五度目の近藤ゼミトリップ
−幹事役を感じさせない名幹事役=最高の幹事の気配り−

国際情報専攻 4期生・修了 長谷川 昌昭


はじめに
 軽井沢、鳴子、水戸、塩原そして今回の鳥取近藤ゼミの研修旅行は、参加者のゼミ生の良識と振る舞いは勿論、毎回の幹事役の方々の素晴らしい気配りと事前・事後のケアは、迅速的確で肌理細かい即応体制が成功の要諦と拝察します。そのプロ顔負けの技法の陰に、自己犠牲による語ることの少ない事前の調査・現地踏査と事後の対応を欠かさぬ秘訣が隠されていると確信します。衷心から感謝と敬意を表す次第です。

機窓に冴える初冠雪の霊峰富士2007.10.6
 決してお世辞ではなく心底そのように感じました。私の海外旅行の基本は、個人旅行です。国内での職域・各種研修・同好の士、地域での親善旅行等には、過去に皆様同様に何回も参加し、幹事役を仰せつかったり、自ら買って出たことの経験から割り出した結論です。矢張り皆さんは院生たる所以でしょうか。
 今回の近藤ゼミin鳥取は初秋の好天に恵まれ、初冠雪の霊峰富士を眼下に出立した鳥取は自然が呼吸する基盤整備の善い新旧織りなす風情のある発展への息吹を感じる山陰でした。

1 事前対応の善さ
 幹事役はゼミ生から自然発生的に研修旅行が発案され、構想の段階から参加者の総意を穏やかに見守り、時期を選んで幹事役に立候補している様子が窺え、その謙虚で全体の推移を見守るバランス感覚は見習う点が多々ありました。
 我田引水でなく、寧ろ控え目で、多角的に提案の地域をその地域的特性を把握した上での計画案を作成の上に提示、総意を踏まえてのコース選定を提案、参加者全員の要望と期待を満足させていることです。
実施段階で不満は出ず、満足感に浸れ、計画提示の時期から実施日までに多彩な得難いユースィフルな情報は現地集合の手段・格安情報の提報もあり、決定後も適時適切な事前情報の続報とお誘いのMailは心の籠もったものでした。

近藤ゼミin鳥取砂丘2007.10.6-7


2 道中の的確迅速な対処の素晴らしさ
 目的地は幹事役の方が地元でないケースもありました。
 しかしながら、事前の実地踏査や現地情報の収集に特段の注力の結果と思われ、計画は的確な情報に基き無駄や無理な日程は無く快適で癒し効果と親睦に加え、その余裕は道中に活発な意見交換を齎し、貴重な情報に接する場面を醸成していました。
 地域の著名なヒストリカルな処や景勝地・有名温泉のリーズィナブルな止宿先の選定から、宴会設営は地域特性を網羅し、コース設定も安全優先の無理や無駄の無い、大変に効率的に時間を有効に活かした費用対効果の面からも納得の出来る楽しく、事後に十分に役立つものばかりでした。
 以前 超一流料亭の女将が宴会幹事を採点した噺が印象深く残っています。
 それは宴席が宴酣の時期に、予定の酒・ビールが底を衝きそうな状況下の判断基準です。

最高幹事= 「女将 人数の倍のビールを会場の目立つ処に派手に並べろ、
但し、栓を抜く本数は幹事が指示する。栓を抜かずに残ったビールは引き取れ。」
善い幹事= 「女将 酒・ビールはここまでと伝えろ。」と女将にチップを渡す。
普通の幹事= 「女将 追加は少し待て。」と宴席を見渡し、追加は予備費の範囲内を厳守する。
居るだけの幹事= 「女将 気にするな。」と他のものと一緒に飲食し、予定を短縮、打切宣言。
不要な幹事= 「女将 この次もここを使うから、人数の1/4分のビールをサービスで出せ。」
この種の幹事は、再来の例は絶無、従ってサービスはしない。
とのことであったが参考になりましたか。
 訪れた場所の何れも、私は再訪の地でした。しかし、その後の観光開発や歴史的保存・整備の結果、新鮮に変革した姿、年に一度の行事やその地域独特の食物・伝統行事や催物に遭遇の機会を場面毎に挿入の旅程は、大変に有意義な設定で感服しています。
 道中の楽しかった事柄は、宴会後の語らいは研修効果を倍増させる効果がありました。
 修了生と修論提出直前の院生とのやり取りは、中間発表から卒業試験試問の対応の巧拙についての具体的な経験に基づいたものと新しい手法が入り混じって極めて学研的で、更に異分野の新たなビジネスチャンス挑戦への情報等は有用性に満ちており、私は、講義の教材としての新鮮な話題を多く仕入れることが出来、とても有用性に富んでいました。
 どうか再度の計画をお願いし、近藤ゼミの恒例の研修旅行を活発化させて、学びと癒しの研究で、地域振興の観光立国への一助にと願っています。
 当然に参加者の夫々の協力支援体制も十分に機能し、幹事役の意図と合致していることも日頃のゼミの研究活動の切磋琢磨からサイバーゼミやMail交換・スクリーング時のあの先生方の気配りのハッピーアワーでのコミユニケージョンが好影響しているものと信じます。

