イタリアプーリア州とローマ

 

                                                                         人間科学専攻 2期生・修了  山根 尚子

       

 日本人の人気の旅行先イタリアに行きました。今回は藤沢のイタリア料理店の企画ものでした。偶然この旅行を知り、むむむ、何かおもしろそう・・・。というのは7日間の旅のうち、前半イタリア南部プーリア州ファッザードという町のマッセリア(農場民宿)に泊まって料理研修、後半ローマに移動して観光・ショッピングを楽しむというものだったからです。シェフ曰く、プーリア州は魚料理がおいしく、北部よりも興味を惹いた、とのこと。私も魚料理のほうが断然好きです。

 

農場民宿のエントランスです。

 

夏だったら入れたプールです。

     <前半部>バーリ空港からファッザード――お食べ地獄へ――

 イタリアではアグリツーリズモといって、農場民宿に泊まるのがブームになっています。民宿といっても雰囲気のある石造りの家に泊まっておいしい食事、おもてなしを受けます。今回はその民宿でイタリアのマンマ直伝のお料理を習いました。
到着の翌日別の農場民宿にランチを食べに行きました。オーナーに手入れの行き届いた農園、お屋敷を案内していただきました。それから食事タイムです。13皿運ばれるとのことに期待と同時に恐怖…。もちろん13皿どれもこれも抜群においしいのですが、我慢比べのように食べ続け”お食べ地獄”と笑い飛ばすしかありませんでした。1時半に始まったランチ、4時を回って終了しました。

 

女王様のトマト。食料庫に半年保存していても大丈夫。

 

レストランの入り口はこんなかわいい飾り付け。

 

 

サボイキャベツフランとアップルオリーブ

かぼちゃとズッキーニ入り大麦リゾット

干し鱈とポテトのマッシュとフェンネル焼

野菜の自家製パスタ

 

きのこのマカロニ

ポテト添えラム

フレッシュフルーツサラダ

オレンジとチョコが出会った時

 

 

 帰り道アルベロッベロという世界遺産にも登録されたトンガリ屋根の住居を見て回りました。おもちゃのような外観です。

 翌日はモノポリという海に面した町の青空市場を見学、その後アドリア海の崖に造られているレストランでランチです。

食事前に、海水で侵食した後隆起した洞穴で軽くシャンペンとおつまみをいただきました。

ブルスケッタ

タコのトマトパスタオレキエッテ

 

 

鯛です。

隣の鯛を1人分のプレートに。

ムール貝のリゾット

フルーツシロップ漬け

 

 夕食はやっとお待ちかねの調理実習です。プーリア州独特のパスタ料理オレキエッテ(耳たぶという意味)とパンツァロッティ、茄子とパルミジャーノの重ね焼きに挑戦です。オレキエッテはセモリナ粉と水をこねて粘土細工をするように細い紐を作り2cmほどに切り、ナイフをへらの如く操り貝殻のような形にします。それをブロッコリーと茹でて、フライパンでプチトマトを崩しながら炒めた中に先ほど茹でたものを加えます。パンツァロッティはパン生地の中にモッツァレラとトマトソースを餃子のようにしてくるみ、揚げたものです。もちろん中のモッツァレラはとろとろに溶けていてオイシイ。とにかくマンマの作った料理は信じられないほどのおいしさでした…。

 翌日も朝食後、調理です。キッターラという四角い枠に針金が数十本平行に釘打ちされている上にパスタの素を置いてのしてその針金を通ったものがキッターラという麺になります。麺を茹でたら、かなり煮込んだトマトソースで和えます。もう一つ、ムール貝のリゾットを作ります。こちらはズッキーニ、玉ねぎ、トマト、ジャガイモなどの野菜をたっぷり入れます。プーリアはおいしい野菜の産地で、野菜好きの私にはうれしいばかりです。3品目はフォッカッチャというピザの生地で作ったパンです。モッツレラチーズ工場を見学に行った時にもフォッカッチャを作っていてイタリアでは定番中の定番です。もちもちっとしているのはドゥにマッシュポテトを入れているからです。イタリアのマンマの家庭料理ってなんておいしいのでしょう。この民宿の厨房で仕事人のコックが全く同じものを作るとなぜか数段味が落ちているのです。

ムール貝と野菜のリゾット

 

ギッターラでパスタを作ります。

イタリアのパン”フォッカッチャ”

            <後半部>ローマへ――観光――


 ローマそのものが遺跡です。有名なスペイン広場(『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーンがアイスクリームを食べた階段のところ)、トレヴィの泉(後ろ向きにコインを投げると、またローマに戻れる、2度投げると好きな人といっしょになれる、3度投げると離婚できるのだとか。)コロッセオ。町を散策しているといきなり古代の建物が現れてびっくりすることもしばしばでした。パンテオン(大き過ぎてカメラに入りきらないほど)、ファルネーゼ宮(現在フランス大使館に使用されている)…。

 ヴァチカン美術館は雨の中朝8時過ぎに入り口に並び開館をしばし待ちました。システィーナ礼拝堂のミケランジェロ『最後の審判』と天井、壁に繰り広げられるキリストの物語。天地創造、大洪水。見ごたえありました。美術館の隣にはサンピエトロ寺院が位置します。10月19日に故マザー・テレサの列福ミサがあり30万人もの人が集まったとのことで、ローマの人口は一時期膨れ上がっていたようです。この日(22日)もミサが行われているらしく寺院前の大画面には中の様子が映し出されていました。そのため一般観光客は中に入ることは叶いませんでした。

ヴァチカン博物館内からサンピエトロ寺院が見えました。

 

スペイン広場。ローマの休日でオードリー・ヘップバーンがアイスクリームを食べていました。早朝7時半のため無人なのでパシャリ。

 イタリアは歴史があって文化があって、成熟しています。だから大人が似合う。そして日本人に優しいのもうれしいところです。誰にでも優しいの?毎日が幸せだったら誰にでも優しくなるのかもしれません。そう、イタリア人って「妬む」という負の感情 をもともと持ち合わせてない人々のような気がします。