大学院祭の興奮

 

 

                                     国際情報専攻3期・修了 木村栄宏


 「知的好奇心の満足と、更なる知的興奮を求めての絶ゆなき渇望」、それが、私にとっての日本大学大学院総合社会情報研究科の大学院祭の印象である。

 当大学院は、日本における通信制大学院のトップランナーであるが、それは、時空を超えた通信制でありながら、実にリアルが一体となってパワーアップした、極めて優れた存在である。通信制大学院でありながら、実際はサイバーだけでなく、実に頻繁なゼミや合宿、様々なサークル活動がリアルに行われ、教職員と学生、学生同士の結びつきは、通学制に劣らない、いや通学制以上の強く緊密なものだと感じている。その絆のひとつの表れが、この大学院際だ。通信制の場合は、スクーリングはあっても、なかなか大学院祭という発想は結びつかないのではないだろうか?ところが日大の通信制大学院ではあっという間にそれを成功させた。私は今回、個人発表に参加させていただいたが、大学院祭開催にあたっては、実行委員の方々には本当に大変な知恵と愛情と労力をかけていただき、月並みな表現になってしまうが、感謝に絶えない。また、大学院祭を支えていただいた先生方、職員の方々に対しても全く同じである。

 当大学院の特徴は、実年齢は老若男女、極めて広範囲にわたっていても、実に若々しい活力溢れた仲間たちばかりだということだろう。大学院自体も5周年と大変若く、学生も修了生も、その飽くなき知的好奇心はますますパワーアップして燃え盛る。

 実際、修士課程を修了しても、引き続きゼミにも参加、合宿にも参加、懇親会にも参加している修了生は限りない。しかも、今年度から、日本で初の通信制博士課程をも設置された。当大学院は、毎年毎年進化している、その姿を同時並行で目の当たりに経験できる幸せは、この上ない喜びだ。

 当大学院のことを語ろうとすると、嬉々として自然に筆が動いてくる。この前もゼミに行こうとした際には、妻から「あれ、もう修士取ったからゼミに行くのは終わったんじゃないの?」と思わず聞かれてしまった。実際は、所用によりゼミに到着したのはゼミ終了の寸前になってしまい、ゼミに参加というよりは、その後の飲み会に参加しに行った、というのが実態に近かったが・・・・。通信制はどうしても自分との孤独な戦いという意味合いが出てくるが、だからこそリアルの出会いの重みが倍加されているのだと思う。ゼミの仲間も全国各地から駆けつけて、ひと時の時間を共有する。

 今回の大学院祭では、自分の知らない他の学問や研究の分野を、実際に講演や個人発表などを通して実感し、知的好奇心の満足と更なる渇望を感じた。私は国際情報専攻であり、経営・経済学的側面が研究対象になっているが、イギリス文学にも憧れを感じたこともあるし、心理学に没頭したこともある。昭和生まれとして昭和史にも大いなる関心があるし、漫画文化だって大好きだ。大学院祭には、あらゆる研究テーマが溢れていた。総合社会情報研究科、まさに「総合」の名のとおり、知的好奇心を刺激しつづける。今回、冗談ではなく、当大学院の3つの専攻にすべて参加し、マスターする(まさにマスターを取るという意味も兼ねている)ことができたらどんなに楽しいか、と感じた。近い将来、きっとそんな仲間が出てくるのではないか、と私は確信に近く、今、そう思っている。