修了記念旅行 3人旅
人間科学専攻 7期生・修了 中村 哲也
バンコク旅行まで
ことの始まりは新宿都庁前のドトールでの出来事でした。「大学院修了の御褒美に海外でも行きたいね」と同期の大崎さん。“あなた確か修了のご褒美だとかいってエステのチケット買ってなかった?”と心の中で思いながらも、海外旅行に行きたいと思っていた矢先だったので、そこのところは突っ込まず、「その話乗った!」と即座に海外旅行決定。同じく同期の宇野木さんも誘ってさっそく日程調整。多忙を極める宇野木さんも「上司になんと言われても休むから」と快諾。いえいえ、上司と気まずくなっても私たちの責任ではありませんから、そこの所はよろしくお願いします。
そこで行き先は?という話になり、「やっぱ海の見えるリゾート地よね」と遠い目をして語る大崎さんと私。海のリゾートの素晴らしさについてひとしきり盛り上がり、海の見えるリゾート地に決定しかけた瞬間、「やっぱ、水着必要?」という話に及び…。決して細身でない私たち。「家訓で水着は着れないの(たぶん嘘)」と宇野木さん。「私も祖母の遺言で…(確実に嘘)」と、水着の話に及び急激にテンションが下がる私たち。海のリゾートは次回ということにして(しばらく海のリゾートはないな、きっと)、今回は周囲の人々の評判が高かったタイ、バンコクに決定。旅行にあたっては、「主要な観光名所はもれなく見たいが、疲れるし日焼けもするので歩きたくない」「宿泊はタイで最も高級なホテルで(オリエンタルホテル)」「食事は出来るだけ豪華に」「何をおいても象に乗る」という各々の要望を叶えるべく検討した結果、何故か旅行会社の一番高いタイツアーに(それだけわがまま言えば当然だろって気もするが)。元旅行会社勤務の友人に旅行代金を言ったら、怪訝そうに「あんた、タイで何か企んでるの?」という台詞を吐き捨てられる程の、そんな旅行内容。
バンコクへ出発
なんだかんだで出発当日。成田で3人とも海外旅行は久々だということが判明し急に弱気に。「今、日本人のパスポートが高く売れるらしいよ」という昨日読んだガイドブック情報を披露する私。「確かに前行ったとき貴重品は首に下げてたわね」と大崎さん。ひとしきり海外の危険な状況についての妄想がふくらんだ挙句に「貴重品を入れる腹巻を購入すべきよね、絶対」という誤った結論に達し、腹巻を探しに成田空港をさまよう私たち。途中で「腹巻って何処に売っていますか?」と空港の人に聞いたら笑顔で無視されるという困難にも打ち勝ち(あれの正式名称って腹巻じゃないらしいので注意)、無事に3人とも“腹巻”購入(後に、“やっぱり腹巻ってば暑い”という理由で全く活用されなかったのだが)。これで防犯対策は万全。いざバンコクへ出発。
アユタヤ遺跡
飛行機で6時間、バンコク到着。空港でこれから5日間お世話になるガイドさん、タニアさんと合流。タニアさんは日本語が物凄く流暢。聞けば、日本には一度も行ったことがなく、専門学校で1年習っただけとのこと。英語教育を10年以上も受けてきて全く喋れないなんて口が裂けてもいえないわ、申し訳なくて(誰に申し訳ないのかは分からないけど)。
そんなタニアさんと一緒に、まずは世界遺産にも登録されているアユタヤ遺跡へ。出来るだけ歩きたくないということで、移動は全て車を貸し切っての移動。建物の入り口で降りて、運転手さんに出口で待機してもらうというわがままっぷり。ちなみに、アユタヤ王朝は1351〜1767年に存在した国。独占貿易で莫大な利益を収めていた王朝は、その莫大な利益を元に数々の寺院を建立するなど栄華を誇っていた。しかし、1767年にビルマの攻撃を受けて、アユタヤ市内の建造物は徹底的に破壊されアユタヤ王朝は消滅。その破壊された建物の跡がアユタヤ遺跡というわけです(と、タニアさんが言っていました)。なので、基本は壊れかけた建物とか首のない仏像などが広がっている。最初は、大きいごみ焼却場の跡か何かと思っていた私。だって小学校の時の焼却炉こんな感じだったし…うっかり言わなくて良かった。そんな遺跡を大崎さんの強い希望で象に乗って散歩。