3 同行者への気配りの快適さ
(1) 幹事役の方々の歓待と厚遇
 軽井沢、鳴子、水戸、塩原そして今回の鳥取への近藤ゼミの幹事役は、勢川洋之さんでした。それ以前に小沢健司さん、加藤喜代恵さん、蒲生恵美さん、増子保志さん、吉澤智也さんそして坊農豊彦さんの肌理細かく行き届いた参加者の気持ちを忖度した気配りの快適さには、大変に学ぶ点が多く、ありがとう御座いました。
 事前の計画から、途中の有用情報の度重なる提供と実施面での気配りに満ちた即応の姿勢、事後の写真等の迅速な配信と何れも、その対応力は皆様方のこれまでの培われた対処姿勢の一端でしょうが、将にビジネスシーンでのPlan Do Assessmentの鑑のような満足感に満ちた達成感と充実感を享受致しました。そして参加者の自主的な忖度の気持ちを秘めた上での有用情報の開示は、再度参加の意欲を刺激するものでした。ありがとう御座いました。 特に幹事役からの以下のMailは嬉しかったものです。
『無事、二日間の行程を終え、安堵している次第です。  長谷川先輩は、中国庭園だったでしょうか、JR境港駅の駐車場からだったでしょうか。安田さんの「疲れないの?」という発言に「楽しいことをしているから疲れないんだよ。」とおっしゃいました。長谷川さんは、人生を前向きに、また、あらゆるものに好奇心を持って見ておられます。私も見習うべきことが多々あります。長谷川先輩のようにさまざまな方とネットワークが構築できるよう物怖じしないで望んでまいりたいと思います。』
 この励ましを糧に、一層の鑽仰の姿勢を堅持する覚悟を新たにする機会をいただきました。確かにご指摘のようにJR境港駅の駐車場での出来事を詳細・明確にご記憶とされていたことは達成感と生甲斐を感じ、”聞六話四”の精神が肝要だと肝に銘じました。
近藤ゼミの研修旅行の更なるメリットは、パソコン初学者の私は、直接に皆さんから新たにITのノウハウをご教示いただく機会であり、事後のコンタクトの容易性に繋がり、一層の紐帯の絆が強まることです。
幹事役の方々は、これまでの研究過程と人生経験から培われた人心掌握の一端をも示されたものと思います。得難いスキルをゼミ研修旅行という言わば、課外活動の場で習得させていただきました。今後の高齢化社会への突入や団塊世代の大量退職期を迎え、社会の要望は報酬よりも社会貢献度や生甲斐度に志向するボーダレスなグローバル化から、お仕着せ定番観光から、本ゼミ研修旅行のスタイルの大学院生の企画立案が大学院と地域の活性化と結びつく時期への過渡期が到来、このゼミ研修旅行は要望と対応が一致する精緻で有用性に富む次世代の観光のリーディングケースへのイベーションパターンとなると信じたいものです。

