琉球弧の島々へ@
                     〜石垣島、宮古島〜

 

                           人間科学専攻2期生 ・修了  山根尚子

 
 琉球弧とは九州、台湾間の海域に浮かぶ弓なりの島々のこと…。その北部は薩南諸島、南部は琉球諸島。琉球諸島の北部分には沖縄諸島が位置し、南部分(宮古列島以南)には総称して先島諸島と呼ばれる島々が点在している。ダイビング目的で訪れるこれらの島々だが、、地元の料理が楽しみ。今回は先島諸島の中でいちばんの都会、石垣島と、さとうきび畑広がる宮古島のご案内を。
 

石垣島へ

 石垣空港はこじんまりと、島の中心地の南側からほど近い。北部には森が広がっていている。波のない海をカヤックで進み川の河口から上流に向かって進んでいくとマングローブが生い茂っている。泥のような川に住む生物、それらを狙って飛ぶ鳥、生態系が連鎖している。島の西側の川平湾にはマンタが回遊し、人気のダイビングスポットである。11月初旬、1回のダイブで16匹ものマンタを見ることができた。

 先島諸島には民話が豊富にあるようだ。時の琉球王朝が「島分け」「村分け」「道切り」して石垣島の住人を黒島に強制移住させた。引き裂かれた恋人たちの話もあるようだ。「道切りで黒島から石垣島に移住させられ、黒島の方向を向いたまま石になってしまった女性マーペーがあの岩。」という話を聞いた。

 石垣牛が有名である。鮮度もいいのでホルモン好きにはたまらない。

 もちろん沖縄料理もおいしい。同じ沖縄県とはいえはるか沖縄本島と離れているのにもかかわらず、ゴーヤチャンプルー、ラフテー、沖縄そば(三枚肉)、ソーキそば(骨付き)と同じものがあるのは不思議である。はずれにあたったことはない。どこの店のものもおいしい。

 滞在中に石垣島の祭りに居合わせた。大きな公園に櫓が組まれ、周りを素人団体が屋台を出している。島そばはソース焼きそばではなく、中華風。点心も売られており、酒の肴にはちょうどいい。屋台のメニューはすぐ近くの台湾の影響を受けているのだろう。

 石垣島でのおみやげ、黒糖、自然海塩、シークワーサージュース(シークワーサーはスダチのような柑橘系で、泡盛と合う。)、泡盛。それに、黒米入りかまぼこ(黒紫米のおにぎりを魚のすり身でくるんで揚げてある。)を購入。テレビや新聞で紹介されたこともあるとのこと。魚と主食のごはんをいっしょに食べられて、アイデア商品である。
石垣島祭りの屋台 離島桟橋上に上がる花火
イカ墨そば マーミヤー蒲鉾店の黒紫米のおにぎりかまぼこ

宮古島へ

 石垣島のイメージをしていたのだが、宮古島はずっと鄙びていている。石垣島に先島諸島の人口の80%が住むのだから、この島の人口は僅かということか。2003年9月の猛烈な台風は近代的な建物を壊していったらしい。そのせいか変に観光地化されている印象も受けなかった。

 宮古島は隆起サンゴ礁の島である。宮古島、伊良部島付近には海中に洞窟がたくさんあり地形を楽しむダイビングが可能である。ダイビング地の名称も楽しい。ガォー、天使の隠れ家、アントニオガウディ、L字アーチ、クロスホールなど。
 
 三角形をした宮古島南東の方角に位置する東平安名崎(ひがしへんなざき)の先端に進むと海がパノラマ状態に広がる。東が東シナ海、西が太平洋であり、東シナ海は優しく、太平洋は荒々しい恐い印象だ。宮古島の北には池間島があり、1425mの池間大橋で結ばれている。エメラルドグリーンの美しい海の上を走ることができる。伊良部島の西側には下地島。そこでは日本の航空会社のパイロットの練習基地があり、タッチアンドゴーが見られる。

 宮古島でも沖縄料理を堪能。宮古そば、ゴーヤチャンプルー、ラフテー、刺身の舟盛り。港そばのオープンエアのしゃれたバーベキューもナンプラー、唐辛子の味付けでしゃれていた。都会からこの島が好きになって移住してきた人のお店だろう。若いカナダ人が手伝っていた。
 
ゴーヤチャンプルー ラフテーサラダ添え 舟盛り刺身。初めて食べる貝がいくつかありました。
バーベキューのお店にてチキングリルとサイコロビーフステーキ(暗くてよく見えなかった。撮った写真で確認。) 宮古島の雲。
  
東平安名崎から、姿のない本土を望む。 灯台。
 
宮古島最北端の食事処「すむばり」のすむばりそば。海鮮風沖縄そば。   タコ丼は、タコのカツ丼版。タコが柔らかい。 沖縄そば

いつかは長期滞在したい島々、ゆっくりと沖縄島時間を味わうために。