研究課題を変更して大正解                                                  

                              

                                  国際情報専攻3期生 森野滋

                   
                       
 入学志願書の研究課題は「日本の製造業と東アジア経済圏」でした。ところが途中で変更し、「少子化社会が男女共同参画社会を実現する」になってしまいました。この2年間大変充実した日々を送る事ができました。振り返って見ると、自分自身色々エンジョイした2年間でもありました。私の独善的な意見を交えてこの2年間を振り返って見たいと思います。

1、 修士論文の土台は一年次のレポート書き

 オリエンテーションの際、先生が話された言葉は印象的でした。「大学は知識を得る所、大学院は自分の考えを持つ所」これは大きな衝撃です。自分の考えがまとまっていれば良いのです。もう正解探しをする必要がないと思うと気が楽になります。レポート提出は、課題に沿って書くだけではなく、なるだけ自分の考えを織り込んで書くように心掛けました。あるレポートでは悪乗りしすぎて、「基本教材を読んだこん跡が何もない」と厳しい指摘を受けてしまいました。土日祭日しか時間が取れません。2日間でとにかく本を読み、翌週帰宅して犬の散歩をしながら、知識を消化し構成を考える。次の休みの日に一気に書いてしまう。今考えれば、これが修士論文を書くのに大変役立ちました。基本教材を使って自分の考えをどのようにまとめるかと言う訓練になったからです。

2、大学はサービス業、授業料分だけ楽しもう!

 自分で稼いだお金を使って勉強するのだから、役に立つ論文にしたいと思っておりました。ところがここ数年中国の経済発展が目覚しく、製造業と関わりのある仕事をしている私には、大変な逆風です。「高いお金を払ってまで、暗い未来を研究したくない。」と考え、わが社の組織改革・組織活性化を研究課題にしました。決心したのが、4月中旬です。

 価値観と動機付けは、論文にするのが難しい、泥沼に入る。このタブーに敢えて挑戦する事にしました。何も学会に新しい学説を発表するでなし、非難を浴びても怖くない。自分の考えを持つのが大学院です。書く内容は、頭の中にある。これをどう演出しようか、説得性と納得性これが社会科学と考えました。「まえがき」「あとがき」を先に書き、主な内容を5月中に書き上げました。約6000文字になりました。完成までのスケジュールは、お盆休み中に二年次のレポート、2科目合計8本を書き上げ封印してしまう。お盆過ぎから月末までの2週間で、目次を作成、資料をかき集める。その目次の中に鍵となる文章を入れ更に細分化しました。本文は9月から書き始める。5月から8月までの4ヵ月、愛犬と夜空の星を眺めながら、内容と構成を色々考えていました。9月からは、次の休日はこんな事を書こうと考えていました。散歩の時間が長くなりました。

3、 隙間分野が成功した

 研究課題を変更する場合は、身近な隙間分野が良いと思います。理由は簡単、参考文献が少ない事です。それだけ自分の意見を多く述べられます。範囲を広げたければ、好きな分野に拡大できます。一年次は、修士論文を書く「基礎能力養成期間」と今になって気が付きました。「広く学び、狭く研究する。」これが定石みたいです。