2006年 日本基礎心理学会報告

                      人間科学専攻 6期生・修了 田畑きみ代 


  平成18年6月9日(金)・10日(土)の2日間、日本基礎心理学会が広島で開催されました。主催は広島大学、会場は広島国際大学国際教育センターに於いて、ポスター発表をはじめ、招待講演、シンポジウムなどが行われました。今回は日本大学大学院から眞邉ゼミ生の石津希代子さんが眞邉一近教授とポスター発表をされました。
  今年度の日本基礎心理学会の研究発表はポスター発表のみで、9日(金)および10日(土)の両日ともそれぞれ52のポスター発表がありました。ポスター発表では、発表者はポスターの前に立ち、決められた1時間内に、訪れた参加者への説明及び質疑応答を行います。会場では、熱気に溢れた会話があちこちから聞こえ、たくさんの人で埋め尽くされました。
 石津さんは、修士論文で研究された「利き耳と非利き耳の機能差および選択的注意」について9日に発表されました。ポスターは、発表時間前から掲示されますが、石津さんのポスターの前には発表者が立っていない時から多くの方に関心を持たれ、足を止めじっくりポスターを見ている人が印象的でした。発表が始まると、石津さんのポスターの前には、関心を持った方々が多く、人波が途切れることがありませんでした。
  

 ポスター発表以外では、9日に招待講演、10日の午前はシンポジウム1・午後シンポジウム2が行われました。

シンポジウム1 「心・行動・時間」
話題提供者 
  •  小野史典(広島大学)認知研究から:時間知覚に与える記憶の影響
  •  田山忠行(北海道大学)知覚研究から:運動パターンを見ている時の持続時間の知覚
  •  石井拓(慶應義塾大学)行動研究から:動物の計時行動研究の成果と課題

  • 指定討論者 松田文子(福山大学)
  •  企画   坂上貴之(慶應義塾大学)
  •  司会   坂田省吾(広島大学)

  •  以上のシンポジウムでは、3名の話題提供者からそれぞれの専門領域から見た「心・行動・時間」についての研究報告がなされました。
     自分が感じる時間の長さは様々な要因によって実際とは異なって知覚されることは知られていますが、本講演では、時間知覚に与える視覚的記憶に焦点が当てられ、時間の捉え方にも色々な角度から捉えられることに気付かされました。また、運動対象を見ている時の持続時間は、たとえそれが同じ持続時間であったとしても、いつも同じ長さに見えるとは限らないなど、普段自分が体験している身近な現象の要因を探っている研究に興味が持てました。動物の計時行動研究ではオペラント条件づけを用いた様々な実験手続きが紹介され、中でもコウロギを使用して計時理論と関連づけながらの紹介はインパクトが在り、非常に分かり易く引き込まれるものがありました。

     学会終了後は広島散策致しました。 路面電車・・色々な国から運ばれて来た車両は、まるで外国へ来たかの様に思えました。


     広島名物・・お好み焼き、つけ麺、あなご飯、どれもおいしかったです。
     宮島の厳島神社・・フェリーに乗って出掛けました。湖水が徐々に満ちて来て、神社が水面に浮かんでいる様相はとても幻想的で素敵でした。また、夕日が鳥居の間から光り、キラキラ水に揺れていた光景も素晴らしく、自然の雄大さを満喫しました。下に掲げる写真には、その時の光景が美しく描かれています。

     

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