国際情報専攻 増子 保志
「知識人不在の総合雑誌」
戦後の総合雑誌において論壇を形成してきたのが、司馬遼太郎や小林秀雄ら重厚な「知識人」達であった。 今日、メディアの現場が「知識人」に期待するのは、@メディア自身の主張に説得力を与えるための「補強材料」A読者の信頼性を高めるためにとりあえず掲載しておく「権威づけ」B「読み物」としての面白さCニュース性がある知識人本人についての「特ダネ」情報だという。[2]そう現在の「知識人」は“軽く”なくちゃだめなのだ。 サィードのいう「知識人」が見当たらない今日、“重厚”な「知識人」の論調を売り物にしてきた総合雑誌の前途は暗い。“軽い”知識人の“週刊誌に毛が生えたような総合雑誌”はいらない。
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