人間科学専攻 岩崎 笑子

 

        「失敗を糧に前進を」

 

   


 私の研究テーマは、最終的に「個店舗薬局におけるちらしの売上効果」となりました。研究論文題目の提出が
630日で、このテーマに決めたのが5月に入ってからでしたので、約2ヶ月間、本当にこのテーマで大丈夫だろうか?実験では、ちゃんと有効な結果がでるのだろうか?失敗したら、さらにもう1年やらなくてはならないのだろうか?と不安いっぱいの、予備実験を行う余裕のない、ほとんど一発勝負の研究になってしまいました。

それというのも、入学前に目標としたテーマは職場の異動で研究を断念せざるを得ず、修士1年目は、研究テーマ探しより初めて触れる心理学という学問にてんやわんやで、また年に2回あるレポート課題に悪戦苦闘する毎日でした。今考えると、その時々に時間が全く無かったわけではなく、時間の使い方が非効率的で、自身の要領の悪さが足を引っ張っていただけのような気がしますが。

 こんなことで、私の修士2年目はほんとうにプレッシャーとの戦いと、そして実験対象となる薬局の先生への根回し、コミュニケーションに追われた1年でした。実験結果は、ちらしによる売上効果があったと明確に断言できるデータを揃えられなかったため、つまり、ちらし以外の関与変数を排除できなかったために失敗に終わりました。反省点は、過去の事例研究がおろそかになったために、予測できた失敗を回避できなかったことにつきると思います。また、本実験の前に、問題点の修正をかけるための予備実験が必要であり、そのための段取りや時間に余裕がなかったことが手痛い失敗要因でした。

 ただ、自身の職務における疑問や改善策についての検討を行うための取り組みが社会人大学院における研究趣旨であるとすれば、私の今回の実験は不成功に終わったものの、実験を通し、職務の中での新たな発見と今後の課題が見えてきたことは大きな収穫であったと思います。そして今回の失敗を糧に、次はもっと発展した結果が得られるよう下準備にかかりたいと思っています。

 最後に、研究及び修士論文、レポート提出では、疲れ切って何度もあきらめかけました。辛抱強くお付き合い頂きました先生方に、そしてゼミの仲間に感謝でいっぱいです。

また、新たに自身の研究テーマに挑戦する方達にこの私の失敗例が参考になれば幸いです。