青森 ―最北の地の旅を想う―

 

   人間科学専攻 6期生 柏田三千代

   

 私は第36回日本看護学会(成人看護U)に参加するため、721日・22日の両日、青森県青森市を訪れることになりました。これまで私は青森県を訪れたことが無かったため看護学会終了後、青森県を観光したくなり計画を立てました。青森市には720日〜24日までの45日でJR青森駅近辺のホテルを予約し、そこを拠点に学会に出席し、同時に本州最北の地の旅を楽しみました。

 720日大阪空港から飛行機で青森に向かいました。この日はJR青森付近を散策しました。JR青森駅に程近い青森港の前に「青森県観光物産館アスパム」という巨大なピラミッド形の建物があります。その施設には観光案内、物産販売、レストラン、展望台等があり、2階のロビーには「津軽三味線音色頒布会」が123回開催されています。津軽三味線の奏法には「叩き」と「弾き」があります。どちらの音色も迫力と哀愁があり、人の心を打たずにはおりません。窓から見える青森の海を眺めながらの津軽三味線の音色は、とても趣があります。私はこの場所が大変気に入り、青森に5日間滞在した内の4日間通いました。

 721日と22日は日本看護学会に参加しました。日本看護学会は、看護総合・看護管理・母性看護・小児看護・成人看護T・成人看護U・精神看護・老年看護・地域看護の9部門に分類されており、毎年全国各地で看護研究が発表されています。今回私は、慢性疾患看護の看護研究が発表される成人看護Uに参加しました。看護研究、教育講演、シンポジウムのいずれも面白い内容で大変勉強になりました。

 723日ここからが青森観光の始まりです。この日は奥入瀬渓流と十和田湖を訪れることにしました。JR青森駅から十和田湖までは、JRバス東北が「八甲田・十和田ゴールドライン」として、バスを定期運行しています。私は2日間乗り降りが自由なフリー切符を購入し、840分JR青森駅発の「みずうみ6号」に乗車しました。

 奥入瀬渓流は十和田湖から唯一流れ出ている川で、十和田湖の子ノ口から焼山までの14kmがとくに奥入瀬渓流と呼ばれています。渓流の中には大小さまざまな岩があり、その間をぬって川は、ある時は流れを速め、ある時は緩やかに森の中を流れていきます。その岩々には苔が覆っています。また渓流の左右にある絶壁からは幾種類のも滝が流れ落ちています。この景観は、より一層渓流美を引き立てています。奥入瀬渓流では川の流れに沿って遊歩道が作られています。遊歩道といっても森の中に草の生えていない細い一本道があるという感じです。私は奥入瀬渓流の雲井の滝から銚子大滝までの4.4kmを歩きました。30分に一度人とすれ違う程度だったので、緑に包まれた森の中に私一人だけがいるような気分でした。

 銚子大滝から再びバスに乗り込み十和田湖の休屋まで行きました。十和田湖は奥入瀬渓流の「動」の美しさとは対照的に「静」の美しさがあります。旅と自然を愛した明治の文人、大町桂月は、「住まば日の本 遊ばば十和田 歩きゃ奥入瀬三里半」、「山は富士山 湖は十和田 ひろい世界にひとつずつ」という歌を詠んでいます。私も大町桂月と同じく、奥入瀬の渓流美、十和田の湖水美に触れ、自然美を堪能することが出来ました。

 724日旅行最終日です。最終日はJR青森駅から電車に乗り、浅虫温泉に行きました。JR浅虫温泉駅周辺には数多くの旅館が立ち並んでいますが、旅館によっては日帰り入浴が可能です。私はJR浅虫温泉駅前にある展望温泉で日帰り入浴をしましたが、海を眺めながらの温泉はとても気持ちが良く、心が癒されました。

 まだまだ訪れたい場所があるため心残りでしたが、夕刻青森を立ち大阪に戻りました。

 今回は学会参加のために青森県を訪れ、学会終了後に青森県を観光しましたが、青森県には私が観光した場所以外にも、たくさんの観光名所があり文化もあります。是非、再び青森県を訪れ、今回観光出来なかった地を巡り、文化に触れてみたいと思いました。