デトロイトには二つのカジノがある。「GREEK TOWN CASINO」と「MGM GRAND CASINO」である。「GREEK TOWN CASINO」は、かなり以前からあったが、「MGM GRAND CASINO」は昨年の初めにオープンしたばかりである。このカジノは、その名の通り、ラスベガスの「MGMミラージュ」が進出したものである。オーナーは、「カジノ王」としても知られている米著名投資家のカーク・カーコリアン(91)である。最近では、Fordモーターの株式売却を表明している。MGMミラージュの株価は1年前まで90ドルだったが、ここ最近、25ドルを割るほど下落し、業績不振が深刻になりそうなFord株を保有する余裕がなくなったためであろう。
昨年の誕生日には、「MGM GRAND CASINO」に行ってみた。国道75号線沿いにあり、すぐに分かった。車は、バレットパーキング(駐車場の入り口で、車のキーを係りに渡して整理番号札をもらう)になっており、すぐにカジノに入れるような仕組みになっている。(ラスベガスではほとんどの客がホテルに滞在しており、カジノをプレーする客も歩いて好みのカジノ場に行っているために駐車場の心配はほとんどない。) 中に入ってみると、内装や雰囲気はラスベガスとほとんど同じように見えた。また、スロット・マシーンやポーカー、ルーレットなどの設備もすべて揃っていた。唯一違うのは、プレーをするほとんどの客が、Tシャツに、ジーパンとスニーカーのなど軽装であることであろうか。また、ラスベガスと比べるとかなりローカルなイメージが強いように思われた。 この日は、カジノが目的ではなかったが、スロット・マシーンで1時間ほどプレーした(結果は−50ドルほどだった)。その後、カジノ内のレストランで遅いランチを食べた。ビールを1本飲んで、メインディッシュは、私が最も好きなプライムリブのステーキをミディアムレアーで焼いてもらい、たっぷりとホース・ラデッシュを乗せたもの、さらに、大ぶりのポテトにバターを塗って食べた。食後のデザートがいらないほど満腹感を得て、とても幸福感を味わった、と同時に少々眠くなってきた。帰りの車の中で、眠気を我慢して帰ってきたことを記憶している。
今年の誕生日も、再びダウンタウンのカジノを訪れた。今年は昨年と違い、「GREEK TOWN CASINO」に行った。このGREEK TOWNは名前の通り、元は多くのギリシャ人が開拓したところなのだろう。スペース的には、昨年の「MGM GRAND CASINO」よりも小さかったがかなりの歴史があるせいか、カジノ場での入場者やレストランやその他のショッピング・モールには多くの人がいた。ここの駐車場はバレットパーキングではなく、自分でパーキング場所を探して駐車する形であった。たまたま駐車したところが3階だったので、1階のカジノ場まで、ウィンドウショッピングしながら向かった。面白そうなお店が多く、次回はもっとゆっくり訪ねてみたいと思った。
カジノ場は、客の多さと、タバコの煙でムンムンとした雰囲気だった。客層は昨年の「MGM GRAND CASINO」と同じだったが、スロット・マシーンだけしか置いていなかった。今年もスロット・マシーンで楽しんでいたら、隣におばあさんと40代の娘と思われる二人連れがプレーをしていた。そのスロット・マシーンは、1回に1セントでプレーできるものだった。しばらくして、隣のおばあさんが大当たりを出し、22ドルほど儲けると、娘さんはすぐに自分の首につるしていた手持ちのカードに入金してしまった。そしておばあさんには、新たに1ドル紙幣を何枚か渡して、再度プレーするように話をしていた。このzoneのスロット・マシーンをプレーするためには、現金を投入するか、あらかじめいくらかのお金を入金してカード買いプレーする方法(日本ではプリペイドカードという)、の2通りだからである。
今回は、少額でプレーできるスロット・マシーンだったので、約1時間30ドルで遊べた。しかし、タバコを吸わない私には、タバコの煙が気になって、楽しんで遊んだという感じではなかった。