溢れるスピーチが行われた。スピーチを総括すれば、哲学、それも宗教哲学、西田哲学への興味や関心を持って集まった人たちは、教員、医療関係者、宗教者などが多く、それぞれの職場で壁にぶつかり、そしてゼミとの運命的な邂逅があったといえよう。まさに、先端科学技術の時代に、哲学や宗教が求められ、問われていることを再確認したのであった。この宴の顔合わせで、横の繋がりから縦の繋がりというヒューマンネットワークが構築されたのであった。
 その後、全員での記念撮影を行い、小坂先生には、日頃の感謝の気持ちを込めて、花束と奥様と旅行を楽しんでいただくようにと旅行券を贈呈した。そして、小坂ゼミの益々の飛躍を祈念して、盛会のうちにお開きとなり、同館にある二次会会場へと向かったのであった。二次会には、14名の参加で、立食から、今度はテーブル席で先生を囲み、談笑をした。5年後には、15周年記念パーティーを企画するとの話しも出た。終始和やかに、時間を忘れ、洗心の一時を満喫した。幹事の大山さんご苦労様でした。

 なお、小坂先生のゼミ生およびゼミ修了生が中心となって、西田哲学研究会を組織し、毎年研究誌『場所』を発行している。小坂先生をはじめ、著名な西田哲学研究者の寄稿論や、ゼミ生やゼミ修了生の論文などを掲載している。第8号が、本年4月に刊行され、ISSN番号も取得し、国立国会図書館へも寄贈している。





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