3月8日(土)福島駅からつばさ107号に乗り、11:49に米沢駅に到着した。福島市にはなかった雪が県境の板谷峠の手前から雪景色となり、米沢市内の道路にも積もっていた。春先特有の重く湿った雪である。米沢市は人口9万人余りの地方都市で上杉氏の城下町として知られているが、福島県の喜多方や白河などと共にラーメンで一躍有名になった都市でもある。
福島県の県北地区(福島市周辺)と山形県の置賜地区(米沢市周辺)の高校は、一年毎に交互に行ったり来たりして、卓球の合同強化大会を開催しており、卓球部顧問の私にとっては身近な存在でもある。米沢駅から徒歩で市内に向かい、昼食に「新富」というところで蕎麦をいただいた。山形は蕎麦も有名であるが、米沢の蕎麦はつなぎの少ない硬めではあるが非常においしい蕎麦であった。腹ごしらえをしたあと、いよいよ歴史研究会の会員として初参加となる「公開教養講座」の会場へ向かった。以下にその概要を記しておきます。
期日:平成15年3月8日(土)
場所:山形県米沢市置賜総合文化センター 203研修室
13:00 ご挨拶 近藤大博教授
13:15 対談『上杉景勝と直江兼続』 小野栄氏・星亮一氏
15:30 講演『自分を磨く勉強術―インターネットで社会人修士』
五十嵐雅郎教授
主催:日本大学大学院総合社会情報研究科 歴史研究会
共催:日本大学大学院総合社会情報研究科 時事問題を語る会
後援:日本大学通信教育部校友会山形支部、山形新聞、山形放送、米沢新聞社
協力:市立米沢図書館、遠藤書店、米沢商工会議所 (50音順)
情野さんの報告にもありましたが、対談形式の星亮一氏と地元歴史家の小野栄氏の話は二部構成で、前半の両氏による意見交換の後、後半では聴講者を交えての質疑応答や意見交換が行われました。小野栄氏は長く米沢市史の編纂に携わってこられましたが、その小野氏の息のかかった米沢古文書研究会のメンバーの方たちが会を盛り上げようと、各自の研究成果に基づいて熱弁を振るっておられたのが印象的でした。米沢藩三十万石は後に十五万石に減封となりますが、三十万石の時代は出羽国置賜郡(米沢市周辺)だけでなく、陸奥国信夫郡(福島市)および伊達郡(福島県伊達郡)もその支配下にありました。高校生の県境を挟んでの卓球による交流も、そのあたりに起因するのかもしれません。第2部では五十嵐雅郎先生から、日本大学通信制大学院のHPの利用の仕方、専攻やゼミの選択の仕方など研究科の紹介と昨今の通信制大学院の状況などについてお話いただきました。降りしきる雪の中、約50名の参加者の方が熱心にお話を伺いました。この公開教養講座には、ケーブルテレビ、山形新聞、米沢新聞から取材に来ていただき、翌日の新聞等で報道されました。
教養講座終了後、米沢集会参加者一行は旅館の送迎バスで、一路小野川温泉「春木屋」へ向かいました。参加者は近藤大博教授、五十嵐雅郎教授の両先生。歴史研究会会長・国際情報二期生(修了)情野瑞穂さん、時事問題を語る会会長・国際情報二期生(修了)村上恒夫さん、国際情報二期生(修了)で作家の星亮一さん、国際情報一期生(修了)で愛知県豊川市から参加の榊原厚子さん、人間科学一期生(修了)で福島市しかも私と元同業の大槻秀夫さん、国際情報三期生(修了)で郡山市在住の高木裕之さん、人間科学四期生で郡山市の薄井英行さん、星さんとご同業で福島市在住の佐久間哲さんに私を含めた計11名でした。小野川温泉は米沢市内からバスで20分ほどのところにあり、米沢藩の奥座敷だったところで市内よりも雪の深いところでした。小野小町が掘り当てた湯として知られていますが、「斧川」という文字も当てるようです。東北には「小野小町ゆかりの地」が多く見られ、秋田県雄勝町や福島県小野町などは特に有名です。蛇足ながら福島県小野町には、「リカちゃん人形」で知られている「リカちゃんキャッスル」という工場を併設した観光スポットがあります。夕食には米沢牛、鯉の煮付け、豆もやしなどをいただき、頂戴した地酒も賞味させていただきました。部屋に戻ってからの二次会でも、お二人の先生を交えて先輩方、そして専攻の枠を超えて有意義な交流ができましたことに大変満足感を味わいました。
翌日の9日(日)は天候に恵まれ観光日和となりました。旅館のバスで「上杉家墓所」へ向かいましたが、到着するとそこには国際情報一期生(修了)の鈴木佳徳さんが山形市から駆けつけて出迎えて下さいました。その後タクシーで「伝国の杜」へ移動し、上杉博物館を見学しました。上杉博物館では−国宝「上杉家文書」の世界−という企画展が開催中で、時間を忘れて見入っていた私は情野さんに迎えにこられるという始末でした。地元在住で文化情報四期生の岩淵恵さんのご案内で上杉神社を見学し、近くの「上花輪」で米沢ラーメンをいただきました。なお、この他にもラーメンのおいしい店はたくさんあります。参考までに、私は「熊文」のラーメンが好きです。皆さんも機会がありましたら、是非ご賞味ください。最後になりましたが、地元米沢の岩淵さん、山形市から駆けつけてくださった鈴木さんには、大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
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