「月刊総合雑誌は有用か無用か」つまり「月刊総合雑誌の社会的な役割は終わったか」との問いの答えは「有用」であり「今もその役割がある」と言える。

　確かに現在では、月刊総合雑誌だけでなく新聞、テレビ、週刊誌、専門誌、インターネットといったメディアは豊富にある。「月刊」「総合」という特徴でこれらのメディアより不利な部分が多い。「月刊」はスピードに欠け、「総合」は分化した現代社会で受け入れられ難くなっている。単なる情報や意見の提供という役割は終わった。

　しかしこの特徴が月刊総合雑誌の独自性を作り、これを必要とする根拠になる。１ヶ月間は問題を深く分析するために必要な時間である。また専門に偏重した現代では学際といった総合性を再確認し、新しい視点を身につける必要がある。この意味で月刊総合雑誌は有用である。深く広く知識を社会に提供する独自性はこれからも役割を果たしてゆく。