近代日本における総合雑誌は、知識社会や世論に大きな影響を与え続けてきた。ひとつの言動が、人々を動かし、国を動かすということも少なくなかった。しかし、時代の流れとともにかつての影響力が失われていると言われる。
たしかに、テレビやインターネットをはじめとするメディアが発達し、個人が容易に世界中の出来事を知ることができるようになった。だが、果たしてその情報の確度は100%だろうか。内容を分析し、その位置づけを確認し、正確な情報を入手することが重要である。
情報には文化的・歴史的背景があり、その本質をつかむには、情報を入手し歴史の流れの一環として把握するという知的作業と教養が必要である。このためには、総合雑誌による批評的・歴史的検証が必要となってくる。
あらためて総合雑誌のもつ、知的・文化的批評性を見直すべきである。
|