「修論を終えて」

国際情報専攻 橋本 稔  

 これが最初で最後だろうか。これほどまでにキーボードを打ち続けたことは、いまだかつてない。打って変換、決定。打って変換、決定。少し考えてからまた打つ。しばらく考えてからBackspace。そしてまた打つ。2年間、この繰り返しであった。
「2年間で修了するためにも、1年次に必修科目、選択科目の5科目の単位修得をお勧め致します」との諸先輩からのアドバイスに従い、1年次には5科目の単位修得に努めた。しかし、限られた時間の中で、リポート課題に対する意味をしっかりと把握し、教材から回答を導き出す作業は、物凄く大変であった。途中、「何故こんなに選んでしまったのだろうか」と思いながら、キーボードを打つ手も徐々に遅くなりがちであった。
  2年次は、1年次に苦労していた科目履修から解放され、修士論文へ本格的に取り組みを始めた。修士論文は1年次からいろいろと考え、悩み、何度も何度も書き直しをしていた。資料の収集は主に図書館を活用し、出向きながら情報を収集していった。
  2年次の殆どが修士論文主筆の作業に費やすことが出来た。これも1年次当初の諸先輩からの「5科目単位修得」のアドバイスがあったからこそ出来たのだと思う。
 
  修士論文執筆の作業において、書式の箇条書き、目次や段落番号の設定、脚注などワープロの機能を最大限に生かした。論文を書く上で章や項目の付け方、引用や参考文献の書き方などのルールは事前に頭に叩き込んだ。幾らワープロといえども、操作する側がしっかりその辺について理解しなければ思うようには動いてくれない。このことについて、担当教授より送って頂いた「論文の注の表記について」は非常役に立った。
  修士論文執筆は、時には真夜中まで行っていた。時にはBEというピヤニストのような格好で、キーボードに手を置いたまま熟睡することもあった。11月から年末年始にかけての追い込みでは、熟睡する暇もなくキーボードを打った。その甲斐もあり提出期限内に提出することが出来た。
 
  この2年間を振り返り思うことは、「時間をもっと有効に使えたらよかったのかも知れない」ということである。しかし、限られた時期に、限られたことをやるという意味ではよくやった方ではないかと思う。
  この2年間を無駄にしないよう、今後に繋げていかなければならないと思う。
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