国際情報専攻   松村 達
 

      「 変化した情報媒体」

       

   


 140年近く前、西洋事情を報道することを目的に出版された「西洋雑誌」が日本における雑誌の始まりといわれている。その後、中央公論をはじめとする総合雑誌が代に出て120年近くが経過する。

総合雑誌には、提言、小説、ドキュメント、趣味、娯楽についての読み物が掲載され、幕の内弁当型雑誌といわれていた。また、日本の総合雑誌の歴史は、日本近代史そのものであると司馬遼太郎は語ったそうである。

それほどまでに価値が高い総合雑誌であったが、第二次大戦後、60年近く経つ現代における情報の量的増加は近代と現代を比較することすら無意味なものにしている。溢れかえるほど、書籍や雑誌は出版され、IT革命は情報のタイムラグさえなくしている。様々なメディアからあらゆる情報を入手可能な現代人にとって、総合雑誌は無用となりつつあるといえる。