春がきて


                                                      

                              国際情報専攻3期生  小関 一光

 

                忘れもしない、2年前の入学試験の面接、五十嵐先生曰く「修士論文を書くというのは大変なことですよ、入学すると家族に迷惑がかかりますよ。家族だんらんもなくなりますよ。それでも良いですか?」そんなに、大変なのか(本当かな?)…本当でした。卒業生の「修士論文奮戦記」には苦労談も半信半疑であったが、やはり本当だった。

 リポートと毎月のゼミ、1年次は書いても、書いても終わらないリポートには参ったなと思った。ゼミにおいて進行状況の報告、ゼミの先輩方は結構進んでいる。かなり進んでいる人もいる。1年次はリポートに気を取られていて、修論への取り組みは遅れていた。

 「自分には時間がある。時間をつくれる」と思っていた。(思い込んでいた)仕事のあき時間にリポートも修論も書いてしまおう。…そんなに甘くはなかった。そんなことはできなっかった。

 本格的に論文に取り組んだの2年になってからであった。資料や書籍類の収集を始めたのはこのころからであった。テーマも絞り、やっと自分が書く論文の輪郭が浮かんできた。

 しかし、あっという間に時間は過ぎもたもたしていたら夏が過ぎ、秋になっていた。気がついたら中間発表会の時期を迎えていた… 「まずい、どうしよう」

 ラスト・スパートをかけなければいけない11月、朝起きたら横っ腹が痛い、じっとしていても歩いても痛い。医者に行くと「入院してください」との一言が、目の前が白くなった。修論が終わらない。留年…、結局、どうしても入院できないと伝え、毎日点滴を打ちつつ薬を飲み修論作成を続けた。下旬、修論(下書)を持って所沢に来るよう先生に言われた。何とか、下書を持って所沢へ。

 12月、先生に指摘を受けた箇所を修正、大晦日、家の中では紅白歌合戦から中島みゆきの歌が聞こえてくるが自分はパソコンとにらめっこ。年が明けて何とか完成、今年は正月気分は全くない。今までになかった経験をすることとなった。怠惰なツケの結果だ。

 1月の口頭試問、久しぶりにゼミの仲間に会う。皆、分厚い修論のコピーを持っている。皆もやってるな。(若手は自分と同じだったのかな?)2月、正本とMOを提出してようやく全て終わった。達成感がある反面、もう少し時間に余裕を持って取り組めばもっと良いものができたような気がしており反省している。

 修論作成が終わり、心にも余裕がもてるようになった。入学試験の時に先生が言った、家族団らんや家族に迷惑がかかるというのは本当だった。

 最後に、五十嵐先生、同期の皆様、ご指導や手助けくださった皆様本当にありがとうございました。この2年間、先生やゼミの仲間と接するにつけ自分が過ごして狭い世界とは違った世界を垣間見ることができました