20世紀は人間を幸福にしたのか?
IT研究会(日本国際情報学会・研究部会) 活動報告
国際情報専攻 6期生 増子保志
「20世紀は人間を幸福にしたのか?」。21世紀になっても一向に幸福に恵まれない私としては、この命題は非常に懐疑的なものである。何をもって幸福とするかという哲学的議論はさておいて、現実に20世紀の社会は人間を幸せにしたのだろうか? IT社会創造研究会では長井会長の発案で、現在月1回のペースで柳田邦男『20世紀は人間を幸福にしたのか?』(講談社、1998年)をテキストとしてセントラを使ったサイバーミーティングを行っている。毎回、発表者がテキストの中の興味ある章についてレジュメ・アジェンダを作成し、決められた時間内で発表、参加者がそれぞれ質問や意見を述べて議論を進める。まさにIT研究会という名前が示すように、インターネットの双方向性を有効に利用した最先端を行くサイバーミーティングである。限られた時間内での発表や発言は頭脳の活性化をもたらし、能動的な議論の場となり、ひいてはプレゼンテーションの練習の場にもなる。 参加者の面々は研究会の会員のみならず、各方面からのご参加を頂いている。 皆さん毎回、真剣勝負で望んでいるため、議論は常に熱を帯び、時には激しい「突っ込み」に辟易してしまう場面もある。しかし、ミーティング全体の空気は参加者の性格を反映してか議論の時とは違い「穏やか」であり「笑い」にも満ち溢れ、ついつい気分は「幸福」になる。 ちなみに現在までに「知の組みかえ」の時代(中村雄二郎)、「五つの終わり」のあとに(高坂正堯)能力主義からデモクラシーへ(伊藤光晴)が発表、議論されている。今後の方針としては、ミーティングでの議論をばねにネット上で共著の論文作成を目標に共同研究活動を行いたいと考えている。 テロや自然災害、教育問題や高齢化問題など21世紀に入り、益々「人間の幸福とは何か」が問われている。IT創造社会研究会では、サイバーミーティングを通じて、まず第1に自分の幸福を考えながらも自分自身の立脚点をしっかり見定めて、今後社会がどの様な方向性を辿るのか議論したいと考えている。
「参加する人を幸福」にしてしまうであろうIT創造研究会のサイバーミーティングに皆様のご参加をお待ちしております。 |
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