『実行委員の私がやったこと。そして、これからできること』
 

 

                                    国際情報専攻2期生・修了   情野 瑞穂



 何から、そしてどこまで書こう。まったくもって分からない。大学院祭の一実行委員として、とにかくいろんな思いと事が詰まった数ヶ月でした。まずは、この大学院祭に関わったすべての方々に、心から厚くお礼を申し上げます。幾度でも申し上げたいと思います。

 大学院祭というものは、関西大学ほか今までに数例しかないようで、もちろんサイバー大学院では初めての試みかと思います。ところで本院生の皆さんは、社会人でありながら修士課程を進むことができる環境のうち、なぜ、この日本大学を選択されたのでしょうか?そして実際に院生生活を経験し、どのようなことを感じ、行動されてきたでしょうか。

 今年4月の開講式、P在幸安総長・研究科長のご挨拶の中で、ほかのサイバー大学院での卒業率が3割程度という中、私たちは各期とも7、8割を誇っている、という数字が紹介されました。課程修了や論文の評価など、各校の基準に相違があるとしても、この差はあまりに歴然です。それはなぜだろう、私なりに考えたところ、行き着いたところは、先生方の熱意とそれに応える院生の行動、それを支える大学側の姿勢でした。今回のイベントは、正しくその顕著な例ではないでしょうか。

 研究科が設立して5年目にあたる平成15年度に、何か記念となるイベントをしようではないかとの発言が、或る1人の院生から上がりました。そしてそこから急速に輪が広がり、このような形となりました。そこには、例えば精神的にも物理的にも歩み寄って研究指導を下さる、文字通り"有り難い"熱意を先生方から受けてきたからこそ、院生も自分に更なる"自主性"を持たせようとしてきた、そのような背景があったような気がします。

 私が7人の実行委員のうちの1人として、今回やったこと。それに対して悔いはほとんどありません。準備作業が急に進展したのは、実行委員4名の学位論文提出が終わってからでした。それから3、4ヵ月ほど、フルタイムの職務をこなしながら、本当に気が触れたかのようにやってきました。恐らく1日平均7、8時間はこのためだけに費やしてきたと思います。雀の囀りを聞きながら眠りについた日、一睡もしないまま出勤した日も多々ありました。

 無駄に励んできたものでもないと自負しています。やっておきたかったことを数多く残したまま当日を迎えてしまいましたが、それでも時間も人手も乏しい中、効力のあるところから、不可欠なところから、プライオリティのつけ方にさほどの誤りなくやってきたように思います。

 大学院祭が終了して、「このイベントは成功だったのかどうか」という自問が頭に中に浮かびました。そしてその直後、私はそれを消しました。一体"成功"とは何のことをいうのか、もっといえば、いわゆる"成功"をする必要があるのだろうか。そう思ったのです。正直なところ、もっと多くの方にご来場、ご聴講いただきたかった、もっと多くの院生に「お手伝いしましょう」と声を寄せてほしかった、そういう思いはあります。しかし、"自"以外のものに何かを求めるような願いはするものではないと平素感じていますし、何より、悲しむほどそれらが少ないものでは決してありませんでした。

 そして"数"を考えている自分を意識したとき、そうしたくだらない欧米的価値に毒されている自分を一笑しました。お手伝いくださった方の中には、わざわざ遠方より泊まりで来てくださった方、ほとんど聴講せずに両日とも時間を割いてくださった方も少なくなく、心が震えました。多くの発表を聴講することは叶いませんでしたが、いくつかの場で、真剣に話に聞き入っている姿、メモをとりながら頷いている姿を多く目にし、少なくとも、その場にいた人たちにはとても大きなものになったのだと、小さな感動を覚えました。私の大学時代の友人などは、帰路早速、関連書籍を購入したと報告くれました。

 準備期間が少なかったのでは?量的にも不足だったのでは?ほかにやり方があったのでは?時期が間違っていたのでは?院生が足を運ぼうと思うものではなかったのでは?いろいろな疑問があるかもしれません。しかし、スタート時点で私やほかの実行委員が持てたものを考えると、それらは、今後の"何か"のために考えるべきことで、今回のイベントに対して反省するものではない、と思っています。大体、「反省の多い人間はうまくゆかない」というのが私の考えです。

 社会人でありながら勉学に勤しみ、その上、こうしたイベントを実行させていく、というのはかなりのエネルギーを要します。ところが、今回のみならず数々のイベントを支えているのは、ほんの一握りの院生たちです。そこにどうしても無理があります。しかし今回、多くの方にお手伝いいただきました。その輪が今後の"何か"につながっていくことを願ってやみません。できるなら現役院生が元気な方がよく、5期生へと拡がっていったら、などと思っています。どういう大学なのか、どう勉学を進めていったらいいのか、5期生にとって諸先生・先輩との交流の場になるように、との願いから、大学院祭をこの時期に選択したものでもありました。そのように活用された面は少なかったと思いますが、それでも参加してくださった5期生の方々からの作用を念じています。

 今回の大学院祭での私たち皆の働きかけに呼応くださり、諸先生方から多くのご協力を賜りました。また、「今後このような機会があったときにすぐに対処できるよう、態勢を整えるための申し入れをしていく予定です」とのお言葉を研究科から頂戴しました。院生、先生、大学の意識や行動が畳み掛けるように積み重なっていくこと、それが継続される限り、私は卒業したこの場所をずっと愛していくだろうと思っています。