象乗り場の前に、「写真3000円で撮りますよ」との勧誘…高い。ボッタクリにもほどがある。ここで、日本人としてなめられてはいけない!と私たちは、「自分でとるからいいです」と高らかに宣言。そして、「年賀状の写真にするから絶対撮ってよ」と激しく要求する大崎さん(大崎さんのお知り合いの方、来年の年賀状は象の写真ですよ)。象は意外と揺れが少なく乗り心地が良い。そんな中、お互いの写真を年賀状のために必死に撮り合う私たち。そんな強気な行動がかえって仇に。写った写真を見るとほとんどカメラを構えている写真…顔がカメラで隠れて映ってない。結局、業者さんの撮った写真をそそくさと購入。それはもう、私たち完敗。
バンコク市内観光
次はチャオプラヤ川をクルーズしながらアユタヤからバンコクへ。2階の個室からタイ料理を食べながら観光。バンコク市内でも王宮や寺院を入り口で降り、出口に車を待機してもらうという、わがまま観光。そんな中、寺院で数ある仏像の中から断食の仏像を目ざとく発見。「枕の下に写真を置いて寝たら痩せるかしら」とか「私はダイエットのお守りに」と嬉々として写真を取りまくる私たち。かなり罰当たりな感じ。
そして、水上マーケットへ。水上マーケットではチャオプラヤ川をボートで移動。思いの外、水しぶきが。事前に“川の水は汚いから口に入ると大変”という情報を聞きつけていた私たちは、ハンカチで口を塞いで完全防備。私たちってば完璧。でも、傍からみたら、さながらボート酔いで全員が気持ち悪くなってしまった残念な団体のようで…。
タイ料理
ところで、街を行くタイの方々はみんなスタイルが良い。このタイ七大不思議に(後の6つの不思議は知らないが)議論が白熱する私たち。「香辛料のせいで基礎代謝が高いからに違いない」と自信満々に語る大崎さん。行きつけのエステティシャンに「知識はすばらしいです、後は実践するだけですね」と言われたという武勇伝を持つ大崎さんの意見なだけに大いに賛同する私と宇野木さん。「そうか、タイ料理は太らないんだ!」と、またもや誤った結論に達した私たちはタイ料理をお腹一杯堪能。しかし、日本に帰って体重計に乗ったらびっくり。いくら香辛料で基礎代謝が上がったとしても食べ過ぎると太ります、タイで得た教訓の一つ。
一方、肝心なタイ料理の味はというと、タイ料理は辛いというだけのイメージだったが、実際食べてみると辛い、酸っぱい、甘いに、魚介類から出たと思われるダシの味が混然としていて複雑な味。また、トムヤムクンは、食べるお店によって味が全く違う。トムヤムクンは、色々なお店で食べてみると楽しいですよ。どのタイ料理も、とっても美味しかったのだが、食べ続けるとちょっと飽きるということが判明(飽きていた割にはたくさん食べていたという事実は内緒)。それは、多分味が濃いからではないかと…お粥まで味が濃かったのにはびっくりでした。
エステ&タイ古式マッサージ
タイ古式マッサージとは、「一種のタイのマッサージであり、ストレッチングおよびディープマッサージを含んでいる」(Wikipediaより)。簡単に言うと、人にやってもらう強烈なストレッチ。でも、そのストレッチはプロレスの技のようで。足で体を押さえつけながら手を引っ張られたり、気がついたら背中に乗られていたり。はては、キャメルクラッチ(プロレス技の一つ、プロレスに詳しくない方は画像検索してくださいませ)のように背中を伸ばされたりする。それはもう、ちょっとした拷問。たまに痛かったりもするけど、基本的には気持ちがよいのでおすすめです。
一方、エステはというと、タイの地元経営のお店は3時間で約1万円程度と割安。でも、残念ながら技術はいまひとつ(三人とも一致した意見でした)。でも、バーブを布で包んで温ためたボール状のものを体に押し付けながらマッサージをする“ハーバルボール”は匂いも良くおすすめです。
敬虔な仏教徒の国であるタイを旅行したにもかかわらず、相も変わらず物欲が抜けない私たち。今度は、三人で四国八十八ヶ所の巡礼にでも出かけたほうがいいかもと思いながら、家路に着く途中でデパ地下にてお惣菜とスイーツをしこたま買って帰る私たちなのでした。