日本行動分析学会 第25回大会 参加記

人間科学専攻 7期生・修了 大崎 千恵子

 平成19年8月4日(土)、5日(日)に立教大学新座キャンパスにおいて、日本行動分析学会が開催されました。私自身の大会への参加はこれで3回目となります。例年通り活気のある大会でありました。その内容を少しだけ御紹介しましょう。

【ポスター発表】
 2日間をかけて、障害児教育や就業支援などさまざまな領域において発表がされていました。眞邉ゼミからは、5期生の神山恵美さんが修士論文で研究された「生理的指標と喫煙本数の視覚化が高校生の喫煙に与える効果」というテーマで、1日目に発表されました。未成年者に関する指導については、学校で行われやすい罰的な意味合いの強い指導から、支援する視点での指導が重要であるとの結論です。禁煙に関する研究は多く行われていると思いますが、今回のように未成年者を対象に、しかも罰を用いないものは少ないですよね。神山さんのポスターの前にはひっきりなしに質問の方が訪れて、参加者の関心の高さを感じることができました。

 
 
 

 河嶋先生、眞邉先生方による研究をうかがう機会も得ました。テーマは、「ケープペンギンの行動は時間で制御されるか?−FIとVIの比較−」というもので、横浜八景島シーパラダイスのケープペンギンたちが対象です。河嶋先生から、商業用として訓練されているペンギンならではのエピソードをうかがうこともできました。


 ポスター会場では、人間科学専攻の修了生である諸先輩方とお会いすることができました。年に数回しかお会いする機会がない方たちの近況を知る機会にもなりましたし、何より皆さんが毎年、学会に足を運んで新しい知見を得ようとしているということに、私もパワーをもらえました。大学院で学んで得たものは、探究心をもつ先輩や仲間と出会えたという楽しさでもあります。

【研修会】
 学会に先立って8月3日(金)に公開研修会が開催され、神山さんと2人で参加してきました。「埼玉県における特別支援教育の行方 −学びのコミュニティはどこまで拡がるか−」と題して、立教大学の大石幸二先生が企画された研修会です。会場には学校関係の方が多いようで、はじめはやや気後れも致しましたが、内容は行動分析の手法による方法論で貫かれており、大いに勉強になりました。

【表彰式】
 学会では、行動分析学を応用した優れた実践の普及をされている方や団体に対して、「日本行動分析学会賞(実践賞)」を授与しています。特に今年度は、アニマルファンスィアーズクラブの代表である佐良直美さんが学会から表彰されたということをお伝えしたいと思います。佐良さんといえば、私たちの世代には懐かしく、歌手として一世を風靡した方です。いまやドッグトレーナーとして行動分析の手法(正の強化)によるトレーニングを実施している団体の代表で専任講師でもいらっしゃいます。今回はその功績を称えて、学会から表彰されました。眞邉ゼミの面々は、佐良さんにお会いできるのを楽しみにしていましたが、懇親会の事前申し込みをしていなかったために叶いませんでした。ザンネン。せめて、ということで、眞邉先生のお撮りになった表彰式でのベストショットを御紹介します。


 来年度の第26回大会は横浜の大学で開催予定とのこと。詳しくは、日本行動分析学会HP(http://www.j-aba.jp/)や、blog(http://blog.j-aba.jp/)をご覧くださいね。
 
     


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