(2) 米空母司令官のホスピタリティ
 鳥取の近藤ゼミから帰って、先月はゴルフで同行者への素晴らしいホスピテリティを体験しました。それは米海軍大佐からゴルフ同行者への気配りを享受しました。
 銀座ゴルフの厚木米海軍基地のゴルフコンペに参加した際のことでした。朝・昼食事付き1ラウンドプレーフィー、パーティ費込み(\21.600.-)のゴルフコンペの公募がありました。
 場所は神奈川県の米軍厚木基地内のゴルフ場で、主催者は申込みの際に「英語は出来ますか、米国でのゴルフの経験は?」の質問がありました。
 「日常会話程度、7回経験あり。」と回答すると参加者137名の中から1番ホール・スタート組で、何と司令官と副司令官に私共夫妻の組合表が届きました。戦績は121/137位と131/137位でしたが、スコア以上に楽しく、同行者への気配りを沢山頂戴しました。
 その気配りの方々は、米海軍第5空母(キイティフォーク A)航空団司令官海軍大佐CAPT MIKE MCNELISと同副司令官CAPT MIKE WHITEです。司令官はマックと副司令官は「マイクと呼んで下さい。」と型どおりの自己紹介の交換の名刺は、お互いの名刺は日英両文印刷のもので、私は日本語で大佐と記載があったので、COLONELと呼んでしまった。
 スタート時間まで間があったので、Where is your Home State ?などの会話の中で、マックの出身州はフロリダ、マイクの出身州はコロラドでした。私共は、フロリダは2回、コロラドは4回の滞在経験を伝えるとスッカリ打ち解けた雰囲気に安堵しました。フロリダSeven Mile Bridgeは7回ドライブや昨年はキーウエスト5泊したことやデンバー郊外のRed Rock Theaterや米空軍大学公式表敬訪問等の夫々の故郷の名所の話題になりました。名刺を確認すると、名刺にはCAPTと記され、米国では、大佐のことは、海軍ではCaptと呼称され、提督のAn Admiral前の名誉ある階級であり、Colonelと呼んで失礼した旨、謝って訂正したところ、陸軍・空軍のCaptは大尉で3回階級も下の呼称で、本土でも軍関係者以外は、度々訂正はあると逆に良く階級制度を知っていると褒められて面映い思いもしました。
 プレーは米海軍の艦載機の離着陸訓練と海上自衛隊対潜哨戒機の爆音轟く滑走路の隣で、お互いの会話も途絶える程の環境でしたが、彼等は職業柄全く居に介しない模様でプレーに専念し、私共は当日4時起床、5時出発、7時到着8時プレーで集中力もそこそこでした。
 ブレー中に彼等はコースの案内・打球の行方を捜し、巧打にはNice Shot !・Good Job!!や家内のチッブインにはGreat !と賛辞を贈ってくれた気配りには感激しました。
 プレー終了後のパーティは将校クラブで彼等と共にメーンティブルに指定され、当然のことながら優勝表彰該当等位に入らず恥ずかしい思いもしました。遅い昼食と表彰式の宴は、私共のスコアを配慮してか、専ら米本土の故郷やご家族の話題で豊かな食事と楽しい話題で、その間に家内が席を出入りの都度、彼等は起立する紳士でした。
ホスピタリティなCapt Mc(USN)
米海軍大佐は傾斜地でのポーズ推奨
Atsugi GC #10 Hole 2007.10.17
 
 プレー中に写真を撮る際、背の高さが平均する傾斜面でのホジション設定には恐れ入りました。
 司令官は職務上、緊急事態には大勢のスタッフの士気を最高に保持・発揮し、装備資器材と要員を投入対処するために平素から訓練教育の運営の過程での指揮下のスタッフの掌握が危機管理の要諦と思います。平素は基地周辺対策も緊急事態での即応体制維持に深い関係があるところから基地周辺への平素の気配りは、施設管理からスタッフの公私に亘る管理監督と広範な対応に終始する、極めて多角的で超多忙な立場と推測しました。
 所謂 ノーブレス・オブリージとしての指揮官の矜持と人間的資質の陶冶をなし得ての地位にある方々の連携活動は、端から見ても心を一つに目的に向かう姿勢は、初対面の私共へも忖度と思い遣りのプレーに終始するスタンスは、最大の外交姿勢で、初秋の快晴の下でスコア以上のホスピタリティをいただいた。特にブラインドホールでは、打球の方向性を示し、途中の池やバンカーのハザードの距離感も教えられ、気配りゴルフに終始されて早朝早起きでも疲れず楽しくプレー出来感謝しています。
 戦前の在米駐日大使館付武官の山本五十六大佐(後に元帥)もブリッジでそうであったかと。

 
“やってみせ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば 人は動かじ” 山本五十六





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