「インターネットによる情報検索入門」

国際情報専攻 5期生・修了 坊農 豊彦 

 


 

 研究を目的としたリポートや論文を執筆するさい、インターネットを利用すれば、知りたい情報を素早く得ることが可能になる。ただし、インターネット上にある情報発信サイトは膨大な数になるので、本当に自分が必要な情報を取得するは至難の業である。

  例えば、検索エンジンで有名なgoogle(http://www.google.co.jp/)で「アリストテレス」とキー入力すれば、約541,000件(2006/02/17アクセス)の関連サイトがヒットする。サイトを見ると書籍の販売、有識者による紹介や講評、大学の講義要綱など実に様々な内容が表示される。

   これほど膨大なサイトに埋もれているデータの中から本当に必要で正確な情報を取得するには、それなりの修練と鍛錬が必要になる。われわれが正確な情報を得るため、その情報発信サイトは誰がどんな目的で発信しているかを知っていれば、ある程度の内容の信憑性の有無が判断できる。

  情報発信サイトの運営者は政府機関、教育機関、営利企業、各種団体や個人など、それぞれが目的を持ち公開をしている。したがって、いま、閲覧しているサイトのトップページ(ページの片隅にボタンがあるはず)を見れば、そのサイトが、どのような運営者により公開されているか判断がつくはずである。

   もし、同じ統計データを公開しているサイトが複数閲覧でき、データの数値に差異があったとしても、そのサイトは政府や企業関係が運営しているのか、あるいは団体活動や個人趣味で運営しているのか、どのような根拠に基づいてデータ集計しているか等、自己で判断できれば、検索情報の的が次第に絞られてくるはずである。このように、さまざまな見地から情報発信サイトを閲覧して自分の力で正確な情報を判断する能力も研究に必要な知識になるであろう。


   ただし、実際、検索してみると、いくら知識があったとしても、なかなか目的に合った情報にヒットしない場合がある。一番手っ取り早く調べるには研究機関の検索サイトを利用する方法が便利である。しかし、研究機関の検索サイトは有料サイトが多い。そこで一例ではあるが、必要なキーワードである程度の概説を気楽に調べることができるサイト、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia, http://ja.wikipedia.org/wiki/)』を私はよく利用している。

  『ウィキペディア』の特徴は全世界の方々が書き込み参加できるコミュニケーションサイトである。私の場合は、自分の知りたいキーワードを入れ、その概要を知り、詳細は図書館で調査するという方法を取っている。フリー情報検索サイトは『ウィキペディア』以外に他にもあるので、インターネットによる情報検索を本格的にはじめる前に、まずは、ご自分で使いやすいサイトを見つけ、効率のよい情報検索方法を確立されたら如何でしょうか。

 

(注) 共に、アクセス日は2006/02/17。