社会人大学院生の2年間


                                                      

                              人間科学専攻3期生  宮下 明大

プロフィール 

京都在住。
私立大学の事務職として
勤務。アドミッションズオ
フィス(入試事務局)で入
試企画、学生募集や合
否判定の仕事などを担当。
進学相談などで高校生と
コミュニケーションすること
が元気の秘訣。

              
1.大学院との出会い

 大学が社会的に注目を浴びるようになって久しい。国立大学の独立行政法人化、ロースクールなどの専門職大学院の構想、はたまた、大学生の事件事故や入試問題のミスまで、高等教育機関に関連した記事が新聞紙上を賑わせている。そして、我々自身もキャリア形成を考えるなかで、「学びたい欲求」に駆られて大学院の存在を意識し、再び“古くて新しい扉”をたたく。
私が、修士論文を書こうと思ったきっかけも、仕事の中で経験的に感じ、蓄積していたことを一度きちんと理論化したい、まとめたいとの気持ちからである。15歳、18歳、22歳とその時々にサボりつづけていた私が、35歳を越えて初めて“学びたい”と思ったのである。

2.修士論文が書きあがるまで

 修士論文のテーマを仕事と直結した課題に設定したため、業務上の資源を有効活用できた。また、大学に勤めていることを最大限生かして図書館を利用し、統計処理は知り合いの心理学専攻の学生に応援を求めた。しかしながら、日常の忙しさのため、何度も挫折しそうになり、その度に、“学費の重み”と“学びの動機”を自分自身で確認しながら最後までつづけることができた。専門科目の履修は、興味ある科目に絞ったが、修士レベルの学び方、考え方、書き方などのスキルが身につき、論文作成に役立てることができた。

3.今、思うこと

 京都の私立大学に勤務する私が、日本大学の通信制大学院に入学し、学生相談を専門分野とされる嘉部先生の指導で新しい刺激を受けた。ゼミで共に学ぶ仲間は、全国各地の高校や大学の教員、カウンセラーなど、非常に恵まれた環境で学生生活を送ることができた。そしてなにより、この2年間の学びを通じて、自分の価値観や目標などが再確認できた。何が一番大切なものであるかをよく考え、正しいと思ったことを実行する。この毎日の積み重ねを糧として、これから新しい分野に挑戦していきたい。